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【歯科医師に聞く】歯のトラブルは40代で爆発! 歯ぎしり│食いしばりに注意!

  • 2024.11.15

自覚はなくても実は多くの人に見られる「食いしばり・歯ぎしり」。歯に大ダメージを与えているのはもちろんのこと、疲れやだるさ、頭痛、不眠、イライラ、肩こり、冷え性など、様ざまな体の不調の原因になっていると考えられます。40代に多い「食いしばり・歯ぎしり」について、モウリデンタルクリニックの毛利啓銘先生に話を聞きました。


40代のオーラルケア

【あなたの不調、食いしばり・歯ぎしりが原因かも】

頭痛や肩こりなどの不調、更年期や疲れではなく、食いしばり・歯ぎしりのせいかも。ブラキシズム(Bruxism)とは、睡眠時や覚醒時を問わず、歯を動的、もしくは静的にすり合わせたり、かみしめたりすることで、様ざまな動作を含んだ広義の「歯ぎしり」を指し、咬合神経症とも呼ばれます。「歯ぎしり」の頻度、強さ、持続時間によって発現する問題は多岐にわたり、虫歯、歯周病のほかに、頭痛、腰痛、耳鳴り、難聴、めまい、味覚障害などが挙げられます。頻度についてですが、私の臨床経験からいえば、診察する患者さんの7割以上が、ブラキシズムの痕跡を認める印象があります。深刻な問題を抱えている患者さん約96人を対象にブラキシズムの痕跡の有無を数えたところ、8割以上の患者さんが該当しました。特に歯のトラブルは40代以降に爆発する傾向があるため、必然的に「食いしばり・歯ぎしり」も40代が多いといえるでしょう。そして「食いしばり・歯ぎしり」は自律神経と深くかかわっているため、不定愁訴を引き起こすのです。

【歯のトラブルが40代で増加するワケ】

「歯ぎしり」は歯を左右にこすり合わせること。「食いしばり」は上下の歯を当て続けることです。就寝時に行われる「食いしばり・歯ぎしり」は、通常の咀嚼よりも強い力で断続的に行われます。一方、日中に行われる「食いしばり」は、弱い力で持続的に行われるのが特徴です。就寝時の「食いしばり」は歯に過剰な力を与えやすく、歯の破折や歯根膜の炎症を、日中の「食いしばり」は顎関節の疾患や不定愁訴につながりやすくなります。

そしてなぜ歯のトラブルは40代に多くなるのかを説明します。天然の無垢な歯と、治療した歯を見比べた時、形が著しく異なることがほとんどです。また、治療に用いられる材料の性質は、天然の歯とまったく異なるものばかりです。長期的な視点で見ると、歯の自然なすり減りができなくなり、これがかみ合わせ全体の不調和につながり、様ざまな問題を引き起こします。その問題を歯科治療だけで解決しようと何度も治療をやり直すことで、40代のうちに行き詰まるケースがほとんどです。詰め物や被せ物が多ければ多いほど、食いしばりや歯ぎしりの影響を受けやすくなり、これがさらに別の疾患につながるという悪循環に、多くの40代以降の患者さんが陥っているのです。

☑食いしばり・歯ぎしりチェックリスト

歯科医師や家族に指摘されて気づく場合もありますが、気づいていないことも。自分が食いしばり・歯ぎしりをしているかどうか自己診断ポイントを紹介。3つ以上当てはまったら危険!

【食いしばり・歯ぎしりを放置すると歯が脱落する】

歯を悪くしてしまう原因は基本的に2つです。それは「菌」と「強すぎる力」です。歯に強すぎる力がかかるとどうなるのかですが、まず、歯に小さなひび(マイクロクラック)が入り、そこから虫歯菌が歯の中に侵入し、虫歯になります。また、歯根には歯根膜という組織があり、歯の周りの骨を健全な状態にする役割を担っています。しかしこの歯根膜に強すぎる力を与えてしまうと、その部分の歯根膜は壊死し、周囲の骨は著しく失われ、歯が脱落します。つまり歯周病です。また前述の不定愁訴も治癒せず、QOLは下がる一方なのです。 早期にこの「食いしばり・歯ぎしり」による強い力を抜いてあげれば、元の状態に戻るので、ぜひとも早めの対応をおすすめします。また正しい食生活を送ることで、「食いしばり・歯ぎしり」の頻度と程度を下げることもできます。

【PROFILE】

モウリデンタルクリニック 毛利啓銘先生

1971年生まれ。歯科医師。モウリデンタルクリニック院長。歯科治療の矛盾や誤った常識を明確に説明し、基礎医学に基づいた論理的な治療を提供している。形骸的な治療ではなく、予知性が高く、治療後の予防管理を重視した治療を行っている。歯の根本的な問題を解決するため、約15年前から患者の食事や生活習慣の改善指導も行う。

『自律神経を整えれば、「食いしばり・歯ぎしり」は解決する』

自覚はなくても実は多くの人に見られる「食いしばり・歯ぎしり」。歯に大ダメージを与えているのはもちろんのこと、疲れやだるさ、頭痛、不眠、イライラ、肩こり、冷え性など、さまざまな体の不調の原因になっていると考えられます。自律神経が乱れているから「食いしばり・歯ぎしり」が起き、「食いしばり・歯ぎしり」がさらに自律神経を乱す悪循環。今日から簡単にできる「食いしばり・歯ぎしり」の治し方を、自律神経の名医・小林弘幸先生と、歯科医師の毛利啓銘先生が教えてくれます。
1650円(宝島社)

イラスト=ヤマサキミノリ ※GLOW2024年11月号より

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