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圧巻の紅葉絶景!名所「呑山観音寺」見どころを仏教検定1級のマニアが解説(篠栗)

  • 2024.11.14

神社仏閣に出かけると私たちの目を楽しませてくれる、季節の花々をはじめとした自然の美しさ。

しかし、せっかく神社やお寺に出かけたのに、自然だけを満喫して帰るなんてことはありませんか?

神道や仏教についてちょっとした知識があると、おでかけはより楽しく充実したものになります。

でも、「宗教や歴史って難しそう」と感じる方も多いですね。

そこで“仏教検定1級”(※)を持つ私ツバキングが、季節の彩りで有名な福岡のお寺を紹介しながら、仏教のことを”超カンタン”に解説します!(※)日本仏教協会認定資格

境内が真っ赤になる景色は圧巻!「呑山観音寺(のみやまかんのんじ)」(糟屋郡篠栗町)

今回ご紹介するのは、JR福北ゆたか線・篠栗駅から車で約15分の場所にある『呑山観音寺(のみやまかんのんじ)』。

駐車場は約200台分あり、無料です。

“のみやまさん”の愛称で知られる『篠栗四国八十八ヶ所霊場』の「16番札所」で、広大な境内に数多くのお堂が点在しています。

呑山観音寺 天王院 紅葉
画像:呑山観音寺

紅葉の季節には約1,000本のモミジやドウダンツツジが境内を真っ赤に染め上げ、思わず声が漏れてしまうような美しい景色が見られます。

例年、10月末~11月末にかけて、『紅葉まつり』が開催されるのも見どころのひとつ(2024年は10月26〜11月24日、9:00〜17:00)。期間中は日替わりで、キッチンカーや雑貨、めだかすくい、野菜などのお店が日替わりで並ぶ『観音市』が開催されます。※出店情報は、観音市のアカウントInstagram(@kannon_market)で確認を。

呑山観音寺 紅葉
画像:呑山観音寺

しかし、「紅葉だけ見て帰られる方も多いんですよ。せっかくなら本堂などにもお参りしていただきたいですね」と副住職の村上了然さん。

これは仏教マニアとして見どころをご紹介せずにはいられません。

秘仏!厄除け、家内安全、恋愛成就などオールマイティーなご利益の「千手千眼観世音菩薩」

「本堂」には、年に一度(秋の大祭/10月第3日曜日)しか見ることのできない秘仏である『千手千眼観世音菩薩』が祀られています。

呑山観音寺 千手千眼観世音菩薩
画像:Mr.tsubaking ※千手千眼観世音菩薩は写っていません

観音菩薩はプレーンな状態であれば私たちと同じ2本の手を持っていますが、「どんな人でも救いの手を差し伸べたい」という思いから、千手観音に変化(へんげ)しました。

なんだか頼もしいですね!

ご利益は、厄除け・家内安全・商売繁盛などさまざまで、まさにオールマイティーと言えるでしょう。

こちらも秘仏!「人生の荒波を切り開き厄を除けてくれる」というご利益の「不動明王」

また、境内にある「天王院」には『不動明王』(秘仏)が祀られています。こちらも、年に一度だけ(八千枚護摩供大行/12月第2日曜日)公開されます。

こちらのお寺の宗派である「真言宗」では大日如来という仏様がトップに位置していますが、『不動明王』はそんな大日如来の“もう一つの姿”とされています。

呑山観音寺 不動明王
画像:Mr.tsubaking ※不動明王は写っていません

さらに、天王院に祀られているのは『不動明王』の中でも『浪切不動』と言われる珍しい像。

唐の国で勉強をした空海が、船で日本に戻ってくる途中で嵐に見舞われた時、海の上に現れ、荒波を切り裂いてピンチを救ったと言われているのが『浪切不動』です。

そうしたエピソードから、「人生の荒波を切り開いてくれる厄除け」のご利益があるとのこと。

何をするにもストレスや苦難の多い現代にもマッチした仏様ですね! キリスト教のエンジェルにも通じる仏と言えるかも?

「愛染明王」のご利益は「いいことがたくさん起こる」!

「天王院」本堂脇にある「愛染堂」には『愛染明王』という仏像が祀られています。

真っ赤な姿に手が6本、頭の上に獅子の顔をのせた、個性的な姿をした仏像です。

呑山観音寺 愛染明王
画像:Mr.tsubaking

副住職によれば「福徳増長(いいことがたくさん起こる)のご利益がありますよ」とのこと。

また、その名前からもわかる通り、恋愛成就・夫婦円満のご利益でも知られています。

西洋では、恋のキューピットは弓矢を持った姿で描かれますが、恋愛成就の仏様である『愛染明王』も弓矢を持っているのはおもしろい!

そして、6本の手のうち、1本だけ何も持たない手があります。時代や地域によっては、ここに縁を結びたい相手の名前やラブレターを持たせてお祈りをしたことも。ロマンチックですね!

全国に数体だけ!特別公開のタイミングを狙って行きたい仏像

そして、仏像好きの私ツバキングが強くオススメするのが『喩祇塔(ゆぎとう)』です。

呑山観音寺 喩祇塔(ゆぎとう)
画像:呑山観音寺

この中には、愛染明王と不動明王が合体した『両頭愛染明王(りょうずあいぜんみょうおう)』が祀られています。

呑山観音寺 喩祇塔(ゆぎとう) 両頭愛染明王(りょうずあいぜんみょうおう)
画像:Mr.tsubaking

2つの仏像が合体していて手が8本もあるという、どう考えても“異常な姿”なのにもかかわらず、全体の形としてバランスが取れており、仏師(仏像を作る人)の技術の高さがうかがえます。

扉が開いて拝観できる日は限定的(お寺のHPなどをチェック)ですが、全国的にも数体しかないとても珍しい仏像は必見です!

紅葉だけじゃない!桜、バラ園も必見

紅葉で有名なこちらのお寺ですが、春には令和3年に新品種として登録された『福聚(ふくじゅ)桜』が花をつけ、新緑の時期には境内全体が若々しい緑に包まれます。

さらに、数年前に副住職が情熱を傾けて作ったバラ園も!

呑山観音寺
画像:Mr.tsubaking

こうして、四季を通して楽しめる『呑山観音寺』。

木々を愛で、仏教の深さに触れてみてはいかがですか?(文/Mr.tsubaking)


■呑山観音寺
住所:福岡県糟屋郡篠栗町萩尾227-4
拝観時間:6:00~17:00
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