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11月15日公開映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』コニー・ニールセンが語る見どころに注目!

  • 2024.11.15

2000年の大ヒット名画『グラディエーター』は、続編の噂が出ては消えの二十数年を経てきた。ついに完成した『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』は、前作の16年後を舞台にした歴史超大作で、前作の主人公マキシマスの元カノで、前帝コモドゥスの姉ルッシラをはじめ、数名のキャラクターが再登場する。ルッシラを演じたコニー・ニールセンは「すごく驚きの経験だった」と語る。
 
「二十数年も前の役を続投するなんて、映画ではめったにないこと。だけど、監督からこの話を受けた瞬間から、ルッシラの成長を演じられるのが待ちきれなかったんですよ。前作からの16年で彼女自身はもちろん、ローマも大きく変わり、狂気と混乱の中で生き抜いている女性。撮影の2年くらい前、監督から最初に声をかけてもらって、倫理的なリーダーがいなくなったローマで彼女はどうしていたのか、オープンに議論をし、キャラクター作りを始めました」
 
前作でのルッシラは、完璧だった父マルクス・アウレリウスを失った後で暴君化した弟コモドゥスにおびえてていた。本作の彼女はより強く、大義のためなら死を恐れない女性に成長している。
 
「彼女は父親から道徳を学び、民主的な国家のために尽くそうとします。だけど、彼女にはそのために動く自由はありません。なにせ彼女の周りには常に武装した警備員がたくさんいて、腐敗した政治家たちの暴政を目の当たりにしながら逃げることすらできません。彼女は民衆を一番に考えていたマキシマスと父親を失ったことで、悲しみに暮れるのではなく、彼らが貫いていた思いをなんとか実現するために生き続けている……これは日本語で言う“粋”の精神に似てると思いますよ。『SHOGUN 将軍』のようなヒットドラマがあったおかげで、このような考え方は世界中に通じるんじゃないでしょうか」
 
このような強い女性像に成長したのは時代の流れのおかげなのだろうか。それとも普遍的なものなのか。
 
「私はそれは普遍的なものだと思っています。撮影前に監督からすすめられてリサーチ用の資料を読み込んだんですが、亡命は最悪のことだと学びました。本作でも描かれている通り、死にゆく国家から逃げ出すのではなく、去らずに何かをしようとする。これがルッシラの価値観であり、私がこの役で表現したかったこと。人が力を持つ危険、その危険な権力者に対峙する勇気。これは今の社会生活においても変わりませんし、ルッシラがどんな苦境にあってもその価値観を持ち続ける心の強さは、現代人の我々には教訓となるんじゃないでしょうか」

『グラディエーター II 英雄を呼ぶ声』
story ルキウス(P・メスカル)はマルクス将軍(P・パスカル)率いるローマ軍の侵攻によって妻と子どもを殺され、奴隷となってローマへ。元奴隷のフィクサー、 マクリナス(D・ワシントン)の働きかけでルキウスは剣闘士として鍛えられる。 が、じつは彼は前帝の姉ルッシラ(C・ニールセン)の実子で……。
監督:リドリー・スコット/出演:ポール・メスカル、デンゼル・ワシントン、ペドロ・ パスカル、コニー・ニールセン、ジョセフ・クイン、フレッド・ヘッキンジャー、デレク・ジャコビ、ラッセル・クロウ ほか/配給:東和ピクチャーズ/公開:11月15日より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
© 2024 PARAMOUNT PICTURES.

Connie Nielsen 1965年7月3日、デンマーク生まれ。『ディアボロス 悪魔の扉』(1997年)、『天才マックスの世界』(1998年)などを経て『グラディエーター』(2000年)で注目を集める。『グラディエーター』続編の本作では二十数年ぶりに同じ役を続投した。

text:MASAMICHI YOSHIHIRO
otona MUSE 2024年12月号より

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