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【漫画】担任の女性教師に保護された家出女子中学生…切なくも尊い2人の関係性を描いた物語に「最高です」「すこ」の声

  • 2024.11.14
『噓から始まる恋の夏 -squall-』より (C)LYCORIS・ろここ/一迅社
『噓から始まる恋の夏 -squall-』より (C)LYCORIS・ろここ/一迅社

【漫画】女性教師が家出女子中学生を保護…自宅に招いたことで距離が縮まっていく話に「尊いのに儚い……」の声

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、漫画誌『コミック百合姫』(一迅社)とWeb漫画サイト「一迅プラス」にて連載中の『嘘から始まる恋の夏 - squall -』第1話をピックアップ。漫画家のろここさんが、2024年9月5日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、1.4万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では、原作シナリオを手がけたLYCORISのAkeoさんと、漫画担当のろここさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

生徒と教師という関係性から始まる2人の物語

『噓から始まる恋の夏 -squall-』より (C)LYCORIS・ろここ/一迅社
『噓から始まる恋の夏 -squall-』より (C)LYCORIS・ろここ/一迅社

「ねぇキミ、こんな雨の夜に傘もさささず何して……」と教師の深玲が声を掛けて振り向いたのは、深玲の受け持つクラスの生徒である薫。深玲は「とりあえずうち来て」と言って、自分の家に連れて帰ることにした。

家に到着し、やっと落ち着いたところで「……そろそろ何があったのか話してくんない?」と本題に入ろうとする深玲。しかし薫は「…」と無言を貫く。

薫は家出をしていたが、行くあてもなく途方に暮れていたところを担任の深玲に保護された。「それ飲んだらタクシー呼ぶから帰ろうか」と言って深玲は薫の両親に連絡をしようとする。

しかし嫌がる薫に「いい?橘さん」「子どものキミを家に帰さず連絡もしなかったらどうなると思う?」「大人の私は誘拐犯になるの」「未成年略取ってやつね」と言って、先生である以前に大人の対応をしているだけだと説明する深玲。

さらに深玲は、薫にも事情があるようにこちらにも事情があることを説明する。しかし「霜月センセイが言ってること私にはよくわかんない」「センセイが私を家に連れてきたんじゃん」「それなのに大人の事情で帰れって言われてもそんなの勝手だよ……!」と、薫は感情的になってしまう。

「とにかく私は帰りたくない…」「あんな親のとこ…!」と頑なに帰ろうとしない薫に対して「だったら、橘さんはわたしにどうしてほしいの?と尋ねると…。

この漫画を最後まで読んだ人たちからは「尊いのに儚い……」「すこ」「最高です」「続き…続き…」「わたしも霜月センセイと休日過ごしたい」「霜月センセイのギャップえぐい」など反響の声が多数寄せられている。

制作に深く関わった2人が語る作品への思い

『噓から始まる恋の夏 -squall-』より (C)LYCORIS・ろここ/一迅社
『噓から始まる恋の夏 -squall-』より (C)LYCORIS・ろここ/一迅社

――本作を描くことになった経緯やきっかけがあれば教えてください。

Akeo:原作にあたる『嘘から始まる恋の夏』(キャラクター原案:塩こうじ)はPC用ゲーム(ビジュアルノベル)で、手軽に入れる媒体とは言えなかったと思います。PCゲームとは縁遠い方々にも漫画という形でこの物語を知ってほしいと思っていたところ、百合姫様が話を聞いてくださり、前日譚にあたる百合ボイスドラマ『恋、降る』をベースにするご提案を担当さんからいただきました。

そこからろここ先生に漫画を担当いただけることになり、短期集中連載の話数構成に落とし込んでいく過程で、当初3話だったものが4話構成になり、今の形に決まりました。

ろここ:このコミカライズのお話をいただき、まずはゲーム本編のストーリーや資料を拝見しました。キャラクターたちの繊細な感情の揺れ動きや、切なくも青く、胸を締めつけられる展開に強く惹かれ、ぜひこのコミカライズを描かせていただきたいと思いました。

特に、本編の中でも霜月深玲というキャラクターに個人的に惹かれていたため、本作が深玲が主人公のストーリーだと知り、ますます描きたいという気持ちが高まりました。

――「親に心配かけるな」と一蹴するのではなく、橘にそっと寄り添う霜月先生が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

Akeo:大人と子供、という点は特に意識して書くようにしました。霜月先生は年齢的にはもちろん大人ですが「痛みを知っている人」という部分もセリフに滲むようにこだわって書いています。薫に過去の自分の面影を見て、“自分の傷を癒やすように優しくする”ところから霜月先生が薫を個人として認めていき関係が変わっていくところは、注目してほしいポイントです!

あと、霜月先生の部屋着姿や気の抜けた表情など、ろここ先生による漫画版ならではの描写も堪能していただきたいです!

ろここ:家出した薫に対して深玲が突き放さなかったのは、深玲自身の過去の経験、優しさ、そして大人になりきれない弱さからくる行動だと思っています。この物語は年齢や立場こそ違えど、どちらも大人になりきれない深玲と薫の物語です。 はっきりとした成長を見せるわけではなく、2人の未熟さや危うさが滲み出るような物語だと感じています。

そのため、二人が倫理的に正しい行動をしているかどうかはわかりませんが、二人の間に生まれる苦い感情や切ない思いが丁寧に描かれているところが、この物語の魅力だと思います。ぜひそこに注目して読んでいただけたらと思います。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

Akeo:1話の最後、ペンギンのぬいぐるみを置いて仕事に行くシーンはお気に入りです。霜月先生の遊び心というか、本来こういう人なんだなーというのが見える部分だと個人的に想っています。

2話になりますが、薫が霜月先生に想いを告白するシーンもまた違った意味で好きなシーンです。告白を受けた霜月先生の表情がなんとも言えず切ないです。

ろここ:個人的にお気に入りのシーンは、1話の深玲が酔っ払って寝ている場面です。深玲は普段、キリッとした表情が多いキャラクターなので、酔って子供のように無防備な顔を見せる姿を描くのは新鮮で、とても楽しかったです!

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

Akeo:生きている中でままならないなぁと思うことや、人から話を聞いて大変だなぁと思う一方で、そこを物語にしたらどうなるかな、というのをきっかけに広げていくことが多いです。『嘘から始まる恋の夏』の原作はそれなりに長い物語になっていますが、そういう自分なりの世界観が随所に出ていると思います。

ろここ:本作は、いただいたシナリオを基に漫画にしているため、私がゼロからストーリーを考案しているわけではありません。そのため、ストーリーの着想といった話からはズレるかもしれませんが、シナリオを漫画に落とし込む際、ストーリーのどの部分を取捨選択するかは非常に悩みました。

もともといただいたシナリオがしっかりした内容だったので、限られたページ数の中で最大限に伝えたいことが伝わるよう、省略するべき場面は省略しつつ、丁寧に描きたい場面は、しっかりページを使って描くよう、よく考えながら改めてストーリーを組み立てました。

また、読みやすいように一部セリフやシーンのアレンジもしています。たとえば、1話で薫が深玲のマンションに連れてこられるシーンは、本来のシナリオでは雨に打たれた薫がタオルで体を拭いて借りた服に着替え、カフェオレをもらうという流れでしたが、漫画としての視覚的な見栄えやページ数を考慮し、制服のままタオルを肩にかけるだけの表現に変更しました。

冷静に考えれば、濡れたままの制服は風邪をひきそうで、早めに着替えて欲しいところですが…(笑)。漫画という媒体で、できるだけ分かりやすく、スムーズにストーリーが伝わるように心がけています。

――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

ろここ:私服や部屋着、部屋の内装なども、そのキャラクターに合ったものを考えながら描いています。ゲーム本編でのキャラクターの私服や部屋の資料はいただいているのですが、本作は前日譚ということで、本編では出てこなかった深玲の過去の部屋や、高校教師時代の服装はオリジナルで考えています。「こんな感じの部屋かな…?」「こんな服を着るかな…?」と想像しながら描く作業がとても楽しいです。

――今後の展望や目標をお教えください。

Akeo:まずはコミカライズ版である『嘘から始まる恋の夏 - squall -』や新作ボイスドラマ『嘘から始まる恋の夏 - Parallel Palette -』も含めて、一連の作品群をもっと多くの方に知っていただきたいと思っています!

一方で、自分自身は今回漫画制作に関わらせていただいたのが楽しかったのでもっとやってみたいですし、他にも新たな挑戦をどんどんしていきたいと思っています!

ろここ:『嘘から始まる恋の夏』は、ゲーム本編やコミカライズだけでなく、クラウドファンディングでの新作ドラマCDなど、今後もさまざまな展開を見せる作品です。私自身も一ファンとして、これからの展開を楽しみに応援していきたいと思います。

個人的な目標としては、まだまだ漫画家として未熟者ですので、これからたくさんの作品を描き、技術を磨いて、読者の皆さんに「面白い!もっと読みたい!」と思っていただけるような作品づくりを目指して努力していきたいと思います。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

Akeo:『嘘から始まる恋の夏 - squall -』はろここ先生と編集さんのお力で、コミカライズながら原作を知らない初見の方でも楽しめる作品になっています!2話でひとつの結末を迎えましたが、ふたりの物語はまだまだ続きます。ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです!さらにその先のふたりのことを知りたくなったら『嘘から始まる恋の夏』本編をぜひ遊んでみてください!

ろここ:『嘘から始まる恋の夏 - squall -』は、ゲームのファンの方にも、初めてこの物語に触れる方にも楽しんでいただける作品です。ぜひ、二人の切ない恋の物語を見守っていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

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