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ヘルムート ラングのピーター・ドゥが退任へ。後任は未定

  • 2024.11.14
Helmut Lang - Runway - Spring/Summer 2024 New York Fashion Week

11月13日(現地時間)、ヘルムート ラングHELMUT LANG)のクリエイティブディレクター、ピーター・ドゥがブランドを去ることがわかった。後任は発表されていない。

ドゥは「私のビジョンを支えてくれたチームに感謝の意を表したい。ヘルムート ラングのレガシーを受け継ぐという仕事を任されたことは、信じられないような体験だった」とコメント。一方、チェアマンである柳井一海は、「彼の卓越したクリエイティブなリーダーシップとビジョンに深く感謝しています。彼の今後の活躍を祈ります」と述べた。

ドゥは昨年5月にヘルムート ラングのクリエイティブディレクターに就任し、2024年春夏ニューヨーク・ファッション・ウィークでデビュー。ファーストコレクションはさまざまな反響を呼んだが、今年2月に行われた2回目の2024-25年秋冬コレクションではよりポジティブな評価を獲得していた。9月のファッションウィークへの参加は見送ったため、2025年春夏コレクションは未だ発表されていない。

ヘルムート ラング 2024年春夏コレクションより。
ヘルムート ラング 2024年春夏コレクションより。
ヘルムート ラング 2024-25年秋コレクションより。
ヘルムート ラング 2024-25年秋コレクションより。

ブランドの再興に苦戦したデザイナーはドゥだけではない。独学で学んだオーストリア人デザイナーによって1986年に設立され、90年代から2000年代にかけてカルト的人気を博したヘルムート ラングだったが、2005年に創設者がアート活動に専念するために退任してからは、多くの人の手を経ている。

本格的な復活が試みられたのは2007年、親会社だったリンク・セオリー・ホールディングスがプラダ・グループから買収し、マイケル・コロヴォスとニコル・コロヴォス夫妻をクリエイティブディレクターに迎えたときだった。このデザインデュオは、レーベルのエッジィなイメージを払拭し、よりコンテンポラリーな路線に舵を切ったが、二人は2014年に退任。その後、当時『Dazed』の編集長だったイザベラ・バーリーが“エディター・イン・レジデンス”に任命されるまで、レーベルは社内チームによって運営されていた。バーリーは2017年、デザイナーにフードバイエアーHOOD BY AIR)創設者のシェーン・オリバーを起用。彼が手がけた2018年春夏コレクションはラングらしさには欠けたものの、高評価を受けた。2019年にはマーク・トーマスとトーマス・コーソンが続いたが、2020年春夏コレクションを発表した後に去っている。

ドゥはヘルムート ラングに入社してからも自身が手がけるピーター ドゥ(PETER DO)のコレクションを制作し続け、ショーはパリに移していた。だが、もし彼がニューヨーク・ファッション・ウィークに復帰することになれば、この都市はその復帰を喜ぶだろう。

Text: José Criales-Unzueta Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.COM

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