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ブラック道長が三条帝に譲位を迫る!倫子さまの女の勘はホラーだけど来週はついに「望月の歌」!

  • 2024.11.14

「光る君へ」言いたい放題レヴュー

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光る君へ 第43回「輝きののちに」あらすじ&今週も言いたい放題ブラック道長全開で三条帝に譲位を迫る。倫子さまの独白はほとんどホラー

今週のお当番のN子です。放送も残り少なくなってきて、どこまでお話しが進むのかしらん?と毎回ワクワクしています。

先週は、療養中の道長のもとにまひろが訪れ、お互いの愛情とつかず離れずともに歩んできた時間を確認できただけでなく、「宇治十帖」を書くきっかけにまでおよび、神回でした。

今週は、道長の病も癒え、三条帝と道長のバトルが激しさを増しましたね。ブラック道長全開バリバリでした。譲位を迫っていく道長と、衰弱していく三条帝の対比は、すさまじかったです。

また譲位を迫る道長に疑問を呈する実資や行成など、公卿たちの反応の違いも描かれていたのも、面白かった。まとまっているようで、バランスが少しずつずれていく感覚がよく描かれていたと思います。

 

 

そして倫子さまの素晴らしい洞察力から投げかけられた言葉の刃に、背筋を凍らせるシーンも見応えがありました。

行成とのBL風味の展開、道長のセリフにキュン死

道長が奏上している際、三条帝の目が見えていないこと、耳が遠くなっていることに気が付きます。

めざといなあブラック道長。酒席の際、F4の面々に譲位へ向けての動きをさりげなーく指示します。ただひとり、行成だけが浮かない顔をしていましたね。

敦康親王の東宮への道を閉ざし、自らの外孫である敦成親王を東宮へと押し上げたり、敦康親王と彰子さまの間を邪推して遠ざけようとしたり……。

行成は、道長を強力にバックアップする優秀なブレーンであり、友人であったはず。その最も身近にいる行成が、今の道長の言動には首をかしげざるおえないわけで。

行成は、大宰大弐への異動を申し出ますが、つれない応対の道長です。行成の思惑通りにはいきませんでした!

狩りの際に目をケガし、予後が良くない隆家も、大宰権帥(だざいのごんのそつ)に異動したいと申し出ます。

 

 

宋から来た腕のいい薬師が太宰府にいると実資から聞いたので、中納言の職を返上しても行きたいという懇願です。道長はあっさり承認します。

 

ま、結局、隆家が太宰府にいたことで、刀伊の入寇(といのにゅうこう)という国難を逃れることができたんですけど。

 

 

自分が先に太宰府に赴任したいって申し出たのに!と憤慨する行成に、「お前は俺のそばにいろ」と言って去っていく道長です。大事なところなのでセリフは太字にしました!

道長が自分のことを俺と言うのは、よっぽど内輪の席、もしくはまひろと話をするときだけですよね?道長、ずるいです。人たらしです。

上司と部下の関係でもあり、友人でもあり……道長にとって、どんな立場であろうと一緒にいてほしい、力を貸してほしい人、それが行成なんですよねえ。

史実では、結局隆家と入れ違いに行成が大宰権帥に任命されます。でも実際に大宰府には下向しなかったとか。道長にとって、本当に欠くことのできない人物だったようです。

 

 

万寿 4年 12月4日 (1028年 1月3日)の朝、道長は亡くなりますが、同日の夜、行成も亡くなっています。亡くなる日まで重なるなんて、なんという深いご縁でしょうか。

 

 

本当に片時も離したくない相棒だったのかもしれません。

三条帝の衰弱が進む……もしや兼家パパがお得意だったアレ?

三条帝は目もよく見えず、耳も遠くなっているようです。宋の国から取り寄せた特効薬で治してみせると言っていましたね。

 

 

さっそくX(旧Twitter)では、あの薬は万病に効くとされたが硫化水銀が含まれている「金液丹」だ!という説が多く流れていました。

しかしあの薬は「紅雪」というものだそうです。三条帝が「紅雪」を服用する場面に、道長が立ち会ったことが、『御堂関白記』に記してあるとか。

 

 

私はてっきり、道長一派が、兼家パパがお得意だった毒を盛ったのでは?と思っていたのですが、違うみたいです。

 

 

しかしこののち、道長自身も目を病んでしまい、「紅雪」を服用したそうですから、因果はめぐるものなのです。

 

おお。なつかしや「偏つぎ」遊び!

彰子さまのところで、まひろを相手に敦成親王さまは「偏つぎ」遊びをしていました。なつかしいですねえ。たしか、第3回あたりで、倫子さまのサロンに集まった姫君たちが、赤染衛門を相手に「偏つぎ」をしてました。

あのときは、まひろが独り勝ちしていて、姫君たちはシラけていましたっけ。まひろがいかに男勝りに漢字を習得、操れるということを印象づけるシーンでした。

 

 

時を経て、内裏に上がって彰子さまの女房になって、東宮さまと「偏つぎ」遊びをしているなんて、あの頃は想像もできませんでした。まひろ、頑張ったね!

 

 

そこへ道長もやってきて、ちゃっかりまひろの横に座っていました。Xでは「道長のまひろチャージ」と呼んでいて、思わず笑ってしまいました。

倫子さまの勘には恐れ入る。あの不敵な笑みはホラー

道長と倫子さまがふたりで語らうシーンは怖かったですね。「私は殿に愛されてはいない」あのセリフは本当に怖かった。鋭い洞察力で、真実をズバズバ投げかけてくる倫子さま。

でも道長と結婚して、彰子さまが入内し、皇子を設け、その子が帝になることはほぼ決定となった今、そんなことはどうでもいいと、浪々と語ります。

まひろへの一途な思いとは別の、手段としての結婚相手である倫子さま。そうとは知らず、憧れていた相手と結ばれたとばかり思っていた。

子どももたくさん設けて、夫も順調に出世街道まっしぐら。位人身を極めた夫を持って幸せなはずなのに、事あるごとに夫の心が自分にはないことを感じる……。かわいそうな倫子さま。

愛がなくても、権勢を誇り、貴族社会の頂点に立つことができるなら。そういう割切りができる強い女が、道長には必要だったことも確かで、どっちもどっちなのかなあと思ったり。道長のほうが分は悪いですけどね。

来週の予告も怖かった。まひろの局でダベっている道長の背後に……倫子さま登場してました。もうどうなっちゃうんでしょう。

まひろが賢子と双寿丸を見守る理由

賢子の初恋は終わりを迎えます。双寿丸は平為賢に付いて大宰府に向かうのです。最後に宴を設けたいと言う健気な賢子。さわやかな初恋の終わらせ方でした。

まひろがこのふたりを見守っていた理由もなんとなくわかってきました。父・為時が越後より帰国した際、ふたりの様子を見て「いいのか?」とまひろに問うと、賢子は自分と異なり、身分や境遇の違いなどを乗り越えている、と答えます。

そうなんですよ。まひろだって道長と結ばれるチャンスは何度もあったんです。ふたりで逃げようと言われたとき。妾でもいいから一緒になりたいと言えるチャンスもありましたし、石山寺での一夜の際も道長は「俺のそばにいてくれ」と言ったのに、それを断っています。

おてんば姫君であったけれど、まひろは貴族社会の身分、家格などのルールを超えようとしなかった。賢子のように一緒に大宰府に連れて行ってくれとは言えなかった。

自分の能力を使って自由に生きてみたいと熱望しつつ、身分制というルールを超える、否、壊そうとはしなかったわけで、そんな自分と比べれば、娘の賢子の自由な心がまぶしかったに違いありません。

 

このまひろの心境の描き方、とても好きです。

来週はいよいよ「望月の歌」

 

 

来週の予告に「望月の歌」のシーンがありました。ああとうとう!ここまでやってきました。どういう心境であの歌を詠むのでしょうか? 予告シーンでは、俺サマの天下だ、という解釈ではなかったような。大石静さんはどう描いたのか、興味津々です。

「光る君へ」言いたい放題レヴューとは……

Premium Japan編集部内に文学を愛する者が結成した「Premium Japan文学部」(大げさ)。文学好きにとっては、2024年度の大河ドラマ「光る君へ」はああだこうだ言い合う、恰好の機会となりました。今後も編集部有志が自由にレヴューいたします。編集S氏と編集Nが、史実とドラマの違い、伏線の深読みなどをレビューいたしました!

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