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性欲旺盛な夫がつらい。悪化する夫婦仲、夫と親友の裏切り。それでも諦めない妻の泥沼制裁劇

  • 2024.11.13

夫は家事育児には無責任。優先するのは自分の性欲。夜、夫に誘われるのがつらい。夫婦仲の尽きない悩みに加え、信じていた親友の裏切り。

『溺れる子宮』(川端みどり:漫画、一宮梨華:原作・シナリオ/KADOKAWA)は、夫婦間の泥沼に立ち向かう女性を描いた制裁劇だ。

主人公・由宇は、夫・倫也と保育園に通う娘・楓との3人家族。一人娘の楓は多少ワガママがありつつも可愛い盛りだ。反対に、ワンオペ育児を強いるわりに性欲ばかりをぶつけてくる倫也に対し、苛立ちがつのっていく。

「性欲なんて、とっくの昔になくなった――」

由宇は抱えていた不満を、高校時代からの親友・岬に打ち明ける。だが今の岬は勝手な理由から由宇のことを妬んでおり、彼女の愚痴を真に受け、倫也を誘惑。親友であるはずの由宇を裏切り、倫也と不倫関係を結んでしまう。

それを知った由宇は大きなショックを受けるが、人知れず彼女を慕っていた保育士・梶の言葉に支えられ、彼らに制裁を加えることを決意。はたして、由宇は夫と親友にリベンジできるのか?

夫婦の不仲、セックスレス、親友の裏切りに不倫…泥沼要素のオンパレードとなっている本作。

過激な文字を見るだけでお腹いっぱい…となる人も多いかもしれない。

しかしこれだけ盛りだくさんな内容でありながら、1巻完結でサクサクと内容を追える。テンポの良いストーリーや、たくさんの見どころをぎゅっと凝縮した構成は、本作の魅力のひとつだ。

困った時や苦しい時に助けてくれる人が現れるのは、その人自身も誰かを無意識に助けられる思いやりの持ち主だから。逆に誰にも助けられない人は、自分も身勝手な生き方をしてきたからである。

近しい人からの裏切りを経てなお、主人公・由宇の味方となる人々によって、物語は勧善懲悪の展開を迎える。その点も、スッキリとした読後感の一因だろう。

その一方で、多くの読者が泥沼劇に求めるドロドロもしっかりと描かれているのでお楽しみに。心をかき乱される要素を求めている人も、きっと満足できるに違いない。

マンガを読んでスカッとしたい!という人にも、愛憎渦巻くストーリーを楽しみたい!という人にもおすすめの本作。ぜひ手に取って、その結末を自身の目で確かめてほしい。

文=ネゴト / 曽我美なつめ

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