『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の続編が製作されなかった理由

トム・クルーズとブラッド・ピットが主演した1994年の映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』。アン・ライスによる同名小説シリーズを原作にした同作は、興行収入2億ドルを突破し、アカデミー賞2部門にノミネートされるなど評価、興行収入ともに高かった。だが、原作に続きがあったにもかかわらず、続編が製作されなかった理由をジョーダン監督が明かした。

「（続編の）『ヴァンパイア・レスタット』の脚本を依頼されて書いたけれど、トムは再演したくなかった。単純な理由です。実現していたら、まったく違うものになっていたと思います。もしクルーズ氏がやると言っていたら、スタジオもゴーサインを出していたはずです。ですが当時、トムは続編に出演したくなかったんです」と公開30年を記念して行われた『ヴァラエティ』誌のインタビューで語った。

原作者のアン自ら脚本を手がけた『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』は、ルイ（ブラッド）が、ジャーナリストとのインタビューの中で、かつてレスタト（トム）によって吸血鬼に変えられたという驚愕の半生を語る物語。ジャーナリストをクリスチャン・スレーターが演じたほか、キルスティン・ダンストやアントニオ・バンデラス、タンディ・ニュートンら豪華キャストが脇を固めた。

その人気を証明するように、2002年には物語の続きを描く『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』がスチュアート・タウンゼント主演で公開されたほか、2022年にはドラマシリーズ「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」も放送された。

なお、当初レスタット役はダニエル・デイ＝ルイスやルトガー・ハウアー、ジェレミー・アイアンズらが候補に挙がっていたものの実現ならず、原作者のアンはトムの起用に反対したが、彼の演技を見て方針を転換したことは有名だ。トムについて、ジョーダン監督はこう評価している。

「レスタットは、背が高くひょろっとした金髪だと描かれている。トムはまったく違いますが、彼には説得力があり、ぴったりだと思いました。ハリウッドスターは、レスタトと遠からぬ生活を強いられているのです。彼らは人目や人込みを避け、伝説を守り、ある種ミステリアスさを維持しなければなりません。これらはトムの生活の一部であり、彼のレスタトを素晴らしいものにするだろうと考えました。本作では見事に合致したのです」

Text: Tae Terai

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