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小さなことでイライラ・くよくよするなら。暮らしの中ですぐできる「生活瞑想」知ってる?

  • 2024.11.18

「仕事と家事だけで一日が終わってしまう」「集中力がなく、仕事の効率が上がらない」「小さなことでイライラ・くよくよしてしまう」「スマホから離れると、短時間でも落ち着かない」「いつも疲れている」……、そんな人におすすめなのが「瞑想」です。

「瞑想」とは、考えごとや悩みごとでいっぱいになった脳内をリセットしてくれる、心と頭の整理術のようなもの。そんな瞑想をもっと身近に、手軽に行うために、京都にある「両足院」の副住職・伊藤東凌さんによって考案されたのが、「生活瞑想」です。 

「生活瞑想」なら、いつでもどこでも瞑想の時間がつくれます

静かに座っているだけが瞑想ではありません。料理や洗濯などの家事の時間、休憩や移動の時間も立派な瞑想時間になります。「生活瞑想」=「ながら瞑想」といってもいいでしょう。生活瞑想を行うときに大切なのは、「五感」を意識すること。「便利さ」や「時短」は、私たちをラクにしてくれる反面、五感を鈍らせる原因に。そこでふだんの行為にあえて時間をかける。非効率な行為こそが、感覚を目覚めさせ、心の状態に気づくきっかけを与えてくれるのです。

そして、ここでは毎日の暮らしに取り入れたい4つの「生活瞑想」をご紹介します。 

身支度しながら「歯磨き瞑想」

毎日の歯磨きも、歯一本一本に意識を向けて磨けば瞑想の時間に。隅から隅までていねいに磨いていきましょう。歯ブラシから伝わってくる歯の形状、並び方、歯ぐきにブラシが当たったときの感覚などを確認しながら磨きます。最後に水を口に含み、吐き出すまでの音や口の中の感触、すべてを味わいつくしてください。 

休憩しながら「ティーバッグ瞑想」

ほっとひと息つくお茶の時間は、瞑想にうってつけのタイミング。急須やティーポットで茶葉からいれるのが理想ですが、手軽なティーバッグでもOK。袋からティーバッグを取り出し、揺れが止まるまでじっと眺め、ゆっくりとカップの中に入れます。お湯を注ぎ、蒸らしている間の1~2分、カップの中の景色をじっと眺めましょう。ティーバッグを取り出すときも、最後の1滴が落ちるまで眺めつづけます。お茶の色と香りを感じ、じっくり味わいながら飲んでください。  

家事をしながら「せん切り瞑想」

ただひたすら野菜を刻む単純作業は、「今・ここ」に集中しやすい行為。まず、野菜(キャベツ、にんじん、きゅうりなど)をいつものスピードでせん切りにし、残り1/4くらいになったら、ゆっくり切っていきます。包丁を握る感覚、野菜が切れる音や、刃がまな板に当たる音に耳を傾けながら、ていねいに。忙しいときはカット野菜やスライサーに頼りたくなりますが、あえて包丁で切ることで、脳がリフレッシュします。 

移動しながら「電車瞑想」

電車の中は瞑想に不向きかと思いきや、じつは絶好の瞑想タイム。まわりに人の気配をうっすら感じつつ、自分に意識を向けるという、いつもとは違う感覚が得られます。やり方は簡単。つり革につかまりながら、もしくは座りながら半眼になって、数分間呼吸に集中するだけ。「半眼」というのが最大のポイントで、目からの情報を適度にシャットアウトしながら脳を休めることができます。スマホを見る時間を少しだけ瞑想にあてると、満員電車のイライラやストレスも軽減しますよ。 

【瞑想を行うときのポイント】

瞑想を行うとき、「決められた手法を完璧にこなそう」と思わなくてOK。また、「頭の中をからっぽにする」「無になる」ことが瞑想の最終目的ではありません。大切なのは、「自分の心を一歩引いて眺める」こと。瞑想中に雑念やネガティブな感情が浮かんできても、あるがままを受け止め、「そうなんだ、今そんなふうに考えているんだね」と、やさしいまなざしで見つめてあげてください。「こんなことを考えたらダメだ」「もっと上手にやらなきゃ」と批判的に思わないようにしましょう。

教えてくれたのは……

伊藤東凌さん

臨済宗建仁寺派「両足院」副住職。建仁寺派専門道場にて修行後、15 年にわたり両足院で坐禅体験を担当。アメリカFacebook本社での禅セミナーの開催など、インターナショナルな活動も行う。著書に『月曜瞑想』(アスコム)がある。

(『オレンジページ』2022年9月17日号より)

監修/伊藤東凌 イラスト/丹下京子 原文/太田順子 文/編集部・春日

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