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家の目の前には崖、何もない暮らし 山奥の一軒家に住む高齢夫婦の日常「ここで死ぬつもりはあっても、下りるつもりはない」

  • 2024.11.13
【写真・画像】家の目の前には崖、何もない暮らし 山奥の一軒家に住む高齢夫婦の日常「ここで死ぬつもりはあっても、下りるつもりはない」 1枚目
ABEMA TIMES

『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)が11月10日に放送され、険しい山道の先で暮らす高齢夫婦の暮らしに迫った。

【映像】一軒家の目の前にある崖

日本各地の人里離れた場所に、なぜだかポツンと存在する一軒家。そこには、どんな人物が、どんな理由で暮らしているのか!?衛星写真だけを手がかりに、その地へと赴き、地元の方々からの情報をもとに、一軒家の実態を徹底調査しながら、人里離れた場所にいる人物の人生にも迫っていく同番組。

今回の舞台は和歌山県の深い山奥。エンジンがうなりを上げるような急坂を過ぎ、車一台がギリギリ通れるような極細道をさらに上っていく。とんでもない山道の先、密林に囲まれるように建っていたのは、瓦屋根が新しい入母屋造りの立派な建物だ。かつては5軒の集落だったが、30年ほど前からポツンと一軒家になったという。住んでいるのは、77歳と74歳の夫婦。「築100年はゆうに経っています」「(来るのは)郵便さんだけ」と笑って出迎えてくれた。

外壁の改修や屋根を葺き替えて住む母屋は、昔ながらの三和土(たたき)、客間と仏間には竿縁天井が残り、タンスなどの嫁入り道具が揃っている。水は150m先の谷川から、自身たちで配線したポンプで汲み上げている。

一方、縁側の目の前は崖と竹藪になっていて、「こんなに急な所に家が建っているのは珍しいですね」と捜索隊。もともと段々畑で、みかんや柿を栽培していたほか、見晴らしも良好だったという。また、“シンボルツリー”の枝垂れ梅もあったが、台風時などの土砂崩れ防止のため約10年前に伐採したそうだ。

果樹農家を廃業後、今は夫婦で年金暮らしをしつつ、5年ほど前から2km下に300坪の畑を借りて、少量の野菜を栽培している。険しい道を車で行き来しながら、収穫したきゅうりやエンドウ、いんげんなどを産直市場へ出荷しているのだ。

この地を出ようとは思わなかったのか。夫が「そんなこと思ったことないな。魅力も何もないけど、戻ってきたら『やれやれ』と(安心する)。ここで死ぬつもりはあっても、下りるつもりはない」と語れば、妻も「ちまちました壁と壁との間が狭い所だったら大きな声で喧嘩できへん。パジャマのまま昼までいてもなんともない(笑)。ここがええんやな」と笑顔を見せた。

4人の子どものうち、11年前に長男を36歳で亡くすという悲しい出来事もあったが、夫婦で支え合い、来年には金婚式を迎える。お互いに欠かせない人生の“相棒”として、ゆったりとした時間を過ごしていた。

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