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「私は子どもの命より自分を優先する人間」死産を選んだ母の“負い目”【漫画家インタビュー】

  • 2024.11.11

念願の2人目の妊娠だったのに、あんなことになるなんて――。日常の出来事や気づきを描いた「日常観察マンガ」が人気の桜木きぬさん(@kinumanga)は、長男と夫の3人暮らし。2人目を考えてから数年後に妊娠がわかり喜んだのも束の間、医師から染色体異常の可能性があると伝えられる。過去に流産した経験から、子どもを失うつらさを知っていたきぬさんは、一度は出産を決意するが……。 母の葛藤と命の輝きをリアルに描いた『わたしが選んだ死産の話』(医療法人財団順和会山王病院病院長/国際医療福祉大学グループ産婦人科統括教授・藤井知行氏監修)は、きぬさんが自身の体験をもとに描いたエッセイ漫画。第4話では、より詳細に調べるために胎児精密超音波検査を受ける。妊娠継続した場合のさまざまなリスクを聞いたきぬさんは、ある決断をする。著者のきぬさんに、2人目を妊娠した当時の心境を聞いた。

今ここにある生活も大事にしたい

――つわりがつらい頃、どんな気持ちで日々を過ごしていましたか?

とても気持ちが悪く、つらかったです。「早く終わってほしい」と毎日考えていた気がします。

――病院で「妊娠継続したら上の子と一緒に暮らせなくなるかもしれない」と言われ、あきらめるという決断をされました。あらためて、そのときの心境を教えてください。

近くに助けてくれそうな親族もいませんでしたし、私と夫のふたりだけでは対応しきれないな、と。これから生まれてくる命も大事でしたが、今ここにある上の子の生活も大事にしたいと思いました。

――妊娠継続をあきらめたことに対して、自責の念にかられている様子が描かれていますが、決断した際は家族とどんな会話をしましたか?

夫は「もうちょっと頑張ってもいいんだよ」と声をかけてくれました。それは、わたしの「頑張りたい」という気持ちを汲んでの言葉だったのか、頑張ってくれよという願望からだったのか。本音はわからなかったのですが、とにかく申し訳ない気持ちでいっぱいでしたね。夫は結構根性があるタイプで、わたしは根性なしな部分があるので、妊娠を続けられなかったことは自分の問題だという負い目もありました。 命について静かに問いを投げかけてくれる『わたしが選んだ死産の話』。きぬさんがどのように死産という選択に至り、その事実と向き合ったのかをご覧いただきたい。

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