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【イトーヨーカドー】惣菜ブランド「ヨークデリ」の迷走感と、PB「イーズアップ」の魅力

  • 2024.11.10
【イトーヨーカドー】惣菜ブランド「ヨークデリ」の迷走感と、PB「イーズアップ」の魅力の画像1
イトーヨーカドー(写真:サイゾーウーマン)

閉店のニュースばかりが報じられるイトーヨーカドー。そんな中にあって、今年5月には惣菜を強化すると発表、「ヨークデリ」という惣菜ブランドを立ち上げて積極的にPRしています。しかし一方で、2018年スタートのPB商品は?

目次

・【イトーヨーカドー】惣菜ブランド「ヨークデリ」の迷走感
・2018年開始の冷食PB「イーズアップ」が良品
・ヨーカドーに求めれらるニーズに特化した商品

【イトーヨーカドー】惣菜ブランド「ヨークデリ」の迷走感

閉店ラッシュ、ネットスーパー事業撤退などが報じられるイトーヨーカドー。10月頭には、親会社のセブン&アイホールディングスからヨーカドーをはじめとした食品スーパーマーケット事業などが切り離されることが明らかになりました。

風向きが良いとは言えない昨今、ヨーカドーが特に注力しているのは「惣菜」です。2024年5月から「ヨークデリ」という惣菜ブランドがイトーヨーカドー・ヨークフーズ・ヨークマートの各店舗にて展開しています。

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店頭での掲示(写真:サイゾーウーマン)

イトーヨーカドーの惣菜コーナーは、これまで複数のブランドを展開してきたことで、容器などが統一されなかったそう。そこで、「ヨークデリ」という一貫したブランドを立ち上げ、ロゴ・容器などをセブン&アイグループのPBセブンプレミアムでブランディングを手掛けるクリエイティブディレクター佐藤可士和氏が監修。「素材から味、容器まで徹底的にこだわり」毎日食べたいおいしさをコンセプトに「ヨークデリ」をスタートしました。

味や素材へのこだわりとして、鉄板で一つひとつ焼き上げる「だし巻き玉子」、セブン-イレブンの「おにぎり」と同じ「八代目儀兵衛」が監修したお弁当のお米をアピールしています。

しかし、ここまでの動きを見ていて迷走感を覚えずにいられません。食品スーパーにおいて惣菜が花形であることは間違いありませんが、だし巻き卵、米へのこだわりを強調したところで、正直「いまさら?」と感じる人がほとんどじゃないでしょうか。

説明するまでもなく、鉄板で焼き上げるだし巻き玉子は「ヤオコー」発でその他スーパーにも広がった一大コンテンツですし、米については、セブンと同じといわれて魅力を覚える人がどれだけいるのか……。「デパ地下」レベルをアピールするスーパーこそあっても、「コンビニ」レベルを声高にする店はほかに知りません。

また、新しくなったパッケージデザインやロゴを店頭で見たとき、確かに「シュッとした」とは思ったものの、「おいしそう!」という気持ちは特段高まりませんでした。

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シュッとしたロゴとパッケージ(写真:サイゾーウーマン)
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ヨークデリの商品(写真:サイゾーウーマン)

白くて四角いロゴが紀伊国屋の惣菜に使われているものと似ていると思うのですが、筆者だけでしょうか。

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紀伊国屋の惣菜パッケージ(写真:サイゾーウーマン)

そんなヨークデリは、8月末時点で約270品目を展開していて、惣菜分類の売上はブランド発売前と比べて105%伸びたとのことです。

【イトーヨーカドー】2018年開始の冷食PB「イーズアップ」が良品

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イーズアップ販売スペース(写真:サイゾーウーマン)

イトーヨーカドーはこのヨークデリのPRに非常に熱心なようなのですが、ヨークフーズのそこそこヘビーユーザーの筆者としては、「イーズアップ」こそ、ほかと差別化できる価値あるシリーズだと思っています。

18年9月にスタートしたイトーヨーカドーの冷凍食品PB「イーズアップ」は、開始当初、フライパンで調理するようなミールキットなどを主力に見据えて展開していたようですが、現在はレンジアップの商品のみになっています。23年2月下旬からは、セブン-イレブンでも数品を販売しているとか。

イーズアップのなにが魅力かといえば、容器でもロゴでもなく、純粋に味とコスパ。聞いたことのある有名店が監修した味が、429円〜753円で楽しめるんです(監修商品以外も展開しています)。

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イーズアップの参鶏湯(写真:サイゾーウーマン)
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ニップンが製造(写真:サイゾーウーマン)

筆者は「参鶏湯」(537円)が特に好きで、寒いシーズンはヘビロテしてます。初めて食べたときは、本格的で満足感の高い味にビックリ。韓国料理屋ハヌリが監修だと知って、納得しつつ驚きました。同じくハヌリ監修の「チーズタッカルビキンパ」(537円)も濃厚な味わいでとてもおいしいのですが、いつも売り切れているので同志が多数いるようです。

ハヌリのほかには、「南国酒家」「赤坂離宮」「イルキャンティ」などが監修した商品があり、どれもおいしそう。イーズアップのロゴやフォントは謎におどろおどろしくて、パッケージデザインもスタイリッシュさとはかけ離れていますが、その「予算をかけていないんだろう感」が好感すら覚えます。

ただ、イーズアップの公式サイトを見ると「ご購入について」など一部のページが表示エラーになっているもよう。いつからこの状態かわかりませんが、社内における関心の薄さを物語っているようで、さみしくなってきます。

ヨーカドーに求めれらるニーズに特化した商品

なお、ネット上では「イーズアップってヨーカドーのPBだったの?」と驚く声も。セブンでも購入できることから、セブンプレミアム系の商品かと思われる節もあるようですが、セブンとは完全に切り離された純粋なヨーカドーPBです。

ブランドスタート当時の記事で、ヨーカドーのマネジャーが「セブンプレミアムは、コンビニ、スーパー、総合スーパー、百貨店とグループ横断で販売する商品だが、お客様のニーズが多様化する中で、ヨーカドーに求めれらるニーズに特化した商品を開発する必要があった」と話しています。つまり、イーズアップはそのまま「ヨーカドーに求めれらるニーズに特化した商品」といえそうですね。

ヨークデリやセブンプレミアムの陰に隠れているイーズアップですが、いきなりデザインをテコ入れされたりすることなく、今後も良品を展開してくれることを願っています。

サイゾーウーマン編集部
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