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冷たい水を飲むと、代謝が上がるって本当?

  • 2024.11.10

TikTokで最新のウェルネス情報を追っているなら、今話題の「アイスハック(#icehack)」 についてすでにご存知かもしれない。

このトレンド支持者は、冷たい水を飲むことが、体脂肪を減らす秘訣だと力説している。しかも、食事や運動の習慣を変える必要は一切ないとか。

この紹介文を読んでなんだか怪しい......と察知したなら、あなたの感覚は正しい。

このバイラル動画は、怪しげなダイエットサプリメントを宣伝するインフルエンサー主導のマーケティングキャンペーンの一部であったことがのちに明らかになっている。どうやら、アメリカの製造業者は、このサプリメントにカロリーを燃焼させるエンジンを始動させる効果があると、虚偽の主張をしていた模様。

そんな怪しいサプリメントはさておき、冷たい水を飲むことが効率的な脂肪燃焼につながるという長年の説には、実際に根拠があるのだろうか?

2003年の研究では、常温の水500mlを飲むことで、1時間あたりのカロリー消費量が30%増加することが判明した。

その理由は、体が水の温度を37°Cに上げるためにエネルギーを消費するからだという。

だが、あまりに都合の良い話は往々にして真実でないことが多いもの。この研究結果にも、科学界からは疑念の声が上がった。その後行われた綿密な調査では、カロリー消費量の測定方法に問題があったことが明らかに。2006年のより厳密な研究では、冷たい水(3°C)を飲むことで増加するエネルギー消費量はわずか5%、1杯あたりに消費されるカロリーはほんの4kcalに過ぎないことが分かっている。

つまり、たとえコップ8杯の氷水を毎日飲んだとしても、大きな脂肪減少につながることはないということ。

実際には「冷水を飲むよりも冷水に浸かるほうが効果的」という確たる証拠が増えている。冷たいシャワーや冬の水泳などがその一例。

冷水に浸かると、幸せホルモンが分泌されるおかげで、気分が向上するというメリットはともかく、脂肪組織が熱を生み出す褐色脂肪組織へと変化して、代謝の健康によい影響をもたらす可能性が複数の研究で示されている。

一部の研究では、定期的に冷水に晒されることでインスリン感受性が高まり、より効率的に血糖値を整えるのに役立つ可能性があるとのこと。

氷水を飲んだからといって、30代で代謝が魔法のように活発になることはないものの、適切な水分補給は、体の正常な代謝機能を支えるうえで不可欠。

目指すべきは、1日約2ℓの水を飲むこと! アルコール以外の飲み物はすべてカウントされるが、砂糖を含んでいない水が水分補給にはやっぱり最適。ちなみに水のソムリエによると、風味を楽しむには常温で飲むのがベストで、運動中には冷たい水が望ましいそう。研究でも、体をクールダウンさせるのに効果的であることが示されている。

もし本気で代謝を高めたいなら? ここからは、科学が提案する有力なメソッドをイギリス版ウィメンズヘルスからみていこう。

代謝をサポートする3つの方法

1. タンパク質をしっかり摂る

満腹感を持続させ、筋肉量を増やすには、タンパク質が豊富な朝食を選べること。ほとんどの人にとって、朝食はタンパク質が最も不足しがちな食事。だからこそ、朝食により焦点を当ててみて。

2. ホールフードの摂取量を増やす

研究によると、全粒穀物を1日3食分食べている人は、代謝性疾患の発症リスクが低いことが分かっている。夕食の残りの穀物は、翌日のランチのサラダに加えてみて。

3. 食事のリズムを整える

食事には、体内時計に信号を送り、代謝を整えるという働きもある。食事を摂る時間が不規則だったり、夜遅くに食べたりすると、体内時計を乱すことになり、消化にも悪影響を与えやすいので気をつけて。

※この記事はイギリス版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: Laura Tilt Translation :Yukie Kawabata

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