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【必読】イラストレーター・小迎裕美子さんが影響を受けた本2選!「自身を鼓舞する言葉」

  • 2024.11.10

InRed世代に読んでほしい書籍をご紹介!今回は、『胸はしる 更級日記』(KADOKAWA)を出版した、イラストレーターの小迎裕美子さん推薦の2冊です。

困難に立ち向かう勇気と人生を切り開く力をくれた本

「思ったことが何一つ叶わない人生だった」と52歳で我が身を振り返り、『更級日記』の作者は書いているが、人生、ほんと色々ある。特に女は余計に。『大邱の夜、ソウルの夜』は都会でイラストレーターをしているホンヨンと、地方から脱出しエディターを目指すコンジュの二人が、結婚、出産、子育て、介護と道筋をたどる〝家族と社会と絶え間なく葛藤しつつ器用に折り合えない女〟の話。「部屋とワイシャツと私」的ファンタジーの先にあった「夢と仕事と結婚と女」の現実。「全然しんどくないよ、本当に」というコンジュの呟きと面構えに奥歯がギュッとなる。 忙しすぎる村井理子さんの1年間の記録『ある翻訳家の取り憑かれた日常』は無人島に持って行くならこの一冊! と決めたほど、感情も事件も色々が贅沢に詰まっている。「エイミーと原田」の恋の行方にハラハラし、義父はウォンバットなの? に爆笑。ブックガイドとしての楽しみ方もあり読書欲をも掻き立てられる。そして、「とにかく、目の前のある仕事を、着実に進めていくこと。その先に、必ずゴールはある。俺ならできる」と繰り返し出てくる、自身を鼓舞する村井さんの言葉。 選んだのは自分。そこから逃げない、ハードボイルドさに痺れながら私も戦意を燃やしています。「思ったことを全部叶えた人生だった!」と死にたいので。 文=小迎裕美子

『大邱の夜、ソウルの夜』 ソン・アラム著、吉良佳奈江翻訳、町山広美解説/ころから

韓国の人気漫画家、ソン・アラムの代表作。ソウルで奔放に育ったはずのホンヨン。家父長制が根強く残る大邱(テグ)からの脱出を試みるコンジュ。ふたりの女の乾いた涙の跡にうつしだされる「友情」の物語を初邦訳。

『ある翻訳家の取り憑かれた日常』 村井理子著/大和書房

琵琶湖のほとりで翻訳漬けの日々。さらに執筆、合間に掃除、料理、義父母の介護、出版イベント、草刈り、双子の送迎、愛犬との散歩、読書、ネットショッピングなどなど、翻訳家・エッセイストとして活躍する著者の1年間の記録。


今回、おすすめ書籍を教えてくれたのは…
小迎裕美子さん
広告デザイン事務所勤務を経てフリーイラストレーターに。雑誌、テレビ、広告などで活躍中。著書は『新編 本日もいとをかし!! 枕草子』、『新編 人生はあはれなり… 紫式部日記』(ともにKA DOKAWA)など。

『胸はしる 更級日記』 小迎裕美子著、菅原孝標女著、赤間恵都子監修 ¥1,430/KADOKAWA

シリーズ累計9万部突破! 平安文学コミカライズ第3弾。『源氏物語』に憧れた10代から、大人になるにつれ経験していく現実、後悔と懺悔の日々を送る晩年までを綴った、菅原孝標女の『更級日記』。この名著をユーモアたっぷりに描く。

※InRed2024年11月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

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