札幌ラーメンの老舗「さっぽろ純連」。愛され続ける味噌ラーメンの魅力とは｜北海道

寒い季節の北海道といえば、とことん食い倒れるのも楽しみのひとつ。特に札幌ラーメンは冷えた体を温めるのに欠かせないマストグルメです。今回は札幌ラーメンの代表格といえる「さっぽろ純連（さっぽろじゅんれん）」の美味しさの秘訣に迫りました。

そもそも札幌味噌ラーメンって？

札幌ラーメンといえば、やはり味噌。札幌市内には味噌ラーメンを提供する店が多く存在し、日々しのぎを削っています。最大の特徴は、濃厚な味噌ベースのスープに太めの縮れ麺。スープの表面はラードで覆われており、最後までアツアツのまま食べることができます。また、体を温める効果のあるニンニクとショウガが効いているのも札幌ラーメンならではの特徴です。
そんな札幌ラーメンの創成期から現在にいたるまで絶大な人気を誇る「さっぽろ純連」とは、どんなラーメン店なのでしょうか。

「さっぽろ純連」が札幌味噌ラーメンの代表格になるまで

「さっぽろ純連」が創業したのは昭和39年（1964）。当時は、「純連」と書いて「すみれ」と読んでいました。さっぱりした味わいのラーメンが主流だった中、純連は濃厚な味わいを追求。その斬新な味わいが多くの人に衝撃を与えたといいます。

その後、口コミで人気が広まり、より多くの人に親しまれるようにと、店名の読み方を「じゅんれん」に変更。その評判は全国へと広まっていきました。

今では札幌ラーメンといえば、純連の味噌ラーメンを指すというほど、札幌味噌ラーメンの指標となっています。
有名店になったら観光客が増える店が多い中、訪れる客の多くは地元客だという「さっぽろ純連」。どうしてこんなにも北海道民に愛され続けているのでしょうか。

美味しさの秘密は味噌の火入れにあり?!

さっぽろ純連」の味噌ラーメンを一言で表現すると“ガツンと深い味わい”。パンチがありながらも、包み込んでくれるような優しさも兼ね備えている、そんなラーメンです。
味の決め手はもちろんスープですが、ベースとなる豚骨スープと合わせる味噌の火入れが一番のポイントだといいます。
火入れの方法については門外不出。長年ラーメンを作り続けた職人だけが知る、絶妙なさじ加減とテクニックによるものなのだか。

材料や製法は創業当時から変わらないものの、作り手が変わることによって、若干味わいも変わるのが「さっぽろ純連」のラーメンの面白いところ。
画一的なものではなく、“人”を介した繊細な味だからこそ、温かみが感じられ、その味わいに人々は魅了されるのかもしれません。

最後まで冷めずに食べられるアツアツ味噌ラーメン

出来上がった味噌ラーメンがこちら！ これぞ札幌ラーメン！ といわんばかりの美しいビジュアルです。スープの表面にはラードの膜で覆われており、写真からは想像ができないほどアッツアツ。冬でも冷めずに最後まで美味しく食べられるようにとの先人の知恵が詰まった逸品です。

札幌ラーメンの中では軍を抜く濃厚なスープが魅力の当店ですが、提供前に根生姜をたっぷり入れることで、しっかりした味わいながらも不思議と後味はすっきりしています。

麺は創業当時から変わらず森住製麺の特注麺を使用。高加水の中太縮れ麺で、コシの強さが特徴です。

濃厚なスープに負けず劣らず、インパクトのある玉子麺。つるっしこっ食感の麺と、芳醇なスープがなんとも好相性で箸が止まりません。

現在、3代目店主が切り盛りする「さっぽろ純連」ですが、お客さんも同じように、創業から3代にわたり店に足を運び続けている方もいるのだそう。
「時代が変わっても、ここのラーメンは変わらない」という安心感があるのかもしれませんね。

脇を固めるサイドメニューにも注目を

もちろん一番人気はやはり味噌ラーメンですが、ぜひ一緒に注文したいのが、自慢のチャーシューと玉子を加えたパラパラのチャーハン。

一見シンプルなこちらのチャーハンですが、これがまた絶品。口に運ぶとパラパラとほどけ、米粒1粒1粒にコクと旨みが感じられます。

たっぷりのラードを使い、強火ですばやく炒めることで、米の表面をコーティング。これにより粒立ったパラパラのチャーハンができるのだといいます。
とはいえ、こちらもやはり職人技。長年の経験あっての技術によるものです。

時代が変わってもなお、札幌ラーメンの指針として、変わらない味を提供し続ける「さっぽろ純連」。世代を超えて愛される味噌ラーメンの裏側には、創業からの伝統をひたむきに守り続ける職人の存在がありました。

◾️さっぽろ純連 札幌店（さっぽろじゅんれん さっぽろてん）
住所：北海道札幌市豊平区平岸2条17丁目1-41
TEL：011-842-2844
営業時間：11〜21時
定休日：月曜

Photo&text：高島夢子

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