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雨宮塔子アナ(53)パティシエの元夫は今でも子育ての同志「夫婦としては続かなかったけど、人としては尊敬」

  • 2024.11.9

9月 25日にインテリアをメインにしたライフスタイルブック「MY HOME,MY LIFE」を出版した雨宮塔子さん。思い切ったパリ移住から25年。結婚、出産、離婚など様々な人生経験を経て、たどり着いた今の住まい。ミニマルと自分らしさをうまくミックスしているインテリアには彼女自身の人生が投影されているよう。50代を迎えて内側から滲み出る輝きでさらに美しさを増した雨宮さんに現在過去未来を余すことなく語っていただきましたが、誠実で率直、それでいてパッション溢れるチャーミングなお人柄で、まさに理想の大人の女性像を体現してくださっています。

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雨宮塔子さんprofile

1970年、東京都生まれ。1993年にTBSに入社後、「チューボーですよ!」「どうぶつ奇想天外!」などの人気番組で活躍。1999年にTBSを退社し、単身パリに渡りフランス語や西洋美術史を学ぶ。現在はパリを拠点に執筆活動のほか、美術番組の出演やYouTube等で現地情報の発信を行うなど幅広く支持を獲得。9月25日にはインテリアをメインにしたライフスタイルブック「MY HOME,MY LIFE」を出版。

元夫は今でも子育ての同志。人として 一生嫌いにならない自信があるけれど 男と女としては・・・

元夫(世界的パティスリー「SADAHARU AOKI」のオーナーパティシエ・青木定治氏)はとても芯の強い人。そして、仕事にも子育てにもはっきりとした意見があリます。離婚すると、子育てのことなどの相談事は、コミュニケーションの機会をあえて設けなければ話し合えないので、むしろ今の方がよく話をしますし、アドバイスももらっています。

私が「ニュース23」を担当するために日本に帰国した3年間は、パリで彼が子どもたちの面倒を見てくれました。彼は当時再婚していたので、パリに残ることを決めた子どもたちにとってはイレギュラーな環境でした。娘は当時思春期で、女同士ということもあって、小出しに心情を吐露するので、そんなに溜めずにいてくれたと思いますが、息子の方は弱さを見せまい、母親に心配かけまいと思いを口にすることを我慢してしまって、それがボディブローのように徐々に効いてくる感じでした。電話でも「大丈夫だよ」と穏やかに言うのですが、よく耳を澄ますと必死にこらえている嗚咽のような息遣いが聞こえてきて、胸が潰れることもありました。そんな子どもたちに向き合ってくれた青木には感謝しています。夫婦としては終わってしまったけれど、親としての絆は昔も今も変わらないし、人として心から信頼・尊敬しています。「そんなに人として好きならなぜ別れなきゃならないの?」「いったい何が不満なの」と親にも言われましたし(笑)、離婚しないで済むならそれに越したことはなかったと思います。でもフランスはTHE カップル文化。どんなシーンでもカップルで出席するのが大前提なので、授業参観やディナーなど、いろんな場面で父親として夫として、そばにいてもらえないことに、耐え切ることができませんでした。

仕事に情熱を注ぐ彼を尊敬し、応援したい気持ちがある一方で、パートナー不在の家庭でワンオペし続けることに限界を感じてしまったんですね。ここでも自分の気持ちに嘘はつけませんでした。夫婦として男と女としての関係が継続できないなら解消するしかない、と思ったんです。今でもすごく助けてくれるし、優しい彼ですから、周りからも「ヨリを戻したら?」と言われるんですが、お互いに男と女としてはもう難しいのでしょうね(笑)。アムールの国・フランスにいるのでお互い、枯れきれないというか。男女の愛情に関しては真剣かつシビアなんでしょうかね。仮面夫婦なんてありえないって感じです。

お一人様は覚悟済み。 これからは介護が生活の中心に

私自身は大切な友人たちにも恵まれ、今の生活でも楽しいこともあって、なかなかいいと思う人には巡り会えません。デートするような人は欲しい!女としての緊張感は常に持っていたい。けれど人間的に心が響き合うものがないとパートナーというのは難しい、、、。離婚して初めて、自分は意外にロマンチストでアムールな人間なんだと気づきました。でもパートナーができても、一緒に住むとか、入籍したりとかは、もういいかな(笑)。一生おひとり様で生きることも覚悟ができているような気がします。

結婚生活も子育ても波瀾万丈でしたが、子供が大学生になった今、私自身の今後のテーマは介護です。親も高齢なのでこれからは日本とパリを行ったり来たりするような生活になるかもしれません。

また私も53歳。更年期も気になります。今のところは首の後ろが急にあつくなったりするくらいの症状しか出ていませんが、一応婦人科で先生に相談しています。症状が軽いので、イソフラボンが多く含まれる食品を摂るなどの食事療法を勧められて、意識しています。

パリでの生活で 自分への理解度が上がりました

自分の心に正直に生きてきた結果が今の私です。子どもたちに寂しい思いもさせ、苦労もかけましたが、このようにしか生きられなかった。過去のどこかに戻れてもたぶん同じ選択をするんじゃないかな。

もし、あのまま日本にいたら自分自身がうやむやなまま、年齢だけ重ねていたと思います。パリは「自分って何?」「何を考えてる?」「本当に好きなものは何?」と問い続けないと生きられない。常に自分はどうしたいのか?を突きつけられる社会、訓練を余儀なくされる都市なんです。そこで揉まれてもがいて自問自答して確かめられたからこそ、自分がどんどんクリアになって、自分の輪郭も解像度も上がった気がします。

子どもにも、親が用意したレールではなく、彼ら自身に歩みたい道を考えさせる。親は選択肢を与えたり、考える手助けをするだけ。そんな子育て、というか人間育成の本質を学べたと思います。自分に正直なことと、エゴイスティックを履き違えないようにしながら、これまでと同じように、自分に嘘をつかずに生きて、その責任はきちんと取る。結果、転んでも傷ついてもそれだけは変わらないと思います。

パリで見つけた、居心地の良い暮らし 雨宮塔子がこだわりの部屋と日常の愛用品を初公開

『MY HOME, MY LIFE.』雨宮塔子 著

大人のパリの家づくり。それは、自分の好きなものを知り、自分らしさを追求すること。
時には自ら手を動かし、街で見つけた素敵なものを取り入れながら、少しずつ作り上げたパリの部屋。その全貌を雨宮さんが初公開する1冊。
子どもたちも大人になり、一人暮らしを見据えて整えた住まいはコンパクトでコンフォート。お気に入りのバスルームはタイルから選び、ひとめぼれした照明はネットで取り寄せ。
等身大のこだわりが詰まった部屋は、日本の家づくりの参考にも。
雨宮さんが大好きなパリの素敵なおうち訪問も収録しています。
それぞれの 好き が詰まった唯一無二の部屋に見る、パリの大人の暮らしかた。

好評発売中 B5変形判 112ページ ソフトカバー オールカラー
定価2,200円(本体2,000円+税)

撮影/浜村菜月(LOVABLE )メイク/古屋明子(アーツ)ヘア/道下大 取材/柏崎恵理

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