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世界一遠いアウェイゲームはどこ?世界の距離が遠い国内リーグの試合について紹介

  • 2024.11.8
世界一遠いアウェイゲームはどこ?世界の距離が遠い国内リーグの試合について紹介
世界一遠いアウェイゲームはどこ?世界の距離が遠い国内リーグの試合について紹介

Text by Ryo

サッカーのアウェイゲームは、ホームスタジアムでの試合とは一味違った特別な体験ができる。

遠く離れた街で繰り広げられる試合は、ときには地元の文化や雰囲気に触れる貴重な機会だ。

愛するチームの勝利のために大声で応援し、道中の困難を乗り越える瞬間はサッカーの醍醐味を一層引き立てる。

しかし、世界は広い。国内リーグであっても、アウェイゲームを観戦するために何千kmも移動をしなければならないリーグもある。

今回は国内リーグに限定し、実際に開催された2クラブ間の距離が遠い試合について紹介する。

※距離はGoogleマップの距離測定を使い、ホームスタジアムから相手ホームスタジアムまでの直線距離を測定した。

北米の大国はスケジュールも忙しい

アメリカ

インテル・マイアミvsバンクーバー・ホワイトキャップス(4479km)

世界一遠いアウェイゲームはどこ?世界の距離が遠い国内リーグの試合について紹介
世界一遠いアウェイゲームはどこ?世界の距離が遠い国内リーグの試合について紹介

北アメリカ大陸の中央部に位置するアメリカ合衆国は経済・産業・文化で世界をリードする名実ともに世界有数の超大国だ。

アメリカはバスケットボールやアメリカンフットボール、野球などが国民的なスポーツとして有名だが、近年は急成長を果たしている同国のプロサッカーリーグ、MLS(同国1部)の注目度が増している。

同リーグは全29クラブが東西の2つのリーグに分かれ、同一カンファレンスとはホーム・アンド・アウェイ方式でリーグ戦を実施している。

別カンファレンスとは1回総当たりで対戦する。

各カンファレンスで上位の9クラブ、全18クラブが「MLSカップ」という決勝トーナメントで全米一を決定する。

代表ウィーク期間中も時折リーグ戦が行われることもあり、試合数が多い上、移動距離が非常に長い世界的に見てもハードなリーグだ。

別カンファレンスのクラブの対戦になると3000km以上の長距離移動が発生する場合がある。

中でも元J1横浜F・マリノスの日本人GK高丘陽平が所属するバンクーバー・ホワイトキャップスは、カナダから越境参加しているクラブの一つで、同リーグで最も年間の移動距離が長い。

アメリカの東南部フロリダ州にはアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが所属するインテル・マイアミは本拠地にDRV PNKスタジアムを構えており、バンクーバー・ホワイトキャップスのホームスタジアム(BCプレイス)から4479km離れている。

また今シーズンのホワイトキャップスはMLSに加え、カナダに本拠地を置くクラブが参加するカナディアン・カップと、MLSとリーガMX(メキシコ1部)のクラブで優勝を争うリーグスカップを戦った。

そのため、今年5月にはバンクーバーから中2日でカナダ・アルバータ州のスプルース・メドウズへ行き、中3日でロサンゼルスへ移動。その後、中3日でコロラドへ移動する非常に厳しいスケジュールをこなした。

カナダ

パシフィックFCvsHFXワンダラーズFC(4485km)

世界で2番目に国土面積が広い国であるカナダは、その広大な国土の中にロッキー山脈やナイアガラの滝などの広大な自然を望める。

カナダのプロサッカーリーグ、カナディアン・プレミアリーグ(同国1部)は2019年に発足した新しいリーグだ。

同リーグは、同国の10州のうち5州から全8クラブが参加している。

レギュラーシーズンで計28試合を行い、最終的には1位から5位までがプレーオフに進み優勝を争うレギュレーションとなっている。

今後は昇降格制度の取り入れを目指しており、北米のスポーツリーグの中で革新的な動きを見せている。

同リーグの中でも、アメリカの西部ワシントン州に近いブリティッシュコロンビア州の南西部ヴィクトリアをホームとするパシフィックFCと最東端のノバスコシア州ハリファックスのHFXワンダラーズの本拠地の距離は非常に離れている。

その距離は4485km。

東京からカンボジアの首都プノンペンまで到達できる距離だ。

両クラブの選手たちは7時間半のフライトでアウェイの地へ遠征しているが、過去には実際にHFXワンダラーズのサポーターがヴィクトリアへ陸路で移動した事例もある。

カナダの5つの州とアメリカの7つの州を経由し、2カ所の国境検問所を通る過酷なドライブは、ハリファックス出発からヴィクトリア到着まで58時間を有したという。

因みにパシフィックFCには今年、元日本代表MF中村憲剛(元J1川崎フロンターレ)がS級コーチ養成講習会の海外研修プログラムを受けるために訪れていた。

AFCの巨大国家は移動が大変

インドネシア

PSMSメダンvsペルシプラ・ジャヤプラ(4719km)

世界一遠いアウェイゲームはどこ?世界の距離が遠い国内リーグの試合について紹介
世界一遠いアウェイゲームはどこ?世界の距離が遠い国内リーグの試合について紹介

1万7000以上の島々を抱える世界最大の群島国家インドネシアは、赤道付近に位置する東西に長い国家でその距離は5110kmにもなる。

インドネシア1部リーグに相当するインドネシア・リーガ1は18クラブ、リーガ2(2部)は26クラブで構成されている。

ほとんどのクラブが国土の中心に浮かぶジャワ島の都市部に本拠地を構えているが、もちろん西のスマトラ島や東のパプア島のクラブも参戦している。

今シーズンのリーガ1は、スマトラ島のセメン・パダンとパプア島のペルシプラ・ジャヤプラが昇格。

2021-2022シーズン以来、3年ぶりに2つの島のクラブが対戦することになり、4489km離れたクラブ同士の試合に注目が集まる。

しかし、インドネシアのプロサッカーリーグはさらに距離が離れた2クラブが対戦した過去がある。

PSMSメダンの本拠地はスマトラ島北部のメダンを本拠地にしており、過去にペルシプラ・ジャヤプラと試合を行うために、4719km離れた場所へ遠征した。

両クラブはこれまで、リーグ戦で6回対戦しており、メダンが5勝1分で無敗を継続している。

今シーズンは1部昇格を果たしたジャヤプラに対し、メダンは2部残留。

両クラブがまた4700kmの大遠征をする日は来るのだろうか。

オーストラリア

パース・グローリーvsウェリントン・フェニックス(5258km)

南半球のオセアニア地域最大の国土面積を誇るオーストラリア。

今月開幕した同国の男子プロサッカーリーグのトップディヴィジョン『Aリーグ・メン』は、全13クラブが参戦しており、昇降格制度は採用していない。

同リーグの中で最西端に位置しているクラブが、西オーストラリア州の州都パースに本拠地を置くパース・グローリーFC。

最東端に本拠地を置いているクラブがニュージーランドから参戦しているウェリントン・フェニックスだ。

両クラブのホームスタジアムのHBFパーク(パース)とスカイ・スタジアム(ウェリントン)の距離は、なんと5258kmも離れている。

これは東京からシンガポールの直線距離(5300km)に匹敵する。

Aリーグファンは、あまりに距離が離れている2つのクラブ同士の対戦を「ザ・ディスタンス・ダービー」と呼んでいる。

このダービーマッチは興味深いことに、53試合を対戦してそれぞれ20勝13分20敗と互角なのだ。

直近では26日に同ダービーが行われ、日本人MF長澤和輝(ウェリントン・フェニックス)が先制点を、MF石毛秀樹(ウェリントン)が追加点をアシストしてウェリントンが1-2で勝利した。

今シーズンはMF青山景昌(ひろあき)がNSL(ナショナル・サッカー・リーグ、オーストラリア2部)のマルコーニ・スタリオンズFCからパースにステップアップしており、今後も日本人対決が見られるザ・ディスタンス・ダービーに注目だ。

世界一遠い試合が行われたリーグはやはり…

ロシア

FCサハリン・ユジノサハリンスクvsバルチカ・カリーニングラード(7482km)

世界一の国土面積を有するロシアは、やはり国内リーグのアウェイゲームも非常に遠い。

2014年、ロシア・ファースト・ディヴィジョン(ロシア2部)で、リトアニア、ポーランドに挟まれたロシアの飛び地カリーニングラードに本拠地を置くバルチカ・カリーニングラードと北海道の北方に浮かぶサハリン島のクラブ、FCサハリン・ユジノサハリンスク(現在ロシア4部)が対戦した。

同年7月の対戦ではFCサハリンがバルチカ・スタジアムまで7482kmの大遠征をして試合を行った。

試合は後半16分にフリーキックから挙げた先制点を守りきったホームのバルチカが勝利した。

7000km以上の長旅をしてやって来たFCサハリンのイレブンとサポーターにとっては何とも悔しい結果となった。

11月のFCサハリンのホームゲームはモスクワ近郊の街ヒムキで開催したため、バルチカがユジノサハリンスクまで遠征しなかった。

このように、世界一広い国ロシアでは過去に超遠距離の試合が複数回行われている。

2016年にはバルチカがルチ・ウラジオストク(現在はアマチュアリーグ)と対戦するために7357kmの遠征を行い、2023年にはバルチカがSKAハバロフスク(ロシア2部)とのアウェイゲームを戦うために7020kmを移動した。

過去にルチのホームゲームがあまりに遠いことから、当時CSKAモスクワ(ロシア1部)に所属していた元同国代表GKイゴール・アキンフェエフから「ルチはJリーグでプレーするべきだ」と苦言を呈した。

【番外編】世界一遠いアウェイゲームはフランス国内カップ

フランス

トレリサックFCvsASマゼンタ(17142km)

世界一遠いアウェイゲームはオーストラリアでもロシアでもなく、ヨーロッパのフランスだという事実を聞いて驚く人は多いだろう。

フランスの国内カップ戦にあたる『クープ・ドゥ・フランス』は国内のクラブだけでなく、同国の海外県・海外領土であるグアドループ、フランス領ギアナ、マルティニーク、マヨット、ニューカレドニア、フランス領ポリネシア、レユニオンのクラブも参加している。

海外県・海外領土のクラブは、フランスから離れた大西洋上や太平洋上に点在している。

2014年にパリ郊外の街のクラブであるトレリサックFC(フランス5部)が第7ラウンドに進出し、ASマゼンタ(ニューカレドニア1部)と対戦するためにオーストラリアから1200km離れた太平洋上にあるニューカレドニアに向かった。

その距離はなんと17142km。

日本から地球の反対側にある南米チリまでとほぼ同じ距離である。

アマチュアの選手がプレーするトレリサックは、この遠征のために1週間ほど仕事を休まなければならなかったため、フランスサッカー協会が選手たちの給料を一部負担した。

幸運なことに、この試合はアウェイチームのトレリサックが3-0で勝利を挙げたため、17000kmの長旅をした価値があった試合結果を得た。

この試合の他にも、クープ・ドゥ・フランスは想像を絶する距離の遠征が行われてきた。

(H)USマトゥリー(フランス領ギアナ1部)vs(A)CMSオワセル(フランス5部)7022km
(H)USマコウリア(フランス領ギアナ1部)vs(A)FCマルティーグ(フランス2部)7039km
(H)シャモア・ニオール(フランス2部)vs(A)JSサン=ピエロワーズ(レユニオン1部)9383km
(H)LOSCリール(フランス1部)vs(A)ASエクセシオール(レユニオン1部)9479km
(H)オリンピック・ノアジー=ル=セック(フランス6部)vs(A)ASテファナ(タヒチ1部)16000km
(H)ヤンゲン・スポール(ニューカレドニア1部)vsUSティオンビル(フランス5部)16305km

2007年は名門LOSCリールがレユニオンまで約9000km以上の遠征を行った。

このときのリールにはFWエデン・アザール(元ベルギー代表)やMFヨアン・キャバイエ(元フランス代表)、DFシュテファン・リヒトシュタイナー(元スイス代表)、DFアディル・ラミ(元フランス代表)など、後に名選手となるプレイヤーが数多く在籍していた。


本記事では、世界の移動距離が長い試合について紹介してきた。あなたは愛するクラブのためなら、どこまで遠い場所へ遠征できるだろうか。

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