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札幌の芸妓が語る!実は便利な「着物」の魅力について再考してみた【さっぽろ芸妓日記vol.15 】

  • 2024.11.7

札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば京都のイメージが強いかもしれませんが、実は北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がありました。現在は札幌のみで、「さっぽろ名妓連」に12名の芸者が所属し、日々、お稽古やお座敷で活動をしています。

Sitakke

連載 さっぽろ芸妓日記では、札幌の花柳界の歴史や文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いい たします!

今回のテーマ「お着物について」

私は、この世界に入門するまで、お着物はほとんど着たことがありませんでした。
(高校、大学と茶道部だったのでお茶会の際に何度か着た程度です)

まずは着物の種類や名前を覚えるところから始まり、 この季節にはこのお着物、こういうシーンではこの組み合わせ…といったルールなど を学んでいきます。 はじめのうちは着方も分からないので、私より数か月先に入門した同期の子や、置屋 のお母さん、お姐さん達に手伝ってもらいながら着物を着ていました。

お休みの日には、早くひとりで着られるようにと練習を重ね、今では10~15分ほどで、パパっと着付けられるようになりましたよ! (そりゃ6年間、ほぼ毎日着ていれば嫌でも覚えますよね…というお話。笑)

Sitakke
人数が多いときは、色がかぶらないように事前に打ち合わせをします。

さて、突然ですが!着物に関して、よくいただく質問コーナー!

Q1. 着物はレンタルですか?枚数はどれくらい持っていますか?

A:ほとんど全て、自前のお着物です。舞台用のお衣装は「さっぽろ名妓連」のものを お借りすることもありますが、それ以外は、皆、自分のお着物を着ています。細かく寸 法を合わせてそれぞれの体に合うように仕立てているため、貸し借りなどは基本でき ません。
ただ、同じ背格好のお姐さんから「私が20代の頃によく着ていたのよ~」とお着 物や帯を譲っていただくことがあります。

質の良いものは長持ちするので、次の世代に渡すこともできるのがお着物の良いとことですね。
枚数は数えきれないほどで、 私の場合はタンス二竿(ふたさお)におさまらず、クローゼットなどにも収納しておりまして お部屋をまるまるひとつ、「着物部屋」として使っています。

Sitakke
私が着ている橙色のお着物も、とあるお姐さんから引き継いだものです。こういうぱ きっとした色味のお着物って今少ないんです。愛用させていただいております。### Q2. お洋服は持ってるの?

A: 一応持っていますが、昼間のお稽古も夜のお座敷もほとんど着物ですので、お洋服よりも着物の方が多いです。(お洋服の流行を追うのは、とっくのとうに諦めました。笑)

そうそう、着物を持っていてよかったなぁと思うことがありまして。 例えば冠婚葬祭に参列する際には、自前のお着物で出られるんですよね。 自分でささっと着付け出来るので時短にもなりますし、お洋服のTPOで迷うこともあり ません◎

普段のちょっとしたお出かけでも、お着物ですとカジュアルからフォーマルシーンまで全てカバーできるので、やっぱり和服は間違いないな~と感じます。

Sitakke
後輩のふみ代ちゃんと色違いのお着物で。相談してコーディネートを組むこともあり ますよ)

今年で芸者生活7年目になる私ですが、お着物のことはまだまだお勉強中です。

立ち姿がきれいに見える着付けの仕方や、お着物や帯、小物の合わせ方など… いまだに間違えてご指摘をいただくこともたくさんあります。

そうやって失敗しながら学んでいくんですよね…。

芸者衆は色合わせや季節、お客様によって身に着けるものを変えています。 私たちのこだわりのコーディネートにも、是非注目してみてくださいね!

【動画】こと代さんゲスト回「したっけラジオ」(2024年10月27日OA)

■HBCラジオ『ひとりの夜にあなたとあたしの したっけラジオ』
■毎週日曜日 午後7時半〜8時
■出演 満島てる子、HBCアナウンサー・森結有花

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連載 さっぽろ芸妓日記
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:ナベ子(Sitakke編集部)

<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。

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