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知識が深まる魔法の時間は、朝でなく「夜の2時間」だ! 筋金入りの夜型学者・齋藤孝氏による『頭のいい人の夜に学ぶ習慣』

  • 2024.11.7
ダ・ヴィンチWeb
『頭のいい人の夜に学ぶ習慣』(齋藤孝/ポプラ社)

「早起きは三文の徳」という言葉があるように、古くから日本では“朝型”の生活が正義とされてきた。そのため“夜ふかし”に対して良いイメージを持っている人は少ないだろう。確かに健康面から考えれば、それは正しいことなのかもしれない。では、「学び」という面ではどうだろうか……。

そんな観点から「夜の時間」について綴っているのが、2024年11月7日にリリースされた『頭のいい人の夜に学ぶ習慣』(ポプラ社)だ。

同書の著者は、明治大学文学部に籍を置く教育学者の齋藤孝氏。フジテレビ系の報道番組風コントバラエティ『全力! 脱力タイムズ』の視聴者にとってはお馴染みの人物で、過去には日本テレビ系の教育バラエティ『世界一受けたい授業』に講師として出演したり、TBS系の朝の報道番組『あさチャン!』でメインキャスターを務めたりといった経歴を持つ。

そして齋藤氏といえば、いくつもの書籍を執筆していることでも有名。その代表作となったのが2001年に出版された『声に出して読みたい日本語』だ。日本語の美しさや楽しさにフォーカスした内容が評価され、シリーズ累計260万部を突破するベストセラーとなった。

今回リリースされた『頭のいい人の夜に学ぶ習慣』は、2017年に出版された『夜型人間のための知的生産術』を改題および加筆修正した一冊。同書では「学び」の観点から「夜の過ごし方」に着目した考えが綴られている。

いわく、夜の2時間こそ「知識」が深まる魔法の時間とのこと。例えば慶應義塾の創設者で旧1万円札の肖像にもなった福沢諭吉は夜の時間を知的な読書に充てていた。日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹も枕元に「アイデアノート」を置き、ゴロゴロしながら浮かんできた発想を逐一書き付けて歴史的な大発見に繋げていたという。

そういった偉人たちのエピソードと併せて、齋藤氏が体感した「夜を知的生産の土壌にするための方法」が解説されていく。また同書では、より現代の生活にフィットした考え方を綴った新章が書き加えられているため、2017年版を読んだことがあるという人にも改めて読んでみてほしい一冊だ。

ちなみに朝の生放送でMCを務めていたこともある齋藤氏だが、実を言うと彼は子どもの頃から夜型人間だった。修学旅行でも最後まで起きているようなタイプで、勉強も自分のパフォーマンスが上がる夜の時間を活用していたという。そのため朝はギリギリまで寝てしまい朝食を抜くこともあり、将来の夢だった裁判官も遅刻が一切許されないといった理由から断念するなど、まさに筋金入りの夜行性である。

実際のところ多くの人が一度は、夜の方が集中できる、作業がはかどると感じたことがあるのではないだろうか。もしかすると「夜の真価」を理解すれば、「学び」に対する新たな考えが生まれるかもしれない。興味のある人は、ぜひ『頭のいい人の夜に学ぶ習慣』を手に取ってみてはいかがだろうか。

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