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もはや他人事じゃない。「デジタル終活」のやり方とは?【スマホ活用アドバイザーに聞く】

  • 2024.11.7

覚えておけないものの代名詞ともいえるのがパスワード。今やあらゆるサービスを利用する際にパスワードを設定しますが、覚えておけないからといって、同じパスワードを使いまわすのは厳禁です。

そこで大切になってくるのが、パスワードの管理。パスワードとともに、利用しているサービス名やアカウントIDを一冊のノートに記録する方法がおすすめ。それが「デジタル終活」にもつながるんです。

今回はスマホのことを知り尽くす「スマホ活用アドバイザー」の増田由紀さんに、デジタル終活の重要性とやり方を教えてもらいました!

「デジタル終活」って何?

「デジタル終活」とは、デジタル遺品に対する死後の取り扱いについて考える活動で、スマホやパソコン、インターネット上に保管されているデータなどを生前に整理整頓しておくこと。

不動産や現金などの遺産は目に見えますが、デジタルデータは目に見えないため、使っている本人しか把握できません。SNSや有料のサブスクサービス、証券会社のログイン情報など、本人亡き後、残された家族がIDやパスワードがわからず困ってしまうことも。そうならないためにも、デジタルデータについてノートに書き残したり、不要なアプリを削除したり、サービスを解約したりしておく必要があるのです。

「デジタル終活」、いつから始めるべき?

「終活」というと老後でいいよね、と思いがちですが、「デジタルデータについてノートに書き出す作業は、年齢に関係なく、スマホを買ってGoogleやSNSなどのアカウントを作ったときから始めましょう」と増田さん。
「最近はネットバンキングなど金融資産にひもづくサービスを利用している人も増えているので、IDやパスワードをノートに記録しておくことは必須です」。

「デジタル終活」のやり方は?

①利用しているサービス名、ID、パスワードを一冊のノートにまとめる

デジタル「終活」だからといって、専用のエンディングノートを用意する必要はありません。普通のノートが1冊あればOK。1ページに書くのは、1つのアカウントのサービス名、ID、パスワードの3つだけ。余白があっても次のページに進み、情報が混在しないようにしましょう。

書く際は、だれが見てもわかるように文字は大きくなるべくきれいに。書き間違えたり、パスワードを変更したりした場合は、修正液でしっかり消してから書きなおすのが◎。二重線で消したり、塗りつぶしたりすると、どれが正しい情報なのかわかりにくくなるのでNGです。なお、パスワードの使いまわしは厳禁。万が一、情報が漏洩したりハッキングされたとき、いもづる式に危険が生じてしまいます。


書き出し必須のアカウントやパスワード チェックリスト

・スマホのロック画面を解除するパスワード
・自分がよく使っているSNS
・お金に関するもの(銀行や証券会社)
・クレジットカードを登録しているECサイト
・有料のサブスクサービス
・スマホのサービスを利用する際に使用するアカウント
(iPhoneの場合はApple ID、Androidの場合はGoogle アカウント)


②まとめたノートの存在を家族にきちんと伝えておく

ノートを書き終えたら、自分と家族だけが知っている場所に保管しましょう。このノートは残された家族への「デジタル終活」ノートでもあり、現在の自分への手助けノートでもあります。
「スマホが故障して買い替えたりしたときに、IDとパスワードを記録していればすぐに見返せるので安心。私自身も何回もこのノートに助けられました。覚える自信がないなら、ノートに記録しておきましょう。なお、このノートは絶対に家から持ち出さないでくださいね」と増田さん。


パスワードを忘れてしまった……!と、ふだんのアクシデントも助けてくれるのが「デジタル終活ノート」。これは年齢関係なく、作らない手はありません!


教えてくれたのは……

増田由紀さん

スマホ活用アドバイザー、「パソコムプラザ」代表、デジタル推進委員。スマホの解説に定評があり、自治体や企業主催のセミナーで講師を務める
ほか、新聞や雑誌でも活躍中。『世界一簡単! 70 歳からのスマホの使いこなし術』(アスコム)など著書多数。

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