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私は頑張りすぎていた。どんなに疲れても毎日まとめ続けたノート

  • 2024.11.7

「頑張る」

私の小さい頃からの口癖だった。

◎ ◎

周りから、何か言われると、

「頑張ってみる」
「頑張ります」

そう答えている自分がいた。

でも、後でふと振り返って見ると、

「あれ?これ何を頑張るんだろう」

そう思うことも多くあった。

そう思いながら、人一倍努力することを目的として、これまでやってきた。いわゆる自己肯定感の低い私は、人一倍努力してこそ、自分は人並みとそう思ってきたから……。

◎ ◎

大学の時、アルバイトが大好きで、シフトにずっと入り、毎日働いていた。夏休みなどには、正社員さんと同じくらい働いているのではないかというくらい働いた。
誰かが休んだ時、頼まれてシフトに入ると、必要とされているみたいで嬉しかった。

だから、疲れているとわかっていてもそれを無視して、毎日シフトに入り続けた。今思えば、環境や人間関係もよく、アルバイトとしてひたすら楽しかっただけなのかもしれないけれど……。

◎ ◎

そんな私も卒業して地方の会社に就職した。

やる気も満々に、入社当日を迎えた。
同期も20人ほどいて、みんなと仲良くなり、遊びに行ったり、研修終わりにご飯に行ったり、リフレッシュもしていたし、オンとオフの切り替えもできているつもりだった。

そんな中、1つずっと続けていたことがあった。
仕事が終わり、家に帰ったら、今日教えてもらったことをノートにまとめること。明日、自分の担当でしなければならないことを箇条書きにして、明日に備えること。
毎日続けていた。どんなに疲れても、残業になっても帰宅時間が家族の中で、1番遅くなっても……。

それでも、1日たりとも欠かさなかった。ある意味、日課になっていたし、それが当たり前だと、この作業が終わってからが、1日の仕事の本当の終了だと思っていたから。
今思えば、体と心は本当は悲鳴を上げていたのかもしれないけれど……。

◎ ◎

2年目になり、後輩の指導にあたるようになった。

自分の仕事と後輩の指導。完全に私はキャパオーバーだった。
怒られるのは私の分と後輩の分。二重にして、怒られたり責任を取らされることに完全に疲れ切っていた。

それでも、1年目から続けていた作業は継続して続けた。

本当はやめたかった。みんなみたいに帰ったら仕事を忘れてご飯に飛びつき、スマホやテレビを見て笑いたかった。でも完璧主義の私は、1日でも欠かすことを許さなかった。

この時、頑張ることを素直にやめていれば、こんなに辛い思いをすることはなかったのかもしれないと今でも思う。その後私は、少し精神的に病んでしまい、退職した。

そして気づいたこと。私は「頑張っていた」のではなく「頑張りすぎていた」のだと。

◎ ◎

「頑張る」「継続する」ことは必要で、日課にするにはかなり良いことだと思う。

でもそれ以上に大事なことがあるのもわかった。

しんどいと思ったらすぐに気づくこと。やめること。
自分の心や体の声を無視せず、聞いてあげること。

難しいことだと思う。投げ出すようにも感じるのかもしれない。

でも、投げ出すのも1つの手段なのかもしれないと思う。大切なのは自分だから。何よりも自分の気持ちだから。

無理に頑張らなくてもいい。
頑張ることを少しやめて休憩したら、また前より頑張ろうと思えるから。

◎ ◎

その後退職した私は、半年間の契約社員の期間を終え、今正社員で病院に勤務している。
入社してからの約1年半、1日も復習やノートまとめ、次の日の業務を考えたことはない。

でもそれでもうまくやれている。責任ある仕事も任されるようになったし、仕事もそれなりにできている。

今は「それでいいんだ」と思える。
職場から出たら仕事は忘れ、ご飯を食べてテレビを見る。
私の憧れの生活を今私は過ごしている。

◎ ◎

以前、私の大切な人が、頑張り続けた私にこう言った。

「頑張る」をやめることもまた「頑張る」ということ。

今日1日頑張るということを頑張らなかった自分をまた褒めたらいい。
私が今、「頑張りすぎない」中で大事にしているのは、これまで頑張り続けた経験とこの言葉である。

■Nの思いのプロフィール
文を書くことが好き。
苦しい6年間を乗り越えて多くの人に自分の経験を伝えたい。
些細な幸せを噛み締めて暮らしたい。

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