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映像業界の女性が働く環境を考える。ケリングが東京国際映画祭で「ウーマン・イン・モーション」を開催

  • 2024.11.6

「ウーマン・イン・モーション」は、2015年にカンヌ国際映画祭で発足したプログラムだ。映像業界をはじめ、写真、アートデザイン音楽などさまざまな分野で活躍する女性に光を当て、女性を取り巻く環境について意見交換を行う。

今回の東京国際映画祭では、俳優の菊地凛子、磯村勇斗、Netflixプロデューサーの岡野真紀子が登壇し、海外と日本における映像業界の女性を取り巻く環境や課題、未来について語り合った。

オープニングスピーチを務めたのは、映画監督の是枝裕和だ。是枝監督は映画業界の現状について、子どもたちが映画に触れる機会を提供する映画教育と、女性にとって働きやすく出産後も復帰しやすい環境を作るという2つの課題を挙げ、よりよい映画製作環境の必要性を訴えた。

トークセッションでは、#MeToo運動以降の映像業界の改革や、女性が働きやすい環境作り、多様で包括的な作品作りの重要性などについて、活発な議論が交わされた。菊地は、日本やハリウッドなどさまざまな現場を経験してきたなかで、リスペクト・トレーニングやインティマシー・コーディネーターの導入など、変化を感じているという。一方で、出産や子育て、介護などによるキャリアの中断からの復帰の難しさなど、課題も多く残ると指摘。

磯村は、近年現場の女性スタッフが増えてきている実感があると語りつつ、ハラスメント問題や女性が働きやすい環境作りのためには、男性も積極的に問題に向き合い理解を深めることが重要だと強調した。岡野は、Netflixでは女性監督やスタッフを積極的に起用しており、物語や作品自体に多様性が求められる現代において、作り手側のダイバーシティも不可欠であると述べた。また近年導入が進んでいるインティマシー・コーディネーターについては、3人とも俳優、監督、スタッフを守る上で重要な役割を果たしていると語り、磯村は男性のインティマシー・コーディネーターの必要性も訴えた。

最後に磯村は「女性の活躍や働ける環境づくりについて、僕ら男性がしっかりと理解をしていくことが大事」と述べ、菊地は「知らないと言葉にできない。的確な言葉を見つけて、それを伝えていくのはすごく大変なことで、時間や勇気も必要」と、問題解決の難しさに触れつつも、まずは“知ること”の重要性を訴えた。岡野も「10年後、20年後にこの業界に入るみなさんはどうなるんだろうと未来を意識した上で、お互いを知って、サポート体制を考えていくことが重要」と述べ、未来を見据えた持続可能な取り組みの必要性を改めて強調。

なお、トークセッション後には、日本では初となる「ウーマン・イン・モーション」ディナーを実施。映画業界関係者ら約60人が参加した。

https://www.kering.com/jp/group/kering-for-women/women-in-motion/

Text: Aya Hasegawa

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