1. トップ
  2. レシピ
  3. 朝食や焼き魚定食でおなじみ「鮭(サケ)」の栄養とは?“サーモン色”に隠された栄養とは?栄養士ライターが解説

朝食や焼き魚定食でおなじみ「鮭(サケ)」の栄養とは?“サーモン色”に隠された栄養とは?栄養士ライターが解説

  • 2024.11.6

高い抗酸化パワーは身の“色”が鍵

▲鮭のサーモンピンク色は、抗酸化力の高いアスタキサンチンが多い証し
▲鮭のサーモンピンク色は、抗酸化力の高いアスタキサンチンが多い証し

コンビニのおにぎり、お弁当、朝食、夕食など、オールマイティな活躍を見せる鮭(サケ)。魚ばなれが進むなか、子どもからお年寄りまで年代を問わず愛され続けている、日本の食卓に欠かせない魚と言えそうです。

鮭の身の色はサーモンピンクと言われるように、オレンジ色または紅色をしています。これは、天然色素のアスタキサンチンによるもの。エサであるエビやプランクトンなどの甲殻類を食べることでアスタキサンチンが蓄積され、筋肉が赤みを帯びていると考えられています。アスタキサンチンは、トマトのリコピン、ニンジンなどに含まれているβ(ベータ)-カロチンと同じカロテノイド系色素の一種で、非常に強い抗酸化作用があります。その抗酸化力はビタミンCの6000倍、ビタミンEの550倍とも言われています。紫外線によるシミやシワの発生を予防する機能性などが注目され、化粧品やサプリメントにも利用されています。

ちなみに、鮭の種類によって身の色が微妙に異なるのは、アスタキサンチンの量が違うため。身の色が最も赤い「紅鮭」に多く含まれ、「銀鮭」、「白鮭」の順に少なくなります。鮭の主な種類やサーモンとの違いについては、関連記事を参考にしていただけたら幸いです。

鮭は栄養の優等生

「鮭」として一般的に出回っている「白鮭」「銀鮭」「鮭」、「サーモン」としておなじみの「アトランティックサーモン(タイセイヨウサケ)」「トラウトサーモン(ニジマス)」「キングサーモン(マスノスケ)」の栄養を比較してみましょう。良質なたんぱく質と脂質、ビタミンやミネラルをバランス良く含んでいることが鮭とサーモンに共通している栄養面の特徴ですが、脂質やビタミン含有量に若干の違いがあります。

トップクラスを誇る栄養素は?

鮭のビタミンD含有量はトップクラスといえます。ビタミンDにはカルシウムの吸収を促す働きがあり、不足すると骨粗しょう症を招いたり、骨が変形したりする誘因に。18歳以上の男女1日の必要量(目安量)は8.5μgとされています。100g(切り身1切れ程度)あたりのビタミンDを多く含む順に並べると、紅鮭33μg>白鮭32μg>キングサーモン16μg>銀鮭15μg>サーモントラウト11μg>アトランティックサーモン8.3μgとなり、どの鮭を選んでも必要量をほぼ補うことができます。

結局どの種類を食べるのがおすすめ?

高たんぱく×低脂肪が好みなら「白鮭」「紅鮭」がおすすめ!みんな大好きなシャケ定食
高たんぱく×低脂肪が好みなら「白鮭」「紅鮭」がおすすめ!みんな大好きなシャケ定食

たんぱく質の含有量は鮭の種類で大きな差はなく、必須アミノ酸がバランス良く含まれています。一方、脂ノリを左右する脂質の量は鮭の種類で違いがあり、控えめなのが「白鮭」「紅鮭」です。逆に、脂ノリの良い「銀鮭」や「サーモン(アトランティックサーモン、サーモントラウト)」は脂質が高め。脂質1gあたり9kcalのエネルギーとなるため、脂質が高いとカロリーも高くなります。脂肪やカロリーが気になる人は白鮭か紅鮭を選ぶと良いでしょう。なお、秋に出回る「秋鮭」は白鮭の別名です。

EPA・DHAを取りたい場合は「サーモン」「銀鮭」がおすすめ!EPAとDHAが特に豊富に含まれるのは「サーモントラウト」
EPA・DHAを取りたい場合は「サーモン」「銀鮭」がおすすめ!EPAとDHAが特に豊富に含まれるのは「サーモントラウト」

鮭に含まれる脂質の多くは、私たちの体内で重要なホルモンの材料となるオメガ3系(DHA、EPA、α-リノレン酸など)をはじめとする良質な脂肪酸です。特に、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、血液をサラサラにして血栓を防ぐ働きや、脳を活性化して記憶力を維持する働きなどの機能性が注目されています。EPAやDHAを意識的に摂りたい場合は、「サーモン(サーモントラウト、キングサーモン、アトランティックサーモン)」や「銀鮭」を選んでみてはいかがでしょうか。

他にも、糖質と脂質をエネルギーに変える代謝をサポートしてアルコールの分解を促すナイアシンも鮭に共通して多く含まれています。また、傷ついた神経細胞を修復し、葉酸と協働して赤血球をつくり貧血を予防することから別名「造血ビタミン」と呼ばれるビタミンB12が豊富なことも鮭の特徴で、特に「紅鮭」に多く含まれています。

(野村ゆき)

元記事で読む
の記事をもっとみる