長年ホームレス問題に取むウィリアム皇太子は、ホームレスを「例外、短期的、繰り返さない」ものとすることを使命に掲げた5年計画のプロジェクト「Homewards」を2023年6月に立ち上げた。初年度の活動を追ったドキュメンタリー「Prince William: We Can End Homelessness」が、ITVにて10月30日から2夜連続で放送され、初回の放送では亡き母ダイアナ妃との思い出が多く語られた。
その中で、「僕らが大人になったとき、宮殿の外の世界を伝え聞いただたの知識ではなく、リアルなものとして理解できるようにしてくれました」と振り返る。「幼いころから、母にホームレスの話を聞いていました。僕も今、子どもたちを学校に送るときに話しています」
キャサリン妃との間に11歳のジョージ王子、9歳のシャーロット王女、6歳のルイ王子がいる皇太子は続ける。「路上生活をする人を見かけると、幼いときは好奇心が強いもので、何があったのか理解しようとします。『なぜ彼らはあそこに座っているの?』といった質問をすると、母はその理由を少し聞かせてくれました。大きな衝撃でした」
王室メンバーとして活動するようになると、「自分が持つ役割とプラットフォームを生かす方法を徐々に考える」ようになったという。役割や、その方法について考えたとき、ヒントになったのはダイアナ妃の行動だったと語る。「母の行動、特にホームレス問題について、インスピレーションと指針を得てきました。この数年、その思いが強くなっています」
その一つが、幼いころに母に連れられ、弟のヘンリー王子とともに、ホームレス支援団体ザ・パサージュを訪れたことだ。「楽しく話をして、チェスをしたのを覚えています。そのとき初めて、私とは違う暮らしをする人がいることを理解しました」。そこでのダイアナ妃は、いつものように周囲をリラックスさせて皆と笑い、悲壮感のようなものはなかったという。「『昨夜は路上で過ごした』と言われてショックを受ける、そうした経験をしたのです」
ウィリアム皇太子は現在、ザ・パッセージをはじめ、過去にダイアナ妃も支援していた別のホームレス支援団体センターポイントのパトロンに就任している。「野心的な取り組みだし、大きな問題です。かなりの努力が必要です。でも、この21世紀はホームレス問題とともにあるべきでないと信じています。『人々の暮らしを一変する行動を起こさねば』と重い腰を上げるときが、必ずくるのです」
Text: Tae Terai
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