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〈LINE−INC.〉代表・勝田隆夫の睡眠空間学

  • 2024.11.7
〈LINE‒INC.〉代表・勝田隆夫 自宅 リビング

眠る、くつろぐ、本を読む。セカンドリビングのある寝室

このドアの先が寝室。そう思って扉を開けたら、上質なホテルのような一室が現れた。自然光が差し込む明るい部屋は約40m2と広々。ベッドの足元側にはソファが置かれ、本棚の傍らには読書用の椅子まである。

「眠るだけでなく、本を読んだり犬と遊んだり、ぼんやり物事を考えたり。日常生活の心地よい時間を集めたような寝室をイメージしたんです。例えば一人暮らしの部屋みたいに、すべてが同じ空間の中で完結する快適さがいいなあ、と」

〈LINE‒INC.〉代表・勝田隆夫 自宅 ガラスブロック
朝はガラスブロック越しの光が美しい。窓には遮光+テキスタイルの二重ロールスクリーンと遮光ブラインドを。
〈EXIT METAL WORK SUPPLY〉のローテーブ
アイアンを使った〈EXIT METAL WORK SUPPLY〉のローテーブルに、手仕事のアンティークラグを合わせた。

そう話すのはデザイナーの勝田隆夫さん。〈オニツカタイガー〉などの商業空間から家具製作まで手がける〈LINE−INC.〉の代表だ。2017年に自邸を設計した際、建物の中でもとりわけ明るくて心地よい1階の東南に主寝室を配置した。住宅設計のセオリーに収まらない自由な発想は、アパレルや飲食店を多く手がける勝田さんらしくもある。

2階には、家族や友人が集う開放的なダイニングキッチンや、ゆったりしたリビングもちゃんとある。そのうえで造ったこの寝室は、勝田さんと妻の美穂さんにとって、いわば“セカンドリビング”なのだろう。

「僕が2階でお酒を飲んでいる時に、妻はベッドサイドで読書に没頭する。妻がキッチンにいる間、僕は寝室にPCを持ち込んで仕事に集中する。個々の時間を充実させるための最適解的な空間でもあるんです」

〈LINE‒INC.〉代表・勝田隆夫 自宅
静かな住宅街に立つ勝田邸。寝室は1階玄関ホールから続く位置にある。入口から眺めるとリビングルームのよう。
〈LINE‒INC.〉代表・勝田隆夫 自宅
寝室は東南向き。東側の窓はガラスブロック。南の開口部からはテラスへ出られる。壁や天井は目に優しい白の漆喰塗り。

当然、ベッド以外の家具選びも重要で、座ってよし、寝そべってもよしのボックス型ソファは、19世紀英国のチェスターフィールドソファを現代的にリデザインしたオリジナル。「最近はこういった、普遍的な家具をシャープにしたデザインに惹かれます」と勝田さん。家具は黒やグレーでスタイリッシュに揃えつつ、手仕事感のあるテキスタイルやラタンを使ったデザイナーズ照明を合わせて、自分たちらしい色を出している。

さらに、「壁は湿度調整の機能を持つ漆喰、窓の光は遮光付きロールスクリーンと遮光ブラインドで二重にコントロールしています。休息の場でも第二のリビングでも書斎でもあるので、一日中快適でいられる環境に整えておきたいんです」。

〈LINE‒INC.〉代表・勝田隆夫 自宅 リビング
約40㎡の半分をリビング的なスペースにした寝室。椅子は〈LINE−PRODUCTS〉の「LP-14 MARUTA」。天井照明はマイケル・ソドー。ドアは手前が出入口で奥はクローゼット。

profile

〈LINE‒INC.〉代表・勝田隆夫

勝田隆夫(〈LINE−INC.〉代表)

かつた・たかお/1972年静岡県生まれ。96年に清水薫らと〈EXIT METAL WORK SUPPLY〉を立ち上げる。2002年、建築・インテリアデザイン事務所〈LINE−INC.〉を設立。22年にはオリジナルの家具ブランド〈LINE−PRODUCTS〉も始動。

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