もやしダイエットって知ってる? もやしは低カロリーで健康によいということは聞いたことがあるけれど、実際のところ、その効果的な取り入れ方はあまり知らないという人も多いのでは? そこで今回は、管理栄養士のマリー秋沢先生がもやしの栄養価・メリット・ダイエットのやり方を教えてくれた。
(「」内・マリー秋沢先生)。
もやしの栄養価は?
「もやしは100gあたり約14〜18kcalと非常に低カロリーですが、栄養素も豊富に含まれています。主な栄養素には以下があります」
ビタミンC
「抗酸化作用があり、肌の健康や免疫力の向上に役立ちます」
食物繊維
「腸内環境を整え、便秘の改善に貢献します」
カリウム
「体内の余分な塩分を排出し、むくみを予防します」
葉酸
「血液の生成や胎児の発育をサポートする重要なビタミンです」
アスパラギン酸
「アミノ酸の一種で新陳代謝を活発にし、疲労回復に役立ちます」
もやしのメリット
「もやしの最大のメリットは、低カロリーでありながら満腹感を得やすい点です。また、調理が簡単で、価格も安く手に入りやすいことから、日常的に続けやすい食材です。さらに、上記の栄養素を摂取できるため、健康的なダイエットをサポートします」
もやしはダイエットに効果的?
「もやしは、低カロリーかつ満腹感が得られるため、食事量を減らしやすくダイエットに効果的です。とくに、食物繊維が多いため、消化を助けて便秘を防ぎ、血糖値の上昇をなだらかにします。よって体重管理に役立ちます。また、もやしは水分が多く含まれているため、満足感を得ながらカロリー摂取を抑えることができます」
管理栄養士がおすすめする「もやしダイエット」のやり方
もやしダイエットは、通常の食事に適度に取り入れる方法がおすすめです。以下のような方法で無理なく継続できます。
1.主食の一部をもやしに置き換える
「ご飯や麺類の量を減らし、その代わりにもやしをプラスすることで、カロリーを抑えつつ満足感を維持できます」
2.もやしをスープやサラダに取り入れる
「低カロリーの具材としてスープやサラダに加えることで、栄養バランスの取れた食事を楽しめます」
3.もやしとタンパク質・炭水化物の組み合わせ
「例えばラーメンなどの麺を食べる際には、もやし大盛りを注文することがおすすめ。さらに、チャーシューなどのタンパク質も、もやしと最初に食べることで、麺を食べた時の血糖値の上昇をなだらかにすることができます。血糖値の乱高下、インスリンの過剰分泌を防ぐことで、太らない食べ方といえます」
「もやしダイエット」の注意点
「もやしだけに偏った食事は栄養の偏りを招く恐れがあります。もやしはビタミンやミネラルが豊富ですが、もやしだけ大量に食べる、などのダイエットは避けましょう。また、もやしは水分が多い分、食べた直後は満腹感がありますが、長時間の腹持ちは期待できません。そのため、タンパク質などを含む食品と組み合わせて食べることが大切です」
もやしダイエットを成功させるコツ
1.バリエーション豊かな調理法を活用
「蒸し、炒め、茹でるなど、さまざまな調理法で楽しむことで飽きずに続けられます」
2.他の野菜やタンパク質と組み合わせる
「栄養バランスを考え、他の野菜や豆腐、鶏肉、魚などのタンパク質と一緒に積極的に取り入れましょう」
3.炭水化物の代わりにもやしを代用する、または炭水化物を食べる前にもやしを食べて血糖値の上昇を抑える
「炭水化物過多の食事は、インスリンが過剰分泌するので、余ったインスリンがあると、中性脂肪の蓄積につながります。炭水化物の代わりにもやしを食べる、または炭水化物を食べる前にもやしをしっかり食べて、血糖値がなだらかに上昇するようにして、必要以上にインスリンの分泌を促さないようにしましょう」
まとめ
「もやしは、低カロリーで栄養価が高く、ダイエットに効果的な食品です。ただし、もやしだけに頼らず、もやしの力を借りながら、ダイエットを成功させることが大切です。無理なく、おいしくダイエットを成功させるために、もやしを食事に上手に取り入れて、ダイエットを成功させていきましょう」
お話を伺ったのは……
マリー秋沢さん
管理栄養士、調理師、健康料理研究家。有限会社ビューティーニーズ代表、一般社団法人日本ニュートリションフーズ協会代表理事。アメリカ・ミシガン州生まれ。上智大学国際教養学部卒業。元ミスユニバース近畿代表。健康、免疫力維持、生活習慣病予防、アンチエイジング、長寿などをテーマに活動し、充実した食と栄養、ライフスタイルを提案する機関として、2019 年に日本ニュートリションフーズ協会を設立、現在に至る。子どもの食育にも熱心で、2022 年アメリカの出版社 Rowman & Littlefield から『Eating The Shokuiku Way』を出版。アメリカの子どもの肥満率が 40 パーセントを超すことに危機感を抱き、日本の食育をアメリカに広げる活動も行なっている。国内では2024年10月8日に出版した「受験メシ!」(三笠書房)で、子どもの成長に適した「血糖コントロール」の実践で脳の働きを活性化させる方法を紹介。簡単でおいしい糖質オフレシピにも定評があり、各地で料理教室や講演会を開催。2週間で実施するオンライン血糖コントロールプログラムも好評。「50歳で糖尿病になり、85歳の今も現役医師の父を救った食事法」(青萠堂)その他著書多数。メディア出演など多方面で活躍中。
マリー秋沢さんの最新本。本書では、子どもの成長に適した「血糖コントロール」の実践で脳の働きを活性化させる方法を紹介している。「勉強中のラムネや飴は集中力低下の原因に!」「ブドウ糖は脳の唯一の栄養ではない」など、受験生の親御さん必読の一冊。