ビジネスシーンで避けて通れない「クレーム」。自社のミスや相手の勘違いなど、さまざまな原因で発生しますが、その対応は顧客との信頼関係を築くために非常に重要です。
適切な対応を怠ると、相手の気分を害し、事態がさらに悪化する可能性もあります。相手の気持ちをしっかり理解し、冷静に対応することが求められます。
今回は、クレーム対応で押さえておきたいポイントを詳しく解説します。
ポイント1.顧客の話を最後までしっかりと聞く
クレームを伝える相手は感情的になっている場合が多く、一方的に不満を述べることもあります。こうした場合、話を途中で遮らず、相手の立場や感情に共感しながら最後まで聞くことが大切です。
- 注意点:話を途中で遮ると、相手は「自分の気持ちを理解されていない」と感じ、不信感を抱く可能性があります。
- 実践法:相手が話し終わった後、一呼吸置いてから対応を始めるとスムーズです。
ポイント2.クレーム内容を復唱する
相手の話を正確に把握するため、内容を復唱して確認することが重要です。
- 効果:相手は「自分の意見や感情が理解されている」と感じ、安心感や信頼感を抱きやすくなります。
- 方法:相手の言葉を引用し、要点を簡潔にまとめて伝えると、誤解を防ぎ問題解決の糸口が見つかりやすくなります。
ポイント3.顧客の気持ちに共感する
相手の不満や不快な気持ちを理解し、共感を示すことも大切です。
- 実践例:「そのような状況でご不便をおかけしてしまい、大変申し訳ございません。」
- 効果:相手は自分の感情が受け止められていると感じ、心が落ち着きやすくなります。
また、肯定的な相づちを打ちながら話を進めることで、スムーズなコミュニケーションが可能になります。
ポイント4.代替案や解決策を提示する
相手の話を聞き、共感した後は、迅速に代替案や解決策を提示することが求められます。
- 提案のポイント:
- 相手の立場や状況を考慮し、柔軟に対応する。
- 重要なポイントを簡潔に伝える。
- 結論を先に述べて話を進める。
例:
「お手数をおかけして申し訳ございません。現在、〇〇の手続きを進めておりますので、△△までに対応を完了させていただきます。」
クレーム対応はスキル向上のチャンス
クレーム対応は、顧客との信頼関係を築くための重要なスキルです。「話を最後まで聞く」「内容を復唱する」「気持ちに共感する」「代替案を提示する」といった基本を押さえることで、スムーズな対応が可能になります。
ネガティブな場面をプラスに変え、成長の機会として活用してみてください。
ライター:能美黎子(のうみれいこ/ @reikonohmi)
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行っている。