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そのクセ、直さなくていいかも?「自信ある自己流は自信なき正統派に勝る」

  • 2024.11.4

“なっち先生”こと大谷奈千代が、コーチに転身して気づいた「プロとアマチュアの考え方の違い」は、スイングの改造や強化以上にスコアアップの効果がある。

そこで「頭と心の中を変えるレッスン」を毎月掲載!

そのクセはあなたの武器かも!? 直す前に確率と再現性をチェック!

そのクセ、直さなくていいかも?「自信ある自己流は自信なき正統派に勝る」
「教科書どおりじゃなくてもいいの?と思う人もいるでしょう。その答えは、教える側は正攻法でなくていけない、だと思います。そこから先は生徒次第。多くのプロとコーチもそうで、合わなければマネない、取り入れないなど教わる本人が判断しているので、教科書どおりは“絶対”ではないのですよ!」(大谷)

パリオリンピックのゴルフは、男女とも盛り上がりましたね。男子の金メダリストはスコッティー・シェフラー。インパクトからフィニッシュにかけて両足が左に動く個性的なスイングですが、この足の使い方は体が止まって起こるヒッカケを防ぐことができるので、フェードボールをコントロールするために有効な動作だといわれています。変則スイングといえば、日本ツアーでは数年前に崔虎星(チェ・ホソン)のフィニッシュのとり方が話題になりましたが、これもまた飛距離を出すための工夫でした。

こういった個性的なスイングは、レッスン本などの教科書には載っていませんよね!でも、マネしようとしても万人受けしない個性について、ハイフィニッシュが特徴的だったアーノルド・パーマーは「自信ある自己流は自信なき正統派に勝る」といっていて“個性も突き詰めれば一流の技術”なのです。

そんな個性を活かすことの大切さを私に教えてくれたのは、意外にもジュニアゴルファーでした。ジュニアの、たとえばトップでの背骨が折れそうなほど反り返るオーバースイングや、体を「く」の字に曲げるサイドベンドのインパクトは、自分の能力を引き出そうとして自然になっている形なので矯正するところではない。個性を活かす指導のほうがいい結果を出しやすいことがわかったのです。

これを大人に置き換えるとどうでしょうか?子どもより情報量が多いせいもあって自分が変だとわかれば「直したい」とすぐに思いますよね。でも、それを直して新しい武器を手に入れるのはかなり大変ですし、実際にコーチングをしていると、先生と生徒で直したいところが異なるというのも、レッスンのあるある。

そこで直す前にいったん、クセのあるスイングや球筋の確率と再現性を確認してください。目指すスコアやレベルにもよりますが、5割以上の確率で同じ飛距離と球筋が出るなら、そのクセは直さなくていい!もしかしたらあなたのクセも、シェフラーのような立派な武器かも!?

いかがでしたか? 大谷プロのレッスンを参考にしてみてください!

大谷奈千代
●おおたに・なちよ/1984年生まれ、兵庫県出身。05年のプロテストに合格。ステップアップツアー2勝、11年には賞金シードを獲得。現在はレッスンにやりがいを感じ、コーチに転身。アマチュアやプロの卵を精力的に指導している。

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