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無料の「大人の脳トレドリル」【医師が解説】脳トレ問題で認知機能アップ脳を鍛える

  • 2024.11.3

パズルなどの脳トレ問題を1日1回以上解く習慣のある人は、まったく行わない人やたまに解く人より、認知機能テストの成績がいいというデータがあります。簡単に脳の機能を鍛えられる無料の「大人の脳トレドリル」で、認知症予防を心掛けましょう。

監修者プロフィール:篠原菊紀さん(脳研究の専門家)

脳科学者・篠原菊紀さん

しのはら・きくのり 公立諏訪東京理科大学工学部情報応用工学科教授。運動、学習、遊びなど日常のさまざまな場面の脳活動についての研究を行い、子どもから高齢者までを対象に、脳育や認知機能低下防止、脳トレなどについての執筆や監修、講演などを幅広く行っている。

毎日の脳トレが認知症予防につながる!

「2019年の発表でWHO(世界保健機関)は、脳トレが認知症のリスクを防ぐ効果があると認めています」と話すのは、脳研究の専門家・篠原菊紀さん。

認知症の予防に大切なのは、以下の4つの力を維持することです。

  1. 思い出す力
  2. イメージする力
  3. 記憶する力
  4. 集中する力

脳には部位ごとに役割があり「それぞれの力に関連する脳の部位を刺激すれば、脳が活性化します」とのこと。脳トレで鍛えられる4つの力と脳の部位を下図に示しました。

脳トレが認知症予防につながる

「楽しみながらやれば、より効果が期待できますよ」と篠原さん。脳に働きかけ、認知症予防にも効果がある、脳トレ問題を紹介していきます。さっそく取り組んでみましょう。

「思い出す力」の脳トレ問題で海馬を活性化!

小学校時代を思い出しましょう(目標5分 30点満点)

小学校時代に、何年何組だったか、担任の先生の名前は、そして、家からの道のりはどうだったでしょうか。楽しみながら思い出してみましょう。

Q1.小学校のとき、何組でしたか? 1年~6年まですべて答えましょう。
(全問正解:10点、それ以外:各1点)

Q2.小学校のときの担任の先生の名前を書いてみましょう。1年~6年まですべて答えましょう。
(全問正解:10点、それ以外:各1点)

Q3.自宅から小学校までの通学路を思い出して描いてみましょう。
(10点)

自宅から小学校までの通学路

【ポイント】思い出せないことを諦めないことが大切

脳トレ問題で海馬を活性化

知っているはずなのに、どうしても思い出せず、「あれあれ」となってしまうこと、ありますよね。でも「年だから仕方がない、とは思わないでください」と篠原さん。思い出す力は、過去の経験で蓄積してきたことを必要なときに導き出す力。

「思い出せないことがあったらそのままにせず、一生懸命記憶をたどったり、関連する資料にあたったり、そのことを探し出そうとするだけで、脳に刺激を与えられます」

解答をチェック!

アルバムや通知表などを探してみましょう。記録が残っていなければ、友人やきょうだいと話してみるのもいいかもしれません。思い出そうとすること自体が脳トレになります。

続いて、「イメージする力」の脳トレ問題をご紹介します。

「イメージする力」の脳トレ問題で頭頂連合野を活性化

間違い探しに挑戦!(目標5分 20点満点)

にぎやかな秋の温泉旅館の夕食風景です。左右の絵は鏡に映ったものですが、どこかが違っています。間違いは7か所、5分以内に探してみましょう。

Q.下の2枚の絵は、鏡に映った絵です。間違いが7か所あります。どこか答えてください。
(全問正解 20点 5か所正解で15点)

鏡に映った絵

【ポイント】ストレスを感じずに脳を動かせば効果的です

脳トレ問題で頭頂連合野を活性化

「突然ですが、10時10分の時計の針を描いてください」と篠原さん。「そんなの簡単」と描ければ心配なし。ちょっと迷ったら脳トレを。

「実はこのテストもイメージや想像する力に関連します。この力が衰えるととっさに判断することや次に起こることを予測、イメージする力が弱まってくるのです」

この力を衰えさせないために、上の間違い探しをやってみてください。楽しい温泉旅行やおいしかった料理などを思い浮かべながらやる方が、より効果が期待できます。

解答をチェック!

  1. 壁の絵画
  2. おつくりのレモンとバラ
  3. 赤ちゃんの髪型
  4. 中央の男性の前のコップの並び
  5. ししおどしの向き
  6. ワイングラスの傾き

以上「思い出す力」と「イメージする力」に効く、大人の脳トレドリルでした。

認知症予防には脳トレの他にも、おりがみや塗り絵など指先を使う作業や、食事や運動などの生活習慣の改善が効果的です。脳を活性化させる工夫を生活に取り入れてみてくださいね。

次回は、記憶力・集中力アップに効く脳トレ問題を紹介します。

取材・文=原田浩二(ともにハルメク編集部) イラスト(脳の部位)=冨田マリー ドリルイラストレーション=鈴木みゆき

※この記事は雑誌「ハルメク」2019年11月号に掲載された内容を再編集しています。

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