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泥だらけの娘を見守ることしかできない妊娠中の私。呆然としていると、年配の女性に声をかけられて

  • 2024.11.2

わが家には2人の子どもがいます。2人目が私のおなかにいるころ、上の娘はイヤイヤ期のピーク。お出かけ中どうしようもなくて途方に暮れていると、ある女性に話しかけられました。今思い出しても心があたたまる、忘れられないエピソードを紹介します。

妊娠中のイヤイヤ期

私が2人目の子どもを妊娠しているころ、当時2歳の娘は絵に描いたようなイヤイヤ期でした。服や靴を私が選んでしまったり着せようとしたりすると嫌がり、公園やスーパーでは寝転がり泣き叫び、お風呂も寝るのもイヤイヤで、私は毎日ヘトヘト。

妊娠中で抱っこや遊び相手がいつも通りにできず、娘にいろいろと我慢させてしまう場面が多かったため、余計にイヤイヤがひどくなってしまったのかもしれません。そんなある日の午前、やっとの思いで出かける準備をして、図書館へ出かけました。

図書館へおでかけ

その図書館は自宅から歩いて行ける距離にあり、敷地内にすべり台など遊具もあるためよく通っていました。娘はすべり台がお気に入りでしたが、その日は前日の雨で水たまりが多く、外で遊ぶことは難しそう。私は娘がそれに気づかないよう「あの絵本あるかなー」などと言いながら図書館内へ。

幼児用スペースで、絵本を読んだりおもちゃで遊んだりして過ごしました。そしてお昼ごはんの時間になり、「そろそろ帰ろうか」と声をかけると、「すべり台行く!」という娘。珍しくイヤと言わず外へ出ることができたので、すべり台さんありがとうと思っていた私は、水たまりがあることをすっかり忘れていました。

水たまりで遊んでいると…

娘は外へ出ると、真っ先にすべり台へ向かい、そばにある大きな水たまりを見つけてしまいました。水たまりには落ち葉が浮いていて、それを追いかける娘。私は「おなかすいたな」「帰ってごはん食べよう」などと声をかけましたが、娘は手や足をべちゃべちゃに濡らしながら夢中で遊んでいました。

無理に連れていこうとすればイヤイヤとなるのは目に見えていて、妊娠中なので暴れる娘を抱っこして連れていくのも難しく、私はしかたなく娘を見守ることに。すると図書館へ向かって歩いていた年配の女性がこちらへ近づき、「お母さん、待ってあげてえらいね」と声をかけてくれたのです。

待つだけでえらいんだ

「えらいね」と言われ、「そんなことないです、どうしようもないだけです」と答える私。女性は「ううん、えらいえらい」と言いながらニコニコと通り過ぎていきました。しばらくすると飽きたのか、「おうち帰る」と言って家に向かって歩き始めた娘。私は歩きながら、そうか、待っているだけでいいんだ、もうそれだけでえらいんだと思い、泣きそうになりました。

このときまで私は、いつも娘がどうしたらイヤイヤにならないか、早く次のことへ進めるのかばかりを考えていたように思います。スムーズに対処できなかったときは、だめなお母さんだなと自分を責めることも。しかしこの女性の言葉を聞いてから、工夫して対処するのも大事だけど、「子どもの気が済むまで待つ」というだけで十分がんばっているんだと思えるようになりました。

私は、声をかけてくれた女性も、子どもが小さいころに苦労したのかな、と思いました。あるいはそういう人をたくさん見てきたのかもしれません。このことがきっかけで、私は自分を責めることなく、娘のイヤイヤ期を乗り越えることができました。子育てで悩んだときは、このときのことを思い出すようにしています。

著者:斉藤 ひかり/30代女性・主婦。7歳女児、4歳男児の母。転勤族。結婚前に音楽業界で働いていた経験を生かし、主に音楽・エンタメ・子育て関連の記事を執筆中。

作画:山口がたこ

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています


監修者・著者:助産師 松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

ベビーカレンダー編集部 /キッズライフ取材班

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