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<BLEACH 千年血戦篇>「距離感が近く…」総監督・田口智久×監督・村田光、原作・久保帯人との関係深化を語る

  • 2024.11.1
「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」田口智久総監督×村田光監督の対談インタビューが到着 (C)久保帯人/集英社・テレビ東京・d e n t s u・ぴえろ
「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」田口智久総監督×村田光監督の対談インタビューが到着 (C)久保帯人/集英社・テレビ東京・d e n t s u・ぴえろ

【動画】巻頭歌の演出がかっこよすぎる…「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」31話予告映像

完結後も世界中で根強い人気を誇る剣戟バトルアクションコミック「BLEACH」。その最終章「千年血戦篇」のTVアニメ第3クールとなる「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」(毎週土曜夜11:00-11:30、テレ東系/ディズニープラス・Leminoほかで配信中)が現在放送中。この度、総監督である田口智久と監督・村田光の対談インタビューが到着した。

三界の存亡を懸けた戦いに、流れるのは血か涙か…「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」

見えざる帝国《ヴァンデンライヒ》の第二次侵攻により、影の領域《シャッテン・ベライヒ》へと変貌した瀞霊廷(せいれいてい)で、死神と滅却師《クインシー》の戦いは続く。

奪われた卍解を取り戻し、反撃の狼煙を上げた護廷十三隊は、次々と星十字騎士団《シュテルンリッター》の聖章騎士《ヴェルトリッヒ》たちを撃破していく。

そんな中、霊王宮での修業を終えて、新たな力を得た阿散井恋次、朽木ルキア、そして黒崎一護が瀞霊廷に帰還する。再びユーハバッハに挑まんとする一護の前に立ちはだかったのは石田雨竜。引き絞った弓を向ける友の真意を問う一護に、雨竜が返したのは訣別の矢であった。

ユーハバッハは雨竜と親衛隊を引き連れて遮魂膜を突破。遂に戦いの舞台は、不可侵の神域・霊王宮へと移る。不遜な侵入者を迎え撃つ王属特務・零番隊の5人。その驚異的な力の前に、ユーハバッハも親衛隊も敗れ去ったかに見えたが……真の戦い、真の絶望は今まさに始まらんとしていた。死神と滅却師、一護と雨竜、信念と決意…決して相容れぬ光と影は、紺碧の天空に相剋する。

田口×村田の対談インタビューが到着…印象的なエピソードを語る

ーー「BLEACH 千年血戦篇」制作中に起きた、印象的なエピソードを教えてください。

田口:「千年血戦篇」では、作画の資料作りのために実際に自分たちで写真撮影をしました。難しいアングルのレイアウトは、想像だけではなかなか描きづらいんです。たとえばTVアニメ『BLEACH』20th PV の“ルキアが押し入れの中に隠れていて、遊子たちが外にいる”というレイアウトは、制作さん、演出さん、アニメーターさんと相談してアングルを決め、写真を撮りました。

ーー資料作りのための撮影を始めたのは、第1クールのときからですか?

田口:最初の頃はやっていなかったかな?たしか総作画監督の長谷川(亨雄)さんが「描けないんだからしょうがない!写真に撮ろう」と言い出したのが始まりです(笑)。

村田:第2クールのユーハバッハと雨竜が血の盃を交わすシーンは、写真だけでなくムービーも撮りましたよね。

「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」より (C)久保帯人/集英社・テレビ東京・d e n t s u・ぴえろ
「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」より (C)久保帯人/集英社・テレビ東京・d e n t s u・ぴえろ

「長期だからこそ…」初めてトライしたことを告白

ーー「相剋譚」で、初めてトライしたことはありますか?

村田:初の大きいチャレンジの1つは、“真世界城”をオープンワールドのゲームのように思い切って作ったことです。通常、アニメだと建物の中だけとか、局所的に作ることはあるのですが。

田口:カメラワークの自在とか、演出上は特に“絵に描いた2次元の世界”からは、制約はどんどん少なくなっている感じがあります。でも現実問題として、費用はかさむしスケジュールは長期になります(笑)。「千年血戦篇」のように3〜4年という長期プロジェクトだからこそ、トライすることができました。効果はこれから出てくるのかな、という感じです。

村田:あとLive2Dという絵を動かす技術も、今回新たに取り入れました。

「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」より (C)久保帯人/集英社・テレビ東京・d e n t s u・ぴえろ
「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」より (C)久保帯人/集英社・テレビ東京・d e n t s u・ぴえろ

田口「あのビジュアルが好き…」好きなキャラやセリフを発表

ーーおふたりの一番好きなキャラクターを教えてくだい。

田口:固定の推しは、プレミア上映会でも言った鵯州です。あの大柄で丸い体型……あのビジュアルが好きです(笑)。あと、意外と口調が強いんですよね、彼。そういうギャップも非常にいい。

村田:ホラー感とかわいさが同居している感じですよね。

田口:技術開発局のシーン自体は少ないので、出番があまりないのが残念です。隙あらば、ちょこちょこと画面の端とかに出していきたいな(笑)。

村田:僕は更木剣八です。剣八と卯ノ花による戦いの決着がつく第1クールの第10話でコンテを担当させていただいたのですが、ただひたすらに強さを追い求める彼の姿は、シンプルにかっこよかったです。最終的には、想い人のような相手であり、師匠ともいえる存在の卯ノ花を斬って、さらに高みに上がることもできたので。

ーー「千年血戦篇」問わず、「BLEACH」で好きなセリフやシーンはありますか?

田口:72巻の巻頭歌です。「言葉に姿があったなら暗闇に立つきみに届きはしないだろう」ってすごくないですか!“言葉に姿がないからこそ、闇の中でもきみに届くんだ”という、逆説的な感じがすごく好きなんです。いったいどういう経験をすれば、久保先生はこんなすごいフレーズが思い浮かぶんだろう、と思いますね。

村田:僕は一護がユーハバッハに言った「俺以外の誰かにできたとしても俺がやらずに逃げていい理由にはならねえんだよ!」(コミックス68巻618話)というセリフです。“一護ってこういう人”というのを端的に表していて、すごく印象に残りました。

原作・久保帯人との関係の変化を語る

ーー過去の2クールを経て、久保先生との関係や、やりとりの仕方などに変化はありましたか?

田口:距離感が近くなったというか、関係性は深まっていると思います。オリジナルシーンをご提案・ご相談するハードルも下がった気がします(笑)。とはいえもちろんそれに甘えることなく、アニメサイドみんなで練りに練ってから監修をご依頼しています!

村田:たしかに、ネームでお戻しいただけるときは、こちらのテンションも上がってしまいますよね!

田口:第1クール、第2クールを経て、“原作者”という立場から一段寄り添ってくださっているのかなと感じています。久保先生の中で、アニメ「BLEACH」をより良い作品にするために、より一層力添えしてくださっている印象です。

村田:我々“アニメ制作側の目線”で受け止めてくださっているという感覚がすごくあります。

「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」より (C)久保帯人/集英社・テレビ東京・d e n t s u・ぴえろ
「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」より (C)久保帯人/集英社・テレビ東京・d e n t s u・ぴえろ

村田、田口に監督を続ける秘訣を尋ねる

ーー総監督、監督として、お互いに聞きたいこと・言いたいことはありますか?

田口:まだ終わったわけではないですが、監督をやってみてどうですか(笑)?

村田:「第2クールまで、本当によくやれていましたよね!」と言いたいです(笑)。田口さんは「BLEACH」以外の作品にも携わっていますし、特に第2クールのときは他作品の進行と重なる時期もありましたから。ほかのスタジオとやり取りしながら、さらにクオリティーを上げて制作できるなんて、本当にすごいことだと思います。僕は「BLEACH」だけに集中できる環境でやらせてもらっているのに、てんやわんやですから(笑)。

田口:これは本当に、村田さんをはじめスタッフの皆さんのおかげです。「自分の話数は自分で面倒を見るよ!」という、非常に優秀な方々がそろっていたからこそ可能でした。自分はポイントポイントで顔を出せば良かったので(笑)。

村田:では聞きたいこととして。今回、僕は初めて監督の座に就かせていただきましたが、監督を続けていく秘訣を教えていただきたいです(笑)。

田口:最初に設けるハードルは高めに設定することはあるかもしれません。「千年血戦篇」は、最初に「某作品に匹敵するクオリティーを目指すと約束してくれ!」とプロデューサーに伝えて制作がスタートしたんです。まずは目標を設定し、それを目指すことが何事にも重要だと思っているので。それができなかったときに、“じゃあ、どうやってクオリティーを上げるか?”とか“どういうスタッフを入れればいいのか?”ということを、きちんと制作サイドと話し合い、コミュニケーションを取ることが大切だと思っています。「できないからダメじゃん」になるのは絶対に避ける。

ーー最後に「BLEACH」の見所と、ファンに向けてのメッセージをお願いします。

田口:スタッフ一同、第3クールの「相剋譚」も非常に頑張って手を動かし、情熱の限りの絵を作っております。今後の放送もぜひご期待ください!

村田:第3クールは、これまで以上にアニメのオリジナルシーンが増えています。第30話の雨竜がまとった翼の霊子のように、原作にないシーンが随所に盛り込まれています。それらがオリジナルとしてどう描かれていて、どう原作の物語とつながっているのか。久保先生監修の下で、原作の物語にどのように戻っていくのか。ぜひ期待して見ていただければと思います。

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