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国民的女優・橋本環奈さんがパワハラで“文春砲”…「受け手がパワハラだと思ったらパワハラ」なの?改めて考える【パワハラ】のボーダーラインとは

  • 2024.11.1

橋本環奈さんのパワハラ報道にSNSが騒然

「パワハラ報道は事実無根」事務所がコメント(画像:編集部撮影)
「パワハラ報道は事実無根」事務所がコメント(画像:編集部撮影)

女優の橋本環奈さんが「文春砲」の餌食に……。以前より交際が伝えられていた俳優の中川大志さんとのデート&キス写真などがスクープされたのと同時に「パワハラ疑惑」が報じられ、SNSを中心に困惑の声が多数寄せられています。所属事務所は、10月31日、「明らかに事実と異なる」とパワハラについて否定しました。

SNSでは、一斉に橋本さん叩きともいえるアンチのコメントが投稿される中、「橋本環奈がパワハラなんて信じられない…」「パワハラに関して、テキストだけの情報で真に受けてはいけない」など、ファンはにわかに信じがたい様子……。そもそも、パワハラは「受けた側がパワハラだと思ったらパワハラだ」などという意見もSNSで散見されます。受けた側だけの告発だけで、パワハラだと決めつけるのは非常に危ういのではないでしょうか?

いわゆるパワハラ(パワーハラスメント)とは、厚生労働省は「職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる(1)優越的な関係を背景とした言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるものであり、(1)から(3)までの3つの要素を全て満たすものをいいます。なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません」と定義してます。パワハラだと認定されるためには「証拠」や「客観性」も必要です。パワハラだと告発されただけでは“パワハラ”にはなりません。

実際に、身に覚えがないのに、職場でパワハラだと部下から訴えられたという、東京都在住・管理職の女性(40代)に話を聞きました。サバサバした性格のAさんは、間違っているものは間違っているとはっきり物を言うタイプの女性で、部下からの信頼も厚い頼れる人柄です。

「私が30代前半の時、同じ部署の50代男性部下が半年で辞職すると会社に申し出ました。その際に、部署内で『パワハラ』があったとして数人の名前を挙げました。その中に私の名前も……。その日のうちに、会社の担当機関や専門職の人から呼び出され、事情聴取を受けました。私自身、全く身に覚えがなく、ただただショックでしたが、具体的に何がパワハラだと思ったのか、本人に確認してほしいと強く訴えました。結局告発した本人は、『なんだか高圧的だった』『冷たい態度を取られた』『みんなが自分をのけ者にした』などの理由を述べましたが、具体的な証拠を示すことはなかったそうです。結局、証拠不十分として私たちのパワハラは不問となりました。

私にとっては寝耳に水の出来事でした。私自身を否定された気持ちになりましたし、人間不信に陥るほど本当にショックでした。もちろん業務にも支障はありまくりです。そんなに嫌だったら辞めるほど溜めるまえに、一言言ってほしかったなと。それを機に、人との接し方にとにかく気を付けるようになりました」

Aさんのパーソナリティを知っている人なら、このようなすれ違いは起こらなかったかもしれませんが、相手は入社したばかりの人。周囲に相談する相手がいたら、受け取り方も違ったのかもしれません。このように「受け手が、パワハラだと思ったらパワハラ」と、ちまたで言われているように、「言ったもん勝ち」「何でもかんでもパワハラ認定される」というわけではないのです。

Aさんのような事例は、意外と頻繁にあるのかもしれません。

ドリームプランニングが、2024年8月に行った「パワハラの線引きはどこから?」の調査によると、1位は「暴力行為」89.4%、2位「執拗な叱責や人格否定」88.0% 、3位は「不当な評価や降格」81.0%など実際に目に見えて人を傷つけるような行為が上位に挙げられています。一方、4位「威圧的な態度」79.4%、7位の「不可能な量の仕事を押しつける」73.8%、8位の「不快なあだ名や呼び方」71.4% などは、「上司というだけで力を持っていると思うので、相手が委縮しないように気を付けることが必要かなと思います(30代・女性)」、「双方の関係性や、その後の対応によっても変わってくると思う。(40代・女性)」といったコメントがあるように、受け取る側の心証も影響しているかもしれません。

「自分のパワハラはどの辺りだったのか、今でもよくわからない。(60代・女性)」、「指摘を受けた時は心外でした。でも、だからパワハラだと言われたということが今はわかります。(40代・女性)」、「ちょっと言葉がキツイ、と言われたことがある。(50代・男性)」、「部下に対して良かれと思ってしたことが部下にとってはパワハラに感じることがある。(40代・男性)」などのコメントが寄せられており、パワハラをしていることが無自覚な人も多いようです。

実際にパワハラで通報された人はどのくらいいるのでしょうか。調査では、「パワハラ加害者だった」は2.2% 、「パワハラを指摘されたことがある」は1.8%でかなり少ないことがわかります。「職場でのパワハラを目撃したことがある」も48.0%にとどまり、意外に少ない結果でした。

パワハラを受けていると感じた場合、企業の中にはパワハラ相談窓口を設けているところもありますが、形だけで機能していないケースも少なくありません。内部で対処しきれない場合は労働基準監督署など外部機関のサポートを得るのも有効です。

また、Aさんのようにパワハラをしていると、突然告発される人もいるでしょう。もちろん、自分自身に覚えがない場合、専門部署や、専門機関に相談し、客観的に判断してもらってください。

Aさんのように、伝え方と受け取り方のすれ違いが起こるほど、パワハラの定義は曖昧です。リアルで親密な付き合いが少なくなってきている現代だからこそ、伝える側も、受け取る側も、お互いの相手を思い、自分の行動の結果を想像する力が必要になっているのかもしれません。

橋本環奈さんの事務所の代表は、今回の騒動について公式サイトで発表したコメントの中で、橋本さんの人柄について「一人の『人』としてその言動を評価して下さる方こそ圧倒的に多く」と述べ、「もともと裏表のない人柄でさっぱりした性格ですがいつも人には真摯に向き合い、それは外部の方のみならず弊社のスタッフにも同様であり暴言を吐くなどは論外です」とパワハラを強く否定しています。

(LASISA編集部)

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