2024年より日本からの直行便が週2便に増え、今ホットな国「ウズベキスタン」。
これまでに40カ国以上の国を訪れた私ですが、「長期連休でどこ行くがオススメ?」と聞かれたら、ウズベキスタンを強くオススメしたいほど魅力に溢れた国です。
1週間あればメインの都市を満喫でき、それでいてひとり旅や女子旅にも向いています。
この記事では、そんなウズベキスタンの魅力をご紹介していきましょう。
ウズベキスタンってどんな国?
ウズベキスタンは中国の西、中央アジアにある国で、日本との時差は4時間。
公用語はウズベク語。旧ソ連国のため、年配の方々や都市部に住む人たちはロシア語を話せる人もいます。
初めてウズベキスタンにを訪れた時に驚いたのが、様々な人種が住んでおり、まさに「人種のるつぼ」であること。
様々な人種が住んでいるウズベキスタン
日本人にそっくりな顔つきの人も多く、街中を歩いていても、なんだかウズベキスタンに溶け込めているような不思議な感覚を味わったのを覚えています。
散歩をしていたら現地の人と勘違いされて、ウズベク語で話しかけられたなんて事もありました。
おもてなし精神が凄すぎるウズベキスタン人
初対面なのにお昼ごはんをご馳走してくれたおじさま
ウズベキスタンでもっとも印象に残っていることといえば、綺麗な景色もそうですが、何よりも"人が優しい"ということ。
私がウズベキスタンを訪れた際は、過剰なまでのおもてなしを何度か経験しました。
タシケントからウルゲンチまで飛行機で移動した際、隣に座ったウズベキスタン人と仲良くなったのですが、ネットに通じてないという私のスマートフォンを、自身のスマートフォンとデザリングして、ネットを使わせてくれたのです。
それだけでなく、ウルゲンチからヒヴァの街まで送迎してくれたうえに、お昼ごはんもご馳走してくれました。
ご自宅に招いてくれたご家族
また、サマルカンドのお土産屋さんで出会ったウズベキスタン人は、ご自宅に招いてくれて、豪華なディナーでおもてなしをしてくれたのです。
「イスラム教では"旅人はもてなしなさい"という教えがあるんですよ」と教えてくれましたが、これまでにイスラム圏を含めて様々な国を訪れているものの、後にも先にもウズベキスタンほどおもてなしを受けた国はありません。
これ以外にもレストランや観光地、タクシーなど様々な場面で親切な対応を受けることが多く、ウズベキスタン人の温和で優しい雰囲気に、この国が大好きになりました。
青色が美しすぎる!フォトジェニックスポットがたくさん
サマルカンドのシャーヒズィンダ廟
ウズベキスタン観光の最大の魅力が、青色が美しい建物が多く、フォトジェニックなスポットばかりという点。
とくにサマルカンドが「青色の街」として有名ですが、それ以外の街でも青色を基調とした美しい建物が多くあります。
モザイク雑貨や刺繍などの工芸品も有名で、どれも可愛いデザインのものばかりで、コレクションしたくなってしまいます。
都市間はタクシーで移動可能
都市間の移動がタクシーでできてしまうのも魅力のひとつ。値段も3,000〜4,000スム(35円〜45)/1kmほどと日本に比べて激安。
ここ数年で「Yandex.Go」や「My taxi」、「Taxi OK」などのタクシー会社や配車アプリも出てきているので、個人タクシーが主だった数年前に比べると、タクシー移動がかなりしやすくなっています。
少しでも安く済ませたい人は鉄道で移動することも可能。公式サイトからオンライン上で予約が完了するので簡単です。ただし、人気の移動手段ですので早めの予約がおすすめ。
タクシー移動途中でウズベキスタンで有名な木綿畑に寄ってくれました
ちなみに私は4度の都市間移動のうち、3度はタクシー移動をしています。直前で決めた旅で、大まかな予定しか決めていなかった私は、その場で予定を決められるタクシーが最適だったのです。
一緒に旅した友人や、宿が一緒だった他の旅行者と相乗りする形で、ひとりあたりの交通費はだいぶおさえられました。
治安も良いから女子旅も安心
海外旅行でほとんどの人が心配するであろう治安面ですが、国境付近を除き、ウズベキスタンは基本的には治安が良い国。
とくに観光地では治安の悪さは全く感じず、女子旅も安心してできる国だと感じました。
ただし、スリやひったくりの被害も少なからず出ているそうなので、注意は必要。危険な雰囲気はないものの、夜間ひとり歩きも避けた方が良いでしょう。
とにかくおいしいウズベキスタン料理
今回のウズベキスタン旅行で、ウズベキスタン料理にどハマりした私。
帰国後も名古屋や東京のウズベキスタン料理屋に何度も足を運んだほど、食事がとてもおいしいんです。
基本的に油と塩で味付けをするウズベキスタン料理には、独特なクセのある味はなく、とても優しい味付けで日本人の口にも合う料理ばかり。
「サマルカンド ナン」が有名
主食はナンと呼ばれるパンで、地域によって味や形が違うので、各地で食べ比べてみるのも楽しみのひとつです。
うどんのような麺料理の「ラグモン」や、水餃子のような「マンティ」、玉ねぎやひき肉などの入ったパイ「サムサ」など、どれも美味しいのですが、私のイチオシは「プロフ」。
ウズベキスタン料理「プロフ」
プロフは日本でいうピラフの発祥とも言われている料理で、お米と一緒に羊や牛の肉、にんじんなどが混ざっており、お店によってはレーズンや玉ねぎなどが入っています。
ぜひご賞味あれ!
1週間でウズベキスタンを回ってみよう
1週間でウズベキスタンを満喫するなら、タシュケント、ヒヴァ、ブハラ、サマルカンドの4つの都市を回るのがオススメ。
ややハードですので、ゆっくりしたい人は3都市に減らすのも良いでしょう。
それぞれの都市の名所を写真とともにご紹介します。
タシケント
ウズベキスタンの首都であるタシケントは、日本からの直行便や数多くの国際線が乗り入れている、ウズベキスタンの玄関口でもあります。
ウズベキスタン旅行はタシケントから始まります。
チョルスーバザール
タシュケントで最初に行っておきたいのが、この街最大の市場で、食料品、衣服、お土産などありとあらゆる物を売っている「チョルスーバザール」。
かなり広いだけでなく、とにかく色んなお店があり、自分がどこを歩いているか分からなくなるほど。
バラクハン メドレセ
元神学校(メドレセ)で、現在はお土産屋さんが並ぶ「バラクハン メドレセ」は、世界で最も古いコーランが展示されており必見です。
日本人であればみておきたいのが「ナヴォイ劇場」。
第二次世界大戦後、ソ連の捕虜となった日本兵が作った建物で、タシケントが壊滅状態となった1966年のタシケント大地震の際、この劇場は地震の影響を受けずに佇んでおり、それによりウズベキスタン中で日本人が賞賛されたのだとか。
ナボイ劇場の側面には日本語で書かれたプレート碑があるので、ぜひそちらも読んでみてください。
時間に余裕のない人には、2階建てのバスに乗って市内を回るシティツアーバスがオススメです。
ウズベキスタンホテルの前から出発し、2時間ほどでタシケントの主要な観光名所を回るツアーで、なんと日本語にも対応しています。
ヒヴァ
ヒヴァの全体地図
ヒヴァはウズベキスタン初の世界遺産に登録された街で、「ウズベキスタンの真珠」とも呼ばれています。
近隣の都市とは広大な砂漠で隔てられており、アクセス方法が限られていますが、時間があるならぜひ訪れてほしい美しい街です。
共通入場券を窓口で買うことで、ヒヴァの主要な観光地にはほぼ全て入れてしまうので、観光がとってもスムーズ。
カルタ・ミノル
ヒヴァでまず訪れたいのは「カルタ・ミノル」。未完成のミナレット(モスクに付属する高い塔)なのですが、この街のシンボルとなっています。これが完成していたら、どれだけ大きな建築物になっていたのでしょうか……。
クフナ・アルク
クフナ・アルクからは街全体が見渡せ、ヒヴァの主要な建築物が一気に見れます。
ジュマ・モスク
ジュマ・モスクは他と少し違った光景が広がります。モスク内部に213本の木の柱が立っているのです。よく見ると1本1本緻密な彫刻が施されており、これこそがヒヴァの伝統工芸なのだとか。
イスラーム・ホジャの頂上から
ヒヴァで1番高いミナレットが「イスラーム・ホジャ」。共通入場券とは別で追加料金が必要ですが、頂上まで登ることが可能。
118段もある階段を登った先には、眼下にヒヴァの街が広がる美しい景色が広がります。階段は結構きついので、体力のある観光前半が良いかいもしれません……。
タシュハウリ宮殿
個人的に気に入ったのは「タシュハウリ宮殿」。壁に施されたタイルの模様やタイルの色がひとつひとつ違い、見ていて飽きない美しい宮殿に感動しました。
ブハラ
ウズベキスタンのほぼ中央に位置するブハラは、シルクロードの中継地としてかつて栄えた街で見所が多くあります。
ナディルディヴァンベギ・メドレセ
「ナディルディヴァンベギ・メドレセ」は、本来は休憩場として建てられましたが、王様が「このメドレセは素晴らしい!」と言ったため、メドレセに変更したのだとか。
偶像崇拝を否定しているイスラム教国家であるのに、このメドレセにはタブーの顔が描かれてるという珍しいメドレセなのです。
ウルグベク・メドレセ
「ウルグベク・メドレセ」は中央アジア最古の神学校。内部は修復があまりされていないそうで、当時のままの雰囲気を味わうことができます。
イスマイル・サーマーニー廟
中央アジア最古のイスラム建築である「イスマイル・サーマーニー廟」は、鮮やかな青色が特徴である他の建築物とは全く違う、レンガの模様が美しい建物です。
ほとんどが土中に埋もれていて、1925年に見つかるまで気づかれなかったのだとか。
カラーン・ミナレット
「ポイカロン広場」にはブハラで最も高い建造物である「カラーン・ミナレット」があります。夜のライトアップも美しいので、日中と夜の両方見るのがおすすめです。
サマルカンド
世界遺産に登録され、「青の都」と名高いサマルカンドは、ウズベキスタン旅行では欠かすことのできない場所。
至る所に「サマルカンド・ブルー」と呼ばれる鮮やかな青色のタイルを使用した建造物があり、写真映えもバツグンです。
シャーヒズィンダ廟郡
個人的に1番気に入ったのが「シャーヒズィンダ廟郡」。美しい青の世界が広がる遺跡群です。
入口の門をくぐると階段が伸びており、その段数を数えて行きも帰りも同じなら天国へ行けるといいます。
天国行きがかかっていることもあり、人生で初めて超真面目に階段数を数えました(笑)
ビビハニム・モスク
「ビビハニム・モスク」は中央アジア最大規模のモスク。当時急ピッチで建設が進められたためあまりに脆く、しばらくすると廃墟と化していたそう。近年、大規模な修復作業が進められて、今では美しいその姿を見ることができます。
サマルカンドの最大の目玉は「レギスタン広場」。外観も精巧な造りと鮮やかな色使いで素晴らしいですが、内部が息をのむ美しさなので、一度その目で実際に見てほしいです。
夜間にはライトアップがされ、さらに幻想的で美しい景色が広がりますよ。
次の海外旅行は魅力溢れるウズベキスタンへ
たくさんの魅力溢れるウズベキスタンは、1度訪れたら好きになること間違いなし。
最近はタシュケントやサマルカンドの空港から国際線も多く出航していますので、長期で休みを取れる人は、トルコやお隣キルギスなど他の国とあわせて行くのも良いですね。
ひとり旅、女子旅、恋人との旅行、どんなシチュエーションや旅スタイルでも楽しむことのできるウズベキスタン、ぜひ1度訪れてみてください。
All photos by Keiko Kawanami