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[大泉学園] 東京23区唯一の癒しスポット!駅近で牛さんと出会える『小泉牧場』

  • 2024.11.7

皆さん、ごきげんよう!

LIVING東京地域特派員の西村美鈴です。

過ごしやすい秋の本格的な行楽シーズンがやってきましたね。今回は、西武池袋線の大泉学園駅から歩いて10分ほどの住宅街に位置する、東京23区唯一の牧場『小泉牧場』にお邪魔してきました。こちらの牧場は、駅近でアクセスも良く、牛さんと触れ合ったり、タイミングが合えば新鮮な美味しい牛乳を味わえる貴重な場所です。

小泉牧場は、ここ大泉学園で1935年に創業され、今では東京23区内に残る唯一の牧場となりました。現在、3代目である小泉勝さん (以下、小泉さん)が志を胸に酪農家として日々奮闘し、受け継がれた長い歴史とともに地域に根ざした活動を続けています。観光牧場ではないものの、訪れる人々には牛舎の見学が可能で、都会の喧騒を忘れ、ほっと一息つける癒しの空間を提供している小泉牧場。その魅力に、今回はじっくり迫ります!

8月に誕生した2頭の愛らしい子牛たち

小泉牧場に足を踏み入れると、まず出迎えてくれるのが、8月に生まれたばかりの2頭の子牛たちです。その愛らしい姿は、訪れる人々の心を瞬時に和ませてくれます。私が訪れた際には、ちょうど餌を食べているところでしたが、そっと近づいてしゃがむと、好奇心いっぱいの瞳でこちらを見つめ、柵の間から小さな首を伸ばしてきました。

「牛さん、牛さん!」と声をかけると、「モー、モーーー」と愛嬌たっぷりに応えてくれる姿に、思わず頬が緩みます。可愛い子牛たちの反応に、ここが住宅街の一角であることを忘れ、気持ちはすっかり『まきば』にいるかのよう。町なかでこんなにも自然と触れ合える場所があるなんて、まさに東京の小さなオアシスです。子牛たちに会った人は皆、笑顔を浮かべ、優しいひとときを楽しんでいました。

さらに、11月には新たに子牛が誕生する予定とのこと。無事に出産が済み、また愛らしい姿を見られる日が待ち遠しいですね。

 

出典:リビング東京Web

8月に生まれた子牛

 

出典:リビング東京Web

茶色の子牛さんと会ったのは初めてです

地域と共に歩む東京23区唯一の牧場 〜三代目がつなぐ小泉牧場の想い〜

小泉牧場は、もともと岩手県で祖父が酪農を始めたのがその起源。その後、豊島区巣鴨に移り、今では想像もつきませんが、そこで酪農を営んでいました。そして昭和10年、現在の練馬区大泉学園町へと拠点を移し、今日に至ります。

平成8年からは、東京都からの依頼で『精神障害者社会適応訓練事業』の事業所として、心の病を持つ方々の受け入れを始めました。彼らに社会復帰をという一方的な思いだけではなく、牧場の仲間としてお互いを分かち合い、共に過ごしています。また、平成15年には社団法人中央酪農会議から酪農教育ファームの認証を受け、酪農教育ファームファシリテーターとしても活動しています。子どもたちには、命の大切さや酪農の意義、仕事の価値、そして昔ながらの地元練馬区のことなどを伝える場にもなっています。

時代が進むにつれて、さまざまな困難も重なってきました。特に最近ではコロナ禍やウクライナ情勢による影響、円安などが酪農に厳しい影響を与えています。さらに、小泉さんご自身も膝や腰の痛みが悪化する中、900坪あった牛舎を450坪に縮小し、乳牛も25頭に減らすという苦渋の決断をされました。

「牧場を縮小するのはすごく抵抗がありました。でも1日でも長くこの地で酪農を続けることが、地元の方々への恩返しになると思っています。この地に根ざし、これからも1日でも長く酪農家として励んでいきたいですね」と、小泉さんは語ります。

小泉牧場は、単なる牧場を超えた存在として、地域の皆さんに支えられ、愛され続けていることがよく伝わってきました。

牛舎で休む乳牛たち

 

出典:リビング東京Web

3代目 小泉 勝さんと子牛

都会で飲める奇跡のシングルオリジン『小泉クラフトミルク』

小泉牧場で育てられた乳牛の生乳のみを使用した『小泉クラフトミルク』は、まさに奇跡のシングルオリジンミルクです。通常、市販の牛乳は異なる複数の牧場からの生乳が工場で混ぜ合わされ、均一化されてから販売されます。しかし、このクラフトミルクは、小泉牧場で慈しまれ育った乳牛の生乳だけで作られた、特別な一本。その一滴一滴に、牧場の自然と愛情がぎゅっと詰まっています。

この特別なミルクの誕生は、吉祥寺の牛乳販売店『武蔵野デイリー』との共同で実現しました。「クラウドファンディングで一緒にやりませんか?」と声をかけられ、挑戦したクラウドファンディングは、なんと151%の達成率を記録。多くの地元の方々の温かい支援を受けて、小泉クラフトミルクが誕生しました。土日に販売されています。(売り切れ次第、終了)

他にはない唯一無二の味わいを、都会にいながら楽しめる贅沢なひととき。小泉クラフトミルクは、その深いコクとまろやかさで、日常にささやかな特別感を届けてくれる一杯です。私もこの奇跡のようなミルクを堪能しました。とても幸せな気持ちになれますよ!

 

出典:リビング東京Web

牧場の向かい側にある小泉クラフトミルク販売所。お手伝いの奥様と。

 

出典:リビング東京Web

手作りのポップでお出迎え

 

出典:リビング東京Web

右が200ml / 500円、左が900ml / 1,500 円

小泉牧場を見守るシンボルツリー 巨大な銀杏の木から秋の贈り物

一般住宅地に囲まれた小泉牧場。その入り口に、牧場を優しく見守るように佇む大きな銀杏の木が、シンボルツリーとして存在感を放っています。この銀杏の木は、今の時期になると嬉しい秋の贈り物『ぎんなんの実』をもたらしてくれます。

小泉さんは、毎年この銀杏の実を自ら拾い集め、手間をかけて洗浄・乾燥し、丁寧に袋詰めしているそうです。なんと750グラムもの大袋に詰められたぎんなんが、たったのワンコインで販売されています。「ご近所や牧場に来てくれた方への恩返しのつもりで」と笑顔で語る小泉さんの姿に、地域への愛情が伝わります。

よく購入されるというお客さんに聞くと「ここのぎんなんの実は大きくて美味しいの」とのこと。売っているのを見かけたら、まさにラッキー。季節の恵みと小泉牧場の温かさが感じられる、素敵な贈り物です。

 

出典:リビング東京Web

小泉牧場のシンボルツリー、銀杏の木

 

出典:リビング東京Web

牧場に誰もいない場合は、売り場すぐのインターホンを押して下さいとのこと

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