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レッドカーペット史に残る、ニコール・キッドマンの1997年アカデミー賞ルック。ハリウッドがオートクチュールに目覚めたとき

  • 2024.10.31
1997年、第69回アカデミー賞でのニコール・キッドマンとトム・クルーズ。
The 69th Annual Academy Awards - Arrivals1997年、第69回アカデミー賞でのニコール・キッドマンとトム・クルーズ。

1997年のアカデミー賞授賞式にジョン・ガリアーノJOHN GALLIANO)がディオールDIOR)の1997年春夏オートクチュールで発表したドレスを纏ったニコール・キッドマン。シノワズリ調の刺繍が施されたシャルトリューズグリーンの1着はレッドカーペットにもよく映え、今見ると申し分ないルックだが、信じ難いことに当時はこのようにクチュールに身を包むセレブは珍しく、賛否両論を呼んだ。

辛口な意見があったにせよ、“アブサン”ガウンとして知られるキッドマンのカスタムルックは正しく評価されるようになり、ファッション史にその名を刻んでいる。「(あのルックで彼女は)世間に本当に大きな衝撃を与えました」とガリアーノは先日『VOGUE』主催のイベント「Forces of Fashion」で語った。

「ハリウッドがオートクチュールを知った瞬間でした。もちろん、ハリウッドにおいてファッションは一大ビジネスで、こういったレッドカーペットスタイルが広まったのは著名スタイリスト、メイクアップやフレグランスのタイアップを獲得できる旬のセレブの存在があったからです。ガリアーノ期のディオールを纏ったニコールは、いわばその元祖なのです」とガリアーノは言う。

キッドマンが纏ったドレスのオリジナル。ディオール 1997年春夏オートクチュールコレクションより。
キッドマンが纏ったドレスのオリジナル。ディオール 1997年春夏オートクチュールコレクションより。

言うまでもなく、このドレスは今でもキッドマンのお気に入りのレッドカーペットルックのひとつだ。「刺繍も、形も、すべてがとにかく美しかったです」と彼女は話す。「あれは真のファッションがアカデミー賞で普及する兆しでした」と『VOGUE』のエディター・アット・ラージであるヘイミッシュ・ボウルズは付け加えた。

近年、レッドカーペットでアーカイブ・ファッションのブームが席き起こっているのを考えると、これほどアイコニックなキッドマンのドレスがあれ以来、公の場で着用されていないのは少々意外に思える。それはおそらく、彼女がワードローブに大切に保管しているからだろう。「ジョン・ガリアーノが私のサイズに合わせて作ってくれたものを持っています」と2017年、実際にランウェイに登場した1枚がメルボルンのビクトリア国立美術館で展示された際にキッドマンは語った。「娘たちに残しておくつもりです」

キッドマンと娘のサンデー・ローズ。2025年春夏パリ・ファッションウィーク中に開かれたミュウミュウのディナーパーティーにて。
Miu Miu: Dinner Party - Paris Fashion Week - Womenswear Spring-Summer 2025キッドマンと娘のサンデー・ローズ。2025年春夏パリ・ファッションウィーク中に開かれたミュウミュウのディナーパーティーにて。

長女のサンデー・ローズは10月に開催されたミュウミュウMIU MIU)の2025年春夏ショーでオープニングモデルを務め、ファッション界にその名を馳せ始めている。ひょっとすると近いうちに、彼女がレッドカーペットやショーのフロントローで身につけている姿を見られるかもしれない。

Text: Emily Chan Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.CO.UK

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