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歯科医が解説:歯ブラシの理想的な交換頻度は?

  • 2024.11.6

オーラルケアの基本は誰もが知っている。それは、1日2回歯を磨き、フロスの使用を怠らず、良質のマウスウォッシュや舌ブラシで効果をアップさせるというもの。だから歯ブラシは、健康で美しい笑顔を手に入れるための最も重要なツールと言える。でも、1日2回(場合によってはそれ以上)使用するものなので、いろいろな問題が生じやすい。果たして、歯ブラシや電動歯ブラシのヘッドは、どのくらいの頻度で交換するべきなのだろう?

この疑問を解消するべく、私たちは歯科の専門家に連絡を取り、歯ブラシの交換に関する基礎知識を教えてもらった。歯ブラシの交換時期を示すサインや、交換頻度が低すぎると起こりうる問題も、もちろんカバー。歯と歯茎の健康は、これで守れる。

歯ブラシは、どのくらいの頻度で交換するべき?

米ニュージャージー州モリスタウンを拠点とする認定歯科矯正医のマリーナ・ゴンチャー医学博士によると、歯ブラシは3カ月ごとに交換するのが理想的。それ以降は、歯ブラシの清掃効果が低下する。「3カ月を過ぎると、歯ブラシの毛先が折れたり広がったりして歯垢の除去効果が低下するだけでなく、それが原因で歯茎の炎症や後退が生じることもあります」とゴンチャー医師。「歯ブラシに有害な細菌が住み着かないようにすることも重要です。これは、同じ歯ブラシを長期間使っていると、起こりやすい問題です」

電動歯ブラシでも交換時期はほぼ同じ。「手動の歯ブラシと同様、電動歯ブラシのヘッドは3~4カ月ごとに交換しましょう。毛先が広がっている場合は、もっと早い段階で替えたほうがいいですね」と説明するのは、米国歯科医師会(ADA)の消費者アドバイザースポークスパーソンで口腔外科医のマシュー・J・メッシナ医師。「手動歯ブラシと電動歯ブラシのヘッドは構成が似ており、使いすぎると、毛先が広がったり細菌が増殖したりといった同じ問題が生じます」

こんなときは歯ブラシを交換しよう!

ゴンチャー医師とメッシナ医師によると、歯ブラシの毛先が擦り切れたり、広がったり、変色したりしているときは買い替えたほうがいい。でも、その歯ブラシの“磨き心地”にも注意を払って。「その歯ブラシの使用期間が長すぎる場合に加えて、磨いても歯がキレイになった感じがしない場合、歯ブラシから悪臭がする場合も交換を検討しましょう」とゴンチャー医師。

体調を崩したあとも、歯ブラシを交換するといいかもしれない。「風邪やインフルエンザのあとは、有害な細菌が口の中で再増殖し、口内フローラが再汚染されるのを防ぐために、歯ブラシを交換することをおすすめします」とゴンチャー医師。

歯ブラシを交換しないと何が起こる?

「歯ブラシの交換頻度が低すぎると、歯ブラシが劣化して効力が低下するため、歯がキレイに磨けなくなります」とメッシナ医師。効力を失った歯ブラシを使い続けると、虫歯や口内ダメージのリスクが高くなる。「毛先が広がったり破損したりした歯ブラシで磨いていると、歯茎が傷つき、後退してしまう恐れがあります」とゴンチャー医師。「また、同じ歯ブラシの使いすぎは有害な細菌の繁殖につながり、口腔感染症や口臭のリスクを高めます」。擦り切れた毛先は歯のエナメル質(歯の外層)を傷付けて、歯を過敏にすることもあるそう。

オーラルケアのコツ

歯ブラシを定期的に交換するのは、明るい笑顔をキープする方法の1つに過ぎない。ゴンチャー医師とメッシナ医師は、口腔内の健康を促進するために次のことを勧めている。

質の高い歯ブラシを選ぶ

歯ブラシならどれでも一緒というわけではない。「手動でも電動でも、毛が柔らかい歯ブラシを選んでください」とメッシナ医師。「毛が硬い歯ブラシは、歯茎とエナメル質を傷つける恐れがあります」

歯ブラシを清潔に保つ

定期的に交換すること以外にも、歯ブラシを清潔に保つ方法はある。「使用後は歯ブラシをしっかりすすぎ、よく水を切りましょう」とゴンチャー医師。また、「歯ブラシを密閉された平らな容器で保管するのは避けてください。湿気がこもって、細菌や真菌の増殖につながります」

定期的に歯を磨く

「米国歯科医師会は、フッ化物配合の歯磨き粉を使って1日2回、2分かけて歯を磨き、フロスやジェットウォッシャーなどのツールで毎日歯間をキレイにするよう勧めています」とメッシナ医師。

正しい磨き方をする

そんなの当たり前と思うかもしれないけれど、実は間違った磨き方をしている可能性は否定できない。メッシナ医師は、次の手順で歯を磨くよう指導している。「まず、歯ブラシを歯茎に対して45度の角度で当てます。歯ブラシを(歯の幅に合わせて)短く前後にやさしく動かし、歯の外側、内側、噛み合わせ面を磨きます。前歯の内側を磨くときは、歯ブラシを立てて、上下に数回動かしましょう」

食生活を見直す

一部の食べ物と飲み物は、歯に悪い影響を及ぼす可能性がある。「米国歯科医師会は、健康的な食生活を送り、甘い飲み物やスナックを控えるよう勧めています」とメッシナ医師。「健康的な食生活は健康全般に良いですが、砂糖の摂取を控えることは虫歯の予防にもつながります」

定期的に歯科検診を受ける

最後に、口腔内の健康を保つ方法として一番いいのは、専門家にちょくちょく診てもらうこと。「定期的に歯医者へ行くのは大事なことです。」とメッシナ医師。「歯科医は口腔の健康を専門とする医師であり、口腔疾患の予防と治療において重要な役割を果たします」

※この記事は『Prevention』からの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: Jenn Gonick Translation: Ai Igamoto

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