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大激震が走った高卒1年目・松坂大輔の対イチロー投法を振り返る伊東勤「下手すりゃベース1個分曲がる」

  • 2024.10.31
大激震が走った高卒1年目・松坂大輔の対イチロー投法を振り返る伊東勤 ※提供画像
大激震が走った高卒1年目・松坂大輔の対イチロー投法を振り返る伊東勤 ※提供画像

【動画】伊東勤が“抑えるのを諦めた選手”を暴露

10月24日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週木曜夜10:00-11:00、BSJapanext<263ch>)。今回は“大ちゃんフィーバー”と言われるほどの人気を博したヤクルトスワローズ・横浜ベイスターズの荒木大輔と、埼玉西武ライオンズ黄金時代をけん引した伊東勤がゲストだ。MCの真中満と現役・監督時代がかぶっていることもあり、当時の裏話が盛り上がりを見せた。

監督同士にしかわからない苦境の絆

オープニングトークでは、まず真中と伊東の接点が話にのぼる。2人はそれぞれヤクルトと千葉ロッテマリーンズの監督をしていたのだが、その時期は真中が2015年~2017年、伊東が2013年~2017年とぴったりかぶっている。

ただ印象に残っているのは2017年。両チームとも厳しい戦績で、「とりあえず最後まで頑張ろうな」とお互いに励ましあったほどだとか。特に真中はヤクルト史上最悪レベルの96敗を喫してしまい、気分がひどく落ち込んでしまっていたそうだ。しかし家に帰ってパ・リーグを見たとき、「ロッテが負けてると、少し安心…」とよほど追い詰められていた当時の心情を暴露した。

「より所じゃないですけど、もう逃げ道がないんですよ!」と監督業の苦しさを明かす真中。ただそうしたなかでも、休養だけは取らないという方向で話をしたという。「それだけはやめようってたぶん、おそらく言ったと思うんですよ。最後まで全うしようと。どういう結果になろうとね」真中にアドバイスした言葉を振り返る伊東に、真中は改めて2017年シーズンラストの苦しい時期をどう乗り越えたのかと聞く。

伊東は「あれだけ負ければ、シーズン途中くらいに覚悟してた」と、監督としては同年が最後になることを覚悟していたそうだ。しかしそれほど厳しい成績であっても、応援してくれるファンはいる。ファンのためにも頑張ろうと自分を奮い立たせた伊東は、その気持ちをライトスタンドにいるファンたちに毎試合伝えるのを忘れなかったと明かす。

もちろん自分では行けないものの、球団職員へ伝言を頼んだ伊東。「選手たちは本当に一試合一試合、真剣にやってるんで、最後まで申し訳ないけど応援してください」その熱意が効いたのか、最悪のシーズン中でもロッテファンからの声援は途切れなかった。極限に苦しい時期だからこそ、それでも応援してくれるロッテファンの温かさが記憶に残っているのだろう。

真中と伊東が明かした監督時代の裏話に、MC・平井理央も「心の中で繋がってたっていうか、意外な絆が…」と思わずほっこりしていた。

天才同士の衝突・イチローと松坂大輔

番組の人気コーナー「ダグアウト!!!球界相関図」では、ゲストの人間関係を深掘りしていく企画。キーワードに併せて思いつく人名を挙げていき、相関図を作っていく。

「天才だと思った選手」を荒木と伊東に尋ねたところ、伊東は「誰もがおそらくそう思うだろうと思う選手…イチロー選手ですよね」と切り出した。「イチローをどうやって抑えようかっていつも対策を練るんですけど、最後まで答えは出なかったです」メジャーでもシーズン最多安打、史上唯一の10年連続200安打という記録を打ち立てたイチロー。現役時代がかぶっていた2人には遥かに高い壁と映ったようだ。

“ここに投げれば”という弱点がなく、勝敗は本人のコンディションにかかっていたというほど手の付けられない選手だったイチロー。「セオリーが通用しなかったです」「ヒットだったらOKという感じでいつも攻めてましたね」と、諦めまで覗くほどの怪物選手だったという。

そしてそのイチローを抑えたのが、松坂大輔でもある。高卒1年目の松坂が5年連続首位打者だったイチローを討ち取った際の衝撃は、いまでも記憶に残っている。伊東はそのときのキャッチャーではなかったのだが、やはり記憶には強く残っているようす。

左打ちのバッターに外からのスライダーを打つ投手は少なかったのだが、松坂はそこをうまくついてイチローを抑えることに成功。ただそのスライダーも付け焼刃のものではなく、伊東いわく「下手すりゃベース1個分曲がる」ほど驚異の切れ味を誇っていたそうだ。

天才・イチローを抑えた松坂。歴史的な瞬間に立ち会った興奮は忘れられないと明かしつつ、「ただそのときのキャッチャー、僕じゃなかったんですよ」と語る伊東のしょぼくれた顔でスタジオは笑いに包まれるのだった。

イチローのすごさを体験していたからこそわかる、松坂の偉業

プロ野球選手としてだけでなく、監督も経験していたからこその共感が響いた今回の放送。孤独で責任の重い監督という職務だけに、実は別球団同士でも励ましあう、たたえ合うことがあったようだ。

またイチローのすごさを身に染みて感じているからこそ、松坂の活躍が衝撃的だったと明かす伊東の言葉には重みがある。「イチロー対松坂」のマッチ結果は、ファンから見ても大事件だった。しかしどうにも対策できないと手をこまねくしかなかった伊東たち現役選手の衝撃は、言葉で言い表せないレベルだったはず。

時代の転換点にもなる衝撃のマッチアップは、もちろん試合を見ていたファンも目にしている。しかし本当の意味でその瞬間のすごさを知っているのは、練習を積み重ねてきた選手たちだ。そうした貴重なマッチに関わった人たちのエピソードが聞ける同番組だけに、今後もさらなる豪華ゲスト登場が待ち遠しい。

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