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映画「十一人の賊軍」監督・白石和彌さん、鞘師里保さんにインタビュー【シュフレボ】

  • 2024.11.6

自分の〝好きなこと〟を真っ直ぐ発信!そんなSHUFU-1ミセスたちが世の中に新たな革命を起こしていく―。そんな壮大なイメージを描くコラム「SHUFU-1 Revolution(シュフレボ)」。

今回のシュフレボは、懸賞・公募で数々の受賞歴をもち、現在はライターとして活動している、SHUFU-1第8期メンバーの岡本優華さん。今回は、11月1に公開される映画「十一人の賊軍」の試写に参加し、監督・白石和彌さん、キャストの鞘師里保さんに制作〜撮影について話をうかがいました。

出典:リビング広島Web

監督・白石和彌さん、キャスト・鞘師里保さんにインタビュー

監督・白石和彌さん

広島を舞台にした、「孤狼の血」を手掛けられている白石監督。2010年『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で長編デビュー。以後『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』『彼女がその名を知らない鳥たち』など受賞作多数。

キャスト・鞘師里保さん

広島県出身。2011年に当時12歳でモーニング娘。9期メンバーとしてデビュー、2015年卒業現在は歌手活動を中心に、ドラマや舞台など幅広く活躍。現在、主演ドラマ「めんつゆひとり飯」がBS 松竹東急にて放送中。

出典:リビング広島Web

映画「十一人の賊軍」の原案は、「仁義なき戦い」シリーズの脚本家・笠原和夫さんが書かれていたプロットです。それをもとに、白石監督が発案され映画制作がスタートしました。

笠原さんの原案から制作するにあたり、日本の映画においてすごく偉大な脚本家ということもあって、プレッシャーもあったそうです。

「それでも、もうこういう映画なので僕も含め、俳優たちと暴れ倒して、今の世の中に一石を投じる映画を作れるといいなという思いです」と白石監督は語ります。

実際のプロットは16ページ。そのプロットに準じて脚本を作りながらも、時代に合わせてラストは大きく変更されたそうです。それが白石監督の「今の世の中に一石を投じる」という言葉につながっています。

また、笠原さんの奥様と一緒に、お墓参りにも行かれたそうです。最初に笠原さんの原案があることを知るきっかけとなった「昭和の劇」(笠原和夫、荒井晴彦、絓秀実共著)の、荒井晴彦さんにも話をしたり、同じ脚本家の金井さんにも「絶対やったほうがいい」と背中を押されたそうです。「色んな人の胸をかりて、思い切ってやるしかない、という感じだった」と白石監督。

1つの作品にかける想いが伝わってきました。

印象的だったこと、注目のシーン セリフにはない、「なつ」の人物像

鞘師さんは、賊軍の罪人のなかでは、男の家に火を付ける「火付け」の罪を犯した女性「なつ」を演じました。「セリフにはなっていないけど、見てほしいところ」として、「なつ」の人物像を挙げました。それは、賊たちとの、特に山田孝之さん演じる「政」との関わり方です。政は信念や女房に対する気持ちがあって、それ故に周りに従えない、という言動や行動を起こします。それを見たなつが政に対してどう思っていたかー。なつは、男に裏切られて火付けという罪を犯しました。その経験があるからこそ、奥さんをとても愛している政をどう思っていたのか、というところも相談しながら人物像をつくられたそうです。

役作りでは、生きている時代が違うなかで、共感できる部分を探されたそうです。「置かれている時代や状況は自分とは違う。でも今まで鞘師さん自身が経験した過去の苦しい経験を、なつを演じることによって救ってあげられるような気がした」と鞘師さん。

出典:リビング広島Web

バラバラだった賊軍が、一つになる瞬間

山田孝之さん演じる、「政」は主人公っぽくない。すぐ逃げるし、足抜けしようとする。ただやっぱり最後の最後で、「いっちょやっちゃいませんか」というシーンがあり。最初はバラバラなことしか考えていなかった賊軍が、チャンスがあるなら、いっちょやっちまおう!という一体感が生まれます。撮影しながら見ていて、「俺もあそこに立ち会いたい!」とゾクゾクしました。俺も(賊軍なら、最後のまとまるシーンを)絶対やりたい!!

このときの白石監督は、それまで一人称が「僕」だったのに、急に「俺」になるくらい、このシーンを熱弁されていて、それほど印象的だったということが伝わってきました。

豪華キャストはこう決まった!キャスティング秘話

 十一人のヒーローだったら、日本の俳優イケメンはたくさんいるから、それこそ(孤狼の血の)松坂桃李でいいじゃないかってなるんですけど(笑)と白石監督。「賊軍」なので、幅広いジャンルで歌舞伎役者の尾上右近さんや、お笑い芸人の千原せいじさんもキャスティング。

そして男性メンバーが決まっていく中で、監督の中では女性キャストのイメージがつきませんでした。そこでキャスティングチームにどんな可能性があるのか、考えてほしいとオーダーを出しました。ノート1ページ分くらい細かく名前が書いてあったところに、鞘師さんの名前があったそうです。鞘師さんのことはもともと監督も知っていたそうです。「会った瞬間一撃、映画監督として一目惚れ」と、このときのことを話します。

白石監督:表現者としていろんなことを表現することが体に染み付いていて、踊っているときも魂を削って踊っている感じがあった。それがすごく伝わってきたし、逆に言うと(魂削るくらいでないと)表現できないんじゃないか。そういうピュアさ、魂の美しさ。賊軍が守っている砦にはこういう人がいる、と思っちゃったんです

一方で鞘師さんはキャスティングされたとき、どう思ったのでしょうか。ご本人にうかがいました。

鞘師さん:本当に偏見ではあるんですけど、「孤狼の血」を始めとした白石監督の作品をみていて。どんな現場になっていくんだろうという気持ちはありました(笑)

でも、監督に初めてお会いしたときに、本当にあんな映画を作っている方なのか、と疑うほどざっくばらんにお話をさせていただきました。とにかくギャップが凄かったです。

現場も撮影のシーンに入るとみんなグッと集中するんですけど、普段は談笑して和気あいあいとした現場でした。みんなで現場を活気づけていこうという前向きな空気感だったので、そういう空気感も白石監督が作ってくれたのかなと。最初の想像は怖かったけど、そういったことも含めて、楽しい現場でした。

白石監督:主演の仲野太賀くんも、繊細なところをすごく表現できる。今までこういうアクションをやっていなかったなかで毛色の違う役、殺陣をやってこれだけ魅せられるというのはすごい。日本を背負うスターにもうなっているんだろうけど、よりなっていくと思います。

山田孝之さんとのタッグは「凶悪」以来。「凶悪」に出てくれた=僕を監督にしてくれた、ということ。この「十一人の賊軍」は僕の総決算であり、リスタートの作品だと思っていたときに、山田さんのストイックに打ち込む感じをもう一度注入してほしかった。それでお願いしました。山田さんはクリエイターとしても活躍していて、懐も深く、頼りがいもある。用意スタートがかかると、やはり昔と何一つ変わらない切れ味でやってくれます。生半可でお願いすると本当火傷するなっていう役者です。

出典:リビング広島Web

撮影は困難の連続?!

 撮影での苦労を聞かれた白石監督。たくさんのエピソードがありました。

まず、スケールの大きい作品なので、1つのシーンに14、5人いるのでそれが大変だったそう。誰が、どこで、どんな表情をしているのか、というのをカットごとで撮影していたので、撮っても撮っても終わらなかったと、撮影を振り返っていました。ほかにも、千葉県の山奥で撮影があったので、外来生物の「キョン」(鹿の仲間)が大量発生していて、鳴き声が入らないようにするために撮影を待ったりなど、見えない苦労があったそうです。

また、この映画のキーにもなってくる「吊り橋」があるのですが、それも一からつくられたそうなので、その点も苦労されたとのことでした。

雨が降るシーンも、大変だったねーと白石監督と鞘師さんは顔を見合わせて話をされていたのが印象的でした。

※ここからはネタバレ注意!作品に関する重要な部分の話です※

世界的に注目される「時代劇」

これからの時代劇について白石監督は「世界から注目される」と明言。海外のディレクターは「なんで侍の映画つくらないの?」と声をかけてくるほどだそう。

白石監督:海外の映画でも、忍者や侍がテーマの作品は続々と生まれている。この「十一人の賊軍」も、映画を作る前から北米の会社が何社も興味をもってくれた。これは現代劇ではありえないこと。日本独自の文化や世界観に興味があることは間違いない。

おまけのエピソード

インタビュー前は、映画のスケールの大きさや、「戦」というテーマの重さもあり、とても緊張して、どんな空気感になるのかそわそわしてしまいました(震)

ですが、白石監督も鞘師さんも談笑しながら、和やかな雰囲気で「お願いします!」と入室されたので安心しました。

インタビューは合同の囲み取材形式で行われ、ライターが順に質問していくという、初めて経験するスタイルだったので、とても緊張しました。ですが、お話を聞いていくうちに、白石監督の作品や携わる人への情熱がとても伝わってきました。鞘師さんも言葉一つ一つを大切に伝えてくださり、お二人の真摯な人柄がとても素敵でした。

出典:リビング広島Web

圧巻のスケールと豪華なキャスト!映画「十一人の賊軍」

本作は俳優の山田孝之さん・仲野太賀さんW主演です。尾上右近さん、佐久本宝さん、千原せいじさん、玉木宏さん、阿部サダヲさんなど、他にもたくさんの豪華キャストが名を連ねます。旧幕府軍と新政府軍が対立した戊辰戦争の折、新潟で起きた歴史的事件を描きます。

映画「十一人の賊軍」公式サイト https://11zokugun.com/

賊軍たちが、雨の中ほとんど落ちかけている吊り橋で命がけで戦う場面、新政府軍・旧幕府軍・新発田藩の駆け引きのシーンも。戦いの行方が最後まで分からず、目が離せない、みどころ満載のストーリーです。

映画「十一人の賊軍」は11月1日(金)公開です。圧巻のスケールで繰り広げられる、賊軍の生き様を、ぜひ劇場でご覧ください。

ヘアメイク イワタユイナ

スタイリスト 藤本大輔

執筆してくれたのは

岡本優華さん(第8回SHUFU-1準グランプリ・やりくり部門)

出典:リビング広島Web

二男の母。広告会社勤務中に文章スキルを磨いた経験を生かし、キャッチコピーや川柳、フォトコンテストにも応募。懸賞は、コツコツ応募することでコツをつかみ、数々の賞品を獲得。

【懸賞】アイリスオーヤマオーブントースター/アイリスオーヤマふとん乾燥機/大野かきフェス牡蠣セット/カープ栗林選手ユニホーム、森浦選手、森選手サインボール その他お菓子、お酒、おつまみ、神戸ビーフ、野菜など

【公募当選】ABBA川柳最優秀賞/adom百香草石鹸キャッチコピー 最優秀賞/女神へ送るラブレター 飛騨市長賞/廿日市市選挙キャッチコピー 採用/たまひよチーム出産育児フォトコン 雑誌掲載/glicoフォトコンテスト グランプリ など他多数

提供:広島リビング新聞社

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