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【中村蒼さんインタビュー】「未来は過去にある」進めなくなったときは振り返ってわずかな光に救われる

  • 2024.10.30

Nakamura Aoi 中村蒼

出典:シティリビングWeb

映画「アイミタガイ」で、主人公・梓の交際相手・澄人を演じる中村蒼さん。“アイミタガイ”とは“相身互い”と書き、誰かを思ってしたことが巡り巡って見知らぬ誰かをも救うという優しい言葉。

「この作品で初めて出会った言葉でしたが、見返りを求めずに誰かを助けることが、自分を助けることにつながるという考え方が美しいと思いました。この映画でも、そんな温かい気持ちが感じられたら嬉しいです」と中村さん。

演じた澄人は、タイミングの悪さがありながらもどこか憎めないキャラクター。「少し抜けているけれど、それだけではなく愛される人物でいることを意識しました。自分もタイミングが悪いところがあり、それが嫌だと思うこともあります…(笑)。澄人はここぞというときに頼りがいがあり、しっかり支えてくれる。そういう男らしさがあるからこそ、梓が彼と一緒にいたいと感じるのだと思います」

撮影現場はまさに“アイミタガイ”だという。「どの仕事もそうだと思いますが、撮影現場はそれがあふれていると思います。自分のセリフは相手のためにあると思うし、自分のために言うのではなくて、相手が行動しやすいように自分のセリフがあると思っています。それはやりがいにもつながるし、うまくいかないときは監督が導いてくれる。照明やカメラマンさんは映像の美しさを考えてくださっている。撮影の最中はいっぱいいっぱいでそこまで考えが及ばないことも多いですが、“アイミタガイ”は周りにあふれてるんだろうなと思いました。作品を見てくださった方にも“アイミタガイ”であることを願っています」

梓のように先に進めなくなってしまったときの自身の乗り越え方について、「“未来は過去にある”ではないですが、未来のことを知りたかったら過去を振り返るのが確実だと感じています。先に進めないけれど、これまでの思い出に救われることもあります。答えはないので、僕自身は、これまでにやってきた仕事や先輩の姿を思い出して、わずかに見える光に救われています」

最後に作品の魅力について、「小さな出来事がつながり、奇跡が起こる温かい物語です。自分も世の中の一部なのだと感じさせてくれます」と語りました。

中村蒼さんの“働く”インフラ

Q.仕事をする上で大切にしていることは?

年を重ねるごとに、いろいろな方のおかげでこの仕事ができているとより気づくようになってきました。先輩の芝居を見て学び、尊敬してああなりたいと感じながら現場にいました。お芝居は技術だけでなく、人間性も反映されるもの。現場に後輩が増えてきたときに、ひとりの人間としてちゃんと生きていないとセリフも響かないものになってしまうと、緊張感を持ちながら活動しています。

Q.今後の展望は?

40代50代と芝居の仕事ができれば万々歳ですが、求められないとお仕事がないので、いつまでも求められる人でありたいと思います。

【Check】

「アイミタガイ」

出典:シティリビングWeb

11月1日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

(C) 2024「アイミタガイ」製作委員会

2013年に刊行された同名小説を映画化。ウェディングプランナーの梓(黒木華)は、交際相手の澄人(中村蒼)との結婚に踏み出せず、亡くなった親友のトーク画面に日々の他愛のない話を送り続ける。ある日、読まれるはずのない送信済みのメッセージに一斉に既読がつき…。

【PROFILE】

1991年生まれ、福岡県出身。2006年、舞台「田園に死す」で俳優デビュー。近年の主な出演作に、連続テレビ小説「エール」「らんまん」、「仮面ライダーBLACK SUN」「ギークス~警察署の変人たち~」など。Apple TV+にて世界配信中の「Pachinko2」にて自身初の海外作品に出演中のほか、毎週火曜22:00にNHK総合で放送中のドラマ「宙わたる教室」に出演中。11月28日(木)より配信のドラマ「【推しの子】」、2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華之夢噺~」への出演が控える

取材・文/高木明日美(シティリビング編集部)

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