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「定年退職はしたものの…」やりたいことが見つからない人がまずすべきこととは?【人生相談】

  • 2024.10.29

特集「人生相談スペシャル」は、読者の相談に3人の先輩(作家・曽野綾子さん、宗教評論家・ひろさちやさん、評論家・樋口恵子さん)が回答する、全8回の連載企画です。第2回は、60代女性の「定年退職後の老後の過ごし方」の悩みに回答します。

60代女性のお悩み「老後の過ごし方がわかりません」

「長年働いてきた職場を定年退職しましたが、生活のあり方、趣味などがなかなか定まりません。読みたい本も、見たいテレビもあまりありません」(65歳・神奈川県)

曽野綾子さん「小さなことでいい、好きなことに挑戦を」

60代女性の人生相談(老後の過ごし方):曽野綾子さんの回答

 私の場合、何歳であろうと興味のあることしかできませんし、できないことはずっとできないんです。この方も65歳になる前からそうなのではないですか。

私は日々、「この引き出しを片付付けよう」と決めてできたら成功、食べたいと思っていた料理を作れたら大成功の一日と思っています。

この方は理想が高いのかもしれませんね。今は本は何万点と出版され、テレビ番組も種類豊富で自由に契約できる時代。好きなものが何もないなんてことはないはずですよ。

ひろさちやさん「人生終盤はいい加減に生きるチャンス」

60代女性の人生相談(老後の過ごし方):ひろさちやさんの回答

今の日本人はあくせく、イライラ、がつがつと生きています。仏教には「中道(ちゅうどう)」という言葉があり、私はのんびり、ゆったり、ほどほどに、いい加減に生きることだと思っています。

この方は、人生終盤に「中道」ということを考えるチャンスを与えていただいたのではないでしょうか。

お釈迦様は一生懸命張りつめて修行している弟子に「琴は糸を張りつめると切れて音が出ない。ゆったりやりなさい」と伝えたと言います。あなたのいい加減を見つけましょう。

樋口恵子さん「ゆっくり休んだら、何か始めてみましょう」

60代女性の人生相談(老後の過ごし方):樋口恵子さんの回答

今まで一生懸命働いてきたんでしょう。しばらくゆっくり休んで、ぼーっと過ごされたらいかがですか。

ただ、昔の65歳と違うのは、その後の人生が30年あるということ。

カルチャーセンターで講座を受けてみるのもいいでしょう。

自治体の広報紙には無料の講座や求人が載っていたりもします。そこからNPOの求人に応募してキャリアを積んでいる人や、シルバー人材センターに登録して働き始めた人もいます。少しゆっくり休んだら、何か始めてみましょう。

■回答者のプロフィール

曽野綾子さん

回答者のプロフィール 曽野綾子さん

その・あやこ 作家。1931(昭和6)年、東京都生まれ。54年、聖心女子大学英文科卒業。93年、恩賜賞、日本芸術院賞を受賞、日本芸術院会員に。95年、日本放送協会放送文化賞受賞。2003年、文化功労者。12年、菊池寛賞受賞。95年から05年まで日本財団会長を務める。『孤独の特権』(ポプラ社刊)など著書多数。

ひろさちやさん

回答者のプロフィール ひろさちやさん

宗教評論家。1936(昭和11)年、大阪府生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒業。同大学院人文科学研究科印度哲学専攻博士課程修了。気象大学校教授、大正大学客員教授を経て、執筆活動、講演活動を続ける。難解な宗教思想をやさしく平易な言葉で解く。『生き方、ちょっと変えてみよう』(佼成出版社刊)など著書多数。

樋口恵子さん

回答者のプロフィール 樋口恵子さん

ひぐち・けいこ 評論家。1932(昭和7)年、東京都生まれ。56年、東京大学文学部美術史学科卒業。評論家。東京家政大学名誉教授。NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長。現在も講演、執筆活動を精力的に行っている。『老~い、どん! あなたにも「ヨタヘロ期」がやってくる』(婦人之友社刊)など著書多数。

取材・文=野田有香(ハルメク編集部) 撮影=中西裕人、門間新弥

※この記事は雑誌「ハルメク」2020年5月号に掲載した記事を再編集しています。

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