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磯村勇斗──「自分の心を枯らさないこと。それが僕個人の目標」【THE ONES TO WATCH 2024 vol.3】

  • 2024.10.29

「テギョンさんがパートナーで本当によかった」

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第二章の始まり──デビュー10周年を迎えた磯村勇斗は、自らの現在をこう表現する。2023年から今年にかけて日本アカデミー賞やエランドール賞など、国内の各賞を総なめ。そしてオク・テギョンとのW主演によるNetf lixシリーズ「ソウルメイト」の制作が発表されるなど、その活躍はさらなる広がりを見せている。「東京から始まり、ソウル、ベルリンへと移りながら、約 5カ月半にわたり『ソウルメイト』の撮影をしました。約半数が現地のスタッフで、コミュニケーションや撮影スタイルにおいても新しい発見がありました。例えばテギョンさんも、感じたことや意見を率直に伝えてくれる。でもそれが決して嫌な言い方ではなく、現場を和ませてくれるので、僕も落ち着いていられたんです。テギョンさんがパートナーで本当によかったです。言葉の壁があっても、自分の考えを伝えようとしないと、コミュニケーションは成立しないと痛感する現場でした。日本で培ったものを大切にしながら、自分らしいスタイルを築いていきたいと思っています」

作品ごとに大きく印象を変えるカメレオン俳優としての魅力を持つ磯村だが、ターニングポイントになった作品は4つあると話す。「一つは『仮面ライダーゴースト』。デビューしてすぐにいただいた役です。次に連続テレビ小説『ひよっこ』は、全国の方に自分を知っていただける機会になりました。藤井道人監督の『ヤクザと家族 The Family』は映画の世界に本格的に入るきっかけとなり、昨年公開の映画『月』では、石井裕也監督に改めて芝居の難しさや面白さを教えていただきました」

「俳優は、一枚の白紙であるべきだと思っています」

石井監督にかけられた言葉は、俳優としての自分の強みでもあるという。「“普通”が磯村くんの良さだ、と言っていただいたのですが、それは僕自身が意識してきたことでもあります。10代の頃は、ギラギラした自分がカッコいいと思い、ワックスをバリバリにつけて気張っていたこともありました(笑)。ですが、朝ドラのときに、そのカッコつけている部分を指摘されたんです。これまで染み付いていた発声や佇まいの癖を見直す中で、“カッコよく”しないことの大切さに気付かされました。さまざまな役になりきるためにも、普段はなるべくニュートラルでいることが大事。俳優は、一枚の白紙であるべきだと思っています」

俳優をしていてよかったと思う瞬間は「役名で呼ばれること」と即答するほど、彼の演技への愛は深い。「磯村勇斗は知らないけれど、ムッチ先輩やヤンキーの相良は知っている。それでいいと思うんです。それが多分自分の良さだと思いますし、役者をやる上で、とてもうれしいアンサーだと感じています」

中学生の頃、全校生徒の前で友人と制作したショートフィルムを上映し、拍手をもらったことが俳優を志すきっかけになった磯村にとって、演じることは一つの使命のようなものだ。「いつの間にか演技に興味を持ち、好きになり、そこから逃げられなくなった。演じることで誰かを救えることもあるかもしれないし、僕はもう芝居をやめられない。一種の中毒ですね」

飛躍的な活躍を続ける磯村に、今後の目標を尋ねた。「俳優としては、これまでの10年を武器にしながら、海外での活動も視野に入れていきたい。そして最終的には、日本のエンターテインメントが、より豊かになるための一助になりたいです。先輩方が開拓してくださった海外への道を、僕も次世代に渡していけるような存在になれたらと願っています。プライベートは、とにかく楽しめていればいいですね。自分の心を大切にしないと、いつか枯れてしまう。自分の心を枯らさないこと。それが僕個人の目標かもしれません」

Profile

磯村勇斗

1992年、静岡県生まれ。2023年からデビュー10周年を迎えた今年にかけて、報知映画賞助演男優賞や第47回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、キネマ旬報ベスト・テンの助演男優賞、エランドール賞「新人賞(TVガイド賞)」、など国内の各賞をほぼ総なめに。2024年は好演が話題となったドラマ「不適切にもほどがある!」に加え、数々の映画に出演。制作中のNetf lixシリーズ「ソウルメイト」では、オク・テギョンとともにW主演を務めている。

問い合わせ先/コム デ ギャルソン 03-3486-7611

Photos: Teruo Horikoshi Styling: Tom Kasai Hair & Makeup: Tomokatsu Sato Text: Airi Nakano Editors: Yaka Matsumoto, Rieko Shibazaki

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