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ゆりやんレトリィバァ──「昔は“見返したい”、今は“楽しく生きたい”気持ちが原動力」【THE ONES TO WATCH 2024 vol.5】

  • 2024.10.29

「今まで破れなかった殻を破れたことは何ものにも替えがたい」

ドレス ¥58,100(参考価格)/MAISON YOSHIKI PARIS(メゾン ヨシキ パリ)
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R-1のタイトルを獲得してピン芸人の頂点に立っただけでなく、役者やラッパーとしても活動するゆりやんレトリィバァがまたひとつ「極悪女王」という勲章を手にした。1980年代に活躍したプロレスラー、ダンプ松本を描いた本作の評価は高く、主人公を演じた彼女への賞賛が止まない。「アメリカで活躍する足掛かりにしたいという自己中心的で浅はかな理由でオーディションを受けたのですが、今では『極悪女王』に出ていなかった自分を想像するのが怖いくらい大きな経験になりました。偉大な生き方をした10代〜20代の女性たちの存在を知ることができてとても勇気をもらいました。今までの私はお芝居やコントをやるとき、例えば怒る役だったら怒ったフリをしていたと思うんです。でも白石和彌監督の『命を燃やそう』という言葉のもと、キャストの皆さんと目と目を合わせてお芝居をするなかで、これまで湧いてこなかった感情が湧いてきました。覚悟を決めてダンプ松本として生きていたダンプさんを演じるには、怖さや恥ずかしさを捨てて感情を振り切ることが不可欠でした。撮影を通して今まで破れなかった殻を破れたことは何ものにも替えがたいです」

以前より、「芸人としてアメリカで活躍しながらアカデミー賞を取りたい」と口にしてきた。『ウケたらうれしい』という気持ちで言っていたところもあったんですが、今では、俳優の方々へのリスペクトが増すとともに、恐れ多くも『本当に(賞を)取れるように頑張ろう』という気持ちになりました」

「高い壁を感じないと逆に楽しくないんです」

Awichの楽曲「Bad Bitch 美学 Remix」にフィーチャーされるなど、次々と新しい挑戦を続ける。マルチな活躍はキャリア初期から想像していたのだろうか。「芸人になった当初は、『私が私が』というふうに前に出る気持ちがあったというよりは、知ってくれてる人がいるくらいのポジションが良いと思っていたのですが、『極悪女王』をはじめ想像していなかったようなことをやらせていただく中で楽しさが増してきて、もっといろいろなことがやりたいと思うようになりました。異ジャンルの方々とご一緒できることが楽しいですし、人生の広がりを感じます。街でも『あいつ、ゆりやんじゃん』という感じだったのが、最近では、『ゆりやんさん! マジでラップ聴いてます!』と敬語を使ってもらえるようになったのがうれしいです(笑)。昔は『見返したい』という気持ちが原動力だったのですが、今は『これもやってあれもやって楽しく生きたい』という気持ちが原動力。最近、映画の監督という仕事を始めて悩むことや辛いことや泣くことが多いのですが、それも含めて楽しい。高い壁を感じないと逆に楽しくないんです」

「この仕事には際限がない」という信念は幼少期の経験から生まれた。「昔から『無理だ』と思ったら本当に無理になってしまうからもったいないと思っています。9歳のときの私はひとりだけ鉄棒の前回りができなかったんですが、たくさん練習してできたときに、『人間って〝できる〞って思い込んだらできないことはないんだ』と確信しました。その後、芸人に憧れたときも『無理かもしれない』と思わずに、ピュアな気持ちで『なれる』と信じ続けました」

12月からは念願のアメリカでの生活をスタートさせる。「『私が出ていた『極悪女王』を観ましたか?』と言って、自分がコメディアンでありアクターでありアーティストでありシンガーでありラッパーであるということをアピールします(笑)。『できない』と思わずにやりたいことを全部やろうという気持ちが大事かなと。Everything’s gonna be perfect. Everything’s gonnabe interesting, funny and beautiful!」

Profile

ゆりやんレトリィバァ

1990年、奈良県生まれ。2013年、大阪NSCを首席で卒業、2017年、「女芸人No.1決定戦THE W」優勝。2019年、「アメリカズ・ゴット・タレント」出場。2021年、「R-1グランプリ2021」優勝。2023年、「Awich, NENE, LANA, MaRI, AI & YURIYAN RETRIEVER -Bad B*tch 美学 Remix」でラッパーとしての存在感を放つ。2024年、Netf lixシリーズ「極悪女王」でダンプ松本役を演じ、話題を呼ぶ。2024年12月からアメリカに拠点を移す予定。

問い合わせ先/メゾン ヨシキ パリ www.maisonyoshikiparis.com

Photos: Ibuki Yamaguchi Styling: Shizuka Yoshida Hair & Makeup: Tomoko Okada at Tron Text: Kaori Komatsu Editors: Yaka Matsumoto, Rieko Shibazaki

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