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ハローキティ──「みんなの何気ない日常に寄り添い続けたい」【THE ONES TO WATCH 2024 vol.6】

  • 2024.10.29

ダブレット(doublet)の井野将之による世界に一着だけのドレスをまとって

今回、ハローキティがまとうスペシャルルックのデザイン・制作を手がけたダブレットのデザイナー、井野将之は、「もともとイラストのキティちゃんになじみがあったので、キティちゃんが実際に着用する服をデザインするにあたり、2次元(2D)のリボンを使い、3次元のキティちゃんが着る2.5次元の表現を試みました」と語る。ヘッドドレス(リボン) ドレスともに参考商品/ともにDOUBLET(エンケル)©’24 SANRIO 著作(株)サンリオ
今回、ハローキティがまとうスペシャルルックのデザイン・制作を手がけたダブレットのデザイナー、井野将之は、「もともとイラストのキティちゃんになじみがあったので、キティちゃんが実際に着用する服をデザインするにあたり、2次元(2D)のリボンを使い、3次元のキティちゃんが着る2.5次元の表現を試みました」と語る。ヘッドドレス(リボン) ドレスともに参考商品/ともにDOUBLET(エンケル)©’24 SANRIO 著作(株)サンリオ

ダブレット(doublet)の井野将之による世界に一着だけのオートクチュールドレスを身にまとい登場したのは、今年50周年を迎えた日本が誇るグローバルアイコンのハローキティ。赤いニットの2Dリボンが300個あしらわれたドレス姿のハローキティが、同じく赤をシンボルカラーとする東京タワーで、シャッター音に合わせて軽やかにポーズを決める。そんなハローキティの姿や仕草を目にするだけで、通りすがりの観光客にも、撮影スタッフにも自然と笑顔が広がる。

©’24 SANRIO 著作(株)サンリオ
©’24 SANRIO 著作(株)サンリオ

サンリオの企業理念でもある「みんななかよく」のメッセージを軸に、国境や性別、年齢、文化的な背景を問わず、従来のキャラクターのイメージを超えて活動してきたハローキティが社会において果たしてきた役割は大きい。「思いやり」を体現し、他者を尊重する価値観を伝え、世界を優しさで包み込むハローキティは、社会の中で共感やつながりを生み出す平和の象徴でもあるのだ。多岐にわたって社会貢献活動にも参加してきた。1994年に日本ユニセフ協会の子供親善使節に就任。最近では国連と協力し、SDGs応援活動ビデオシリーズ「#HelloGlobalGoals」をリリースしたりもしている。

ハローキティが世界中で愛される理由

©’24 SANRIO 著作(株)サンリオ
©’24 SANRIO 著作(株)サンリオ

ハローキティの表情について、サンリオの月刊機関紙「いちご新聞」(2018年2月号)に掲載された“いちごの王さま”からの有名なメッセージがある。「キティちゃんにはお口が描かれていませんね。どうしてなんでしょう? 目や耳やお鼻はあるのに、お口が描かれていない……。それには理由があるのです。実はそこには、やさしさや思いやりは口(言葉)で言うだけではなく、態度で示しましょう! というメッセージが込められているのです。困っている人には、相手の気持ちになって自ら進んで手を差し伸べて助けてあげることが必要だと、キティちゃんは私たちにそっと教えてくれているのです」

「世界中のお友だちみんなが笑顔になって、なかよしの輪が広がっていったら、とってもうれしいです♡」

©’24 SANRIO 著作(株)サンリオ
©’24 SANRIO 著作(株)サンリオ

ハローキティのまっすぐな愛は人々をつなぐ架け橋となる。そして、それこそが世界中で愛され続けるゆえんなのだろう。「キティはいつも『みんなとなかよくなりたい』という思いでいろんなことにチャレンジしています! 世界中のお友だちみんなが笑顔になって、なかよしの輪が広がっていったら、とってもうれしいです♡」

また、アイコニックなフィギュアで多様なグッズ展開をはかるハローキティは、若者カルチャーにも大きな影響を与えてきた。ご当地キティシリーズやコラボレーションも数知れず。90年代にギャル文化が流行していた時期には、こだわりの小麦肌にカラフルな服装やアクセサリーを着用したスタイルで「日焼けキティ」として親しまれたのも記憶に新しい。「みんなが楽しんでいることを、キティも真似して取り入れたりしているの♪新しいことにチャレンジするのはいつもドキドキするけれど、そのおかげで新しいお友だちに出会えて、みんなの笑顔を見ることができるから、『やってみてよかったなあ』って思うんです。コギャルファッションをしてみたときも、キティに似合うかなって心配だったけど、みんなと〝おそろい〞にできたことが、とってもうれしかったです♡」

©’24 SANRIO 著作(株)サンリオ
©’24 SANRIO 著作(株)サンリオ

50周年のテーマ「未来と友だちになろう。」には、「これからもみんなの“何気ない幸せを感じる日常”に寄り添い続けたい」という思いが込められている。「キティはこれからもずっと、みんなのそばで、なんでも話せるお友だちでいられたらいいなって思うんです。そして、世界中のみんなの未来がもっともっとハッピーになるように、キティはこれからも新しいことにた〜くさんチャレンジしていきたいです!」

Profile

ハローキティ

11月1日、イギリスのロンドン郊外生まれ。名前はキティ・ホワイト。身長はりんご5個分。体重はりんご3個分。明るくてやさしい女のコ。得意科目は音楽と英語。好きな食べ物はママが作ったアップルパイ。クッキー作りやピアノを弾くことが大好きで、将来の夢はピアニストか詩人。

誕生日の11月1日から、ハローキティの50周年を記念した企画展「Hello Kitty展 ──わたしが変わるとキティも変わる──」(~2025年2月24日、東京国立博物館 表慶館)が開催。

問い合わせ先/エンケル 03-6812-9897

Photos: Ittetsu Matsuoka Styling: doublet Text: Mina Oba Editors: Yaka Matsumoto, Rieko Shibazaki

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