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伊藤沙莉──「2024年は、『虎に翼』という作品との出合いを筆頭に、明確な財産を手にできた年です」【THE ONES TO WATCH 2024 vol.1】

  • 2024.10.29

「30歳になって『自分にもっと優しくしよう』という気持ちが強くなっています」

シャツ ¥181,500 上に重ねたシャツ ¥440,000 スカート ¥544,500 ソックス ¥57,200 ブーツ ¥280,500(すべて予定価格)/すべてMIU MIU(ミュウミュウ クライアントサービス) リング(右手人さし指) ¥1,012,000/TIFFANY & CO.(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)
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NHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」の主人公、佐田寅子を演じきり、多くの人に考える勇気と希望を与えた。「2024年は『虎に翼』という作品との出合いを筆頭に、明確な財産を手にできた年です。今年の5月に30歳になったのですが、以前は、『30歳になったらいよいよしっかりとした大人にならなければいけない』と構えていたところがありました。私はそもそも小さなことでかなり悩んでしまうタイプなのですが、『虎に翼』は、『そのままのあなたでいい』というメッセージを宿した作品であり、現場の方々からもそういった意識を感じ続けたことが大きかったからなのか、撮影現場で何かを繕った感覚がなく、無理に頑張ったり、変に悩んだりしなくていいと思えた作品でもありました。30歳になって数カ月経ちましたが、以前より肩の力が抜けて『自分が興味のあるものを大切にしよう』『自分にもっと優しくしよう』という気持ちが強くなっています」

「虎に翼」での経験は、役者・伊藤沙莉をさらに進化させそうだ。「役者は豊かな想像力が必要とされる仕事ではありますが、想像力だけではどうしても補えない部分があります。でも、一人の人物の人生を長い時間をかけて丁寧に演じることができる朝ドラだからこそ、実感できたことがあるんです。例えば、寅子の中で戦病死した夫である優三さんがちゃんと生き続けているのは、初期の馴れ初めや二人で共有した幸せな時間があったからだということが、それらのシーンを実際に演じてきたからこそ、実感として理解できる。作品中に挟み込まれる回想シーンも自分が演じたものなので、優三さんの名前を聞いたり、もらったお守りを見るだけで、意図せずとも涙が出てきてしまう。今後の作品では、この『虎に翼』で得た感覚を自分の想像力に反映させ、『きっとこういう時間もあったんだろうな』ということを明確に脳裏に浮き上がらせることができるようにしたいです。この感覚を自分の“武器”として扱うことができるようになったら、もっと自信が持てるようになると思っています」

「役を理解しないと演じる際に出た音が嘘になる」

子役からキャリアをスタートさせ、30歳にして約21年の芸歴を持つ。「私は小さい頃から作品や演じた役、そのとき興味のあることにすぐに影響されて、次から次へとなりたい職業が移り変わるタイプでした。役者は〝何にでもなれる〞のでそんな自分にとてもフィットしている仕事だと思います」

寅子を演じたことで、役者という職業に対して思いを新たにした。「疑似体験だとしても一人の人生を生きるのはとんでもないこと。娘の優未役を演じた方がクランクアップする際に『お母さんの子でよかった』と言ってくれたのですが、私自身が育てたわけではないのに、まるで子育てが終わったような気持ちになって大きく感情が揺さぶられました。役を通じて実生活では味わったことのない感覚が味わえますし、実生活で味わった感覚をお芝居に生かせるという相互作用があります。何年やっても演じることへの興味は尽きません。新たな役に出合うと、この役をどう生きるかということが楽しみになりますし、役と自分が乖離する瞬間も楽しいんです。自分とは違う存在にどう寄り添うか。役を理解しないと演じる際に出た音が嘘になる。自分と役の関係性を築いていくのも楽しくて、毎回役が愛おしくなります」「今後演じてみたい役は?」と聞くと、にこやかな表情を浮かべ、「愛せないくらい全く理解できない役を演じてみたい」と答えた。「私個人は愛することが不得意なタイプではありません。なので、そういった役を演じることは自分にとって大きな挑戦になると思っています」

Profile

伊藤沙莉

1994年、千葉県生まれ。2003年、子役としてデビュー。主な出演作に、映画『ちょっと思い出しただけ』『すずめの戸締まり』『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』、ドラマ「ミステリと言う勿れ」「ももさんと7人のパパゲーノ」「シッコウ!! ~犬と私と執行官~」など。2024年度前期の連続テレビ小説「虎に翼」で主人公の佐田寅子を演じた。

問い合わせ先/ミュウミュウ クライアントサービス 0120-45-1993

ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク 0120-488-712

Photos: Teruo Horikoshi Styling: Akane Yoshida Hair & Makeup: Aiko Okazawa Text: Kaori Komatsu Editors: Yaka Matsumoto, Rieko Shibazaki

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