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役所広司の主演作では意外にも18年ぶり?『八犬伝』が動員ランキング初登場1位を獲得!

  • 2024.10.28

10月25日から10月27日までの全国映画動員ランキングが発表。日本のファンタジー小説の原点ともいわれる「南総里見八犬伝」を下敷きにした山田風太郎の同名小説を、役所広司主演で映画化した『八犬伝』(公開中)が、見事に初登場でNo. 1に輝いた。

【写真を見る】“カンヌ俳優”役所広司が特殊メイクで江戸時代の人気作家・滝沢馬琴を演じ抜く!

ダイナミックなVFXで「八犬伝」と滝沢馬琴の物語が交錯!

実写版「鋼の錬金術師」の曽利文彦監督のもと、豪華キャストが勢ぞろい [c]2024 『八犬伝』FILM PARTNERS.
実写版「鋼の錬金術師」の曽利文彦監督のもと、豪華キャストが勢ぞろい [c]2024 『八犬伝』FILM PARTNERS.

全国362の劇場で公開された『八犬伝』の初日から3日間の成績は、観客動員12万5748人、興行収入1億6808万7160円。日曜日に行われた公開記念舞台挨拶は、上映劇場の大半を占める336の劇場でライブビューイングが行われるなど全国的な盛況ぶり。配給のキノフィルムズによれば、同社の設立以来初の動員ランキング1位スタートとなったようだ。

里見家の呪いを解くために8つの珠に引き寄せられた8人の剣士たちを描く「八犬伝」の世界観と、それを生みだした原作者である滝沢馬琴にまつわる実話パートが交錯する本作。「鋼の錬金術師」シリーズなどを手掛けた曽利文彦監督の十八番ともいえるダイナミックなVFXが見どころのひとつとなり、役所をはじめ、内野聖陽、土屋太鳳、渡邊圭祐、板垣李光人、水上恒司と、豪華キャストが勢ぞろい。

【写真を見る】“カンヌ俳優”役所広司が特殊メイクで江戸時代の人気作家・滝沢馬琴を演じ抜く! [c]2024 『八犬伝』FILM PARTNERS.
【写真を見る】“カンヌ俳優”役所広司が特殊メイクで江戸時代の人気作家・滝沢馬琴を演じ抜く! [c]2024 『八犬伝』FILM PARTNERS.

そのなかでも取り上げるべきは、やはり主演の役所についてであろう。昨年、ヴィム・ヴェンダース監督がメガホンをとった『PERFECT DAYS』(23)で日本人俳優として史上2人目のカンヌ国際映画祭男優賞に輝いた、言わずと知れた国民的俳優のひとりである役所。作品のタイプは異なるけれど、同作以来の主演作として公開前から大きな注目を集めていたことはいうまでもない。

先述の公開記念舞台挨拶に登壇した際、役所は「あまりNo.1の映画には出たことがないので感動しています」と語っていたが、調べてみると意外なことに、役所の主演作が動員ランキングでNo. 1を飾るのはかなり久しぶりのこと。オープニングクレジットで最初に名前が出るオールスター映画『清洲会議』(13)を主演作としてカウントするならば11年ぶりだが、はっきりと“主演”と銘打たれた作品では『THE 有頂天ホテル』(06)以来18年ぶり。それもまたオールスター映画ではあったのだが。

役所演じる滝沢馬琴の創作への執念と壮絶な反省に涙する観客が続出 [c]2024 『八犬伝』FILM PARTNERS.
役所演じる滝沢馬琴の創作への執念と壮絶な反省に涙する観客が続出 [c]2024 『八犬伝』FILM PARTNERS.

時代劇からコメディやヒューマンドラマ、さらにはアウトローな刑事役を演じたバイオレンスなど、多岐にわたるジャンルの作品でさまざまな顔を見せてきた役所。国際的な評価を得たこのタイミングで、堂々たる主演映画が動員ランキングの首位をゲットしたとなれば、彼の役者としての地位はいま以上に盤石のものとなるだろう。まずは今回の『八犬伝』が、ヒットの目安となる興収10億円に到達できるかどうか、大いに注目したい。

『劇場版 ACMA:GAME』は4位スタート!

公開3週目を迎えた『室井慎次 敗れざる者』(公開中)は週末3日間で動員8万9700人、興収1億2900万円を記録し2位に。累計成績は動員80万人&興収11億円を突破。後編の『室井慎次 生き続ける者』(11月15日公開)は、11月8日(金)から3日間限定で先行上映が行われることが決定しており、それが前編の成績にどう影響してくるのだろうか。

テレビドラマの放送終了から4ヶ月での公開となった『劇場版 ACMA:GAME』 [c]2024 劇場版『ACMA:GAME』製作委員会 [c]メーブ・恵広史/講談社
テレビドラマの放送終了から4ヶ月での公開となった『劇場版 ACMA:GAME』 [c]2024 劇場版『ACMA:GAME』製作委員会 [c]メーブ・恵広史/講談社

今週は『八犬伝』以外にも4つの新作タイトルが一挙にランクイン。4位に初登場を果たしたのは、「週刊少年マガジン」に連載された大ヒットコミックを、間宮祥太朗主演で実写化したテレビドラマの続きが描かれる『劇場版 ACMA:GAME アクマゲーム 最後の鍵』(公開中)。初日から3日間で動員4万5700人、興収6300万円を記録している。

コロナ禍以降急激に増え、そのブームがまだ続いているテレビドラマの劇場版化。ドラマ版の成功を受けて劇場版が製作されるケースがほとんどではあるが、本作の場合はテレビドラマ化と同時進行で劇場版が作られたという、シリーズものを除くプライムタイム帯のドラマとしては少々珍しいパターン。その結果、4月期にドラマ版が放送され、放送終了から4ヶ月でのスピード公開。今後のテレビドラマと映画の連動性をうらなうモデルケースとして、今後の推移を見守っておきたいところだ。

日向坂46の4期生総出演の『ゼンブ・オブ・トーキョー』 [c]2024映画「ゼンブ・オブ・トーキョー」製作委員会
日向坂46の4期生総出演の『ゼンブ・オブ・トーキョー』 [c]2024映画「ゼンブ・オブ・トーキョー」製作委員会

8位にはアイドルグループ「日向坂46」の4期生11人が総出演を果たした青春群像劇『ゼンブ・オブ・トーキョー』(公開中)が、9位には実写映画やテレビドラマ化もされた名作青春小説をアニメーション映画化した『がんばっていきまっしょい』(公開中)が初登場。そしてM.ナイト・シャマラン監督がジョシュ・ハートネットを主演に迎えた『トラップ』(公開中)は10位にランクインしている。

以下は、1~10位までのランキング(10月25日〜10月27日)

1位『八犬伝』

2位『室井慎次 敗れざる者』

3位『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』

4位『劇場版ACMA:GAME アクマゲーム 最後の鍵』

5位『ラストマイル』

6位『侍タイムスリッパー』

7位『JUNG KOOK: I AM STILL』

8位『ゼンブ・オブ・トーキョー』

9位『がんばっていきまっしょい』

10位『トラップ』

今週末は、マーベル・コミックでスパイダーマンの宿敵として知られるヴェノムを主人公にした「ヴェノム」シリーズの最終章『ヴェノム:ザ・ラストダンス』(11月1日公開)、「孤狼の血」シリーズの白石和彌監督が戊辰戦争の最中に起きた歴史的事件を描く『十一人の賊軍』(11月1日公開)などが控えている。

文/久保田 和馬

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