Text by 佐伯洋(編集部)
フランス1部スタッド・ランスに加入して2シーズン目を迎えている日本代表MF中村敬斗(24)。
前所属のオーストリア1部LASKでは得点を量産したが、フランス初年度となった昨季は目立った結果を残せず。
しかし、真夏の日本ツアーを経て開幕した今季は現在5試合連続ゴールを記録しており、チームメイトのFW伊東純也(31)とともに好調のチームを牽引している。
25日には翌日ホームで行われるブレスト戦の前日会見に出席し、現地記者からのさまざまな質問に答えた。
――前節オセール戦の敗戦(1-2●)について
「オセールのほうが勝ちたいという気持ちがおそらく強かったのかなという部分と、気持ちの部分で負けてしまっていたと個人的には感じていて。前回の敗戦があるから、また気持ちを引き締めて次の試合に臨めると思うので頑張りたいです」
――長旅から帰ってきての試合だった。精神的・肉体的な疲れはないか。
「もちろんないといったら嘘になりますけど、そういう中で戦っている選手も多いので。代表に行った・行かないは関係なく、試合に出たからにはベストのパフォーマンスを発揮するべきかなと思います」
――ホームのブレスト戦はチームとしてリベンジになるか。
「ホームでは今シーズン開幕戦には負けましたけど、かなり良い調子だと思います。前回は敗戦(※)しましたが、ホームというアドバンテージがあるのでしっかりと雰囲気から作って勝ちたいです」
(※)先週末のオセール戦のことかは不明。ブレストには昨季ホームで1-2と敗れている
――現在5試合連続ゴール中。去年に比べて何が変わったのか。
「特にこれと言って個人的に変えたことはないですけど、昨シーズンの終盤からちょっとずつフランスリーグにアダプト(適応)してきた感じがあって。それが今シーズンこういう良い形につながっていると思います」
――中村選手を見ていて去年より自信を感じる。
「コンスタントに試合に出られていますし、そういった中で結果も残せているので試合ごとに自信が増してきていますね」
――加入後フィットに時間がかかった。試合に慣れるのが大変だったのか、ランスの環境に苦労したのか。
「ランスのチームには早い段階でフィットできたと思うんですけど、フランスリーグやフランスのサッカーという部分にアダプトするのに少し時間がかかったような感じがします」
――フランス・リーグアンとオーストリア・ブンデスリーガの違いは?
「もちろんオーストリアリーグからフランスリーグにステップアップしてきて、よりレベルの高いところでサッカーしているので時間は必要でした。
大きな違いでいうと、ウィンガーとしては個で仕掛ける部分が必要になりました。そういう部分は少しずつできるようになっているのでもっともっと発揮したいです」
――優れた得点感覚は昔から備えていたのか。
「そうですね。自分の一番の武器はゴール前で、ペナルティーエリア・ボックス付近でのクオリティーには自信を持っているので。そういうところも得点につながってくる…昔からこういう部分は得意だったと思います」
――いま5得点だがシーズンを通して目標は。
「あまり自分で『何点取りたい』とかは言わないようにしているというか、個人的にも『何点取りたい』というのはないので。取れるだけ取ってそれがチームの勝利に少しでもつながればいいかなと思います」
――少し年齢が離れているが伊東純也選手との関係は?
「一言でいうと親友みたいな感じですね」
――彼のおかげでフィットができた部分はあるのか。
「もちろんもちろん」
――スタッド・ランスは昨シーズンよりいい成績を残せるか。
「絶対。チームとしても目標としているので必ずそうしたいです」
――日本でスタッド・ランスの知名度が上がっている。
「そうですね。僕がっていうよりかは…伊東純也選手がいるチームに入ってきて、伊東選手は代表ですごく中心的な選手なので。そういった意味でも日本のファンが増えてきていると思います」
――今夏の日本ツアーについて。
「ものすごくプラスなことだと思いますし、実際それによっていいスタート…先週負けちゃいましたけどチームとしてシーズンをいいスタートができているので。プレシーズンが良かったということになるんじゃないかと思います」
――日本の記者も増えているが、昨年と比べての注目度が上がっていることを実感しているか。
「そうですね。でも僕自身日本にいるわけではないので注目度がどれだけ上がっているかはわからないですけど、放送があるので良いことだなと思います」
近年ヨーロッパの多くのチームが夏に日本でプレシーズンツアーを行っているが、長距離移動や酷暑といった厳しい環境によりツアー自体を疑問視する声もある。
ただ中村は、日本ツアーで4試合を戦ったスタッド・ランスがシーズン開幕から好調なこともあり「ものすごくプラスなこと」と話していた。