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余った牛乳が生まれ変わる!旬のフルーツと味わう"リコッタチーズ風"

  • 2024.10.26

料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。前回に続き、お題は飲みきれない“牛乳”。そんなときは、自家製チーズに挑戦してみませんか?

余った牛乳が生まれ変わる!旬のフルーツと味わう"リコッタチーズ風"

■1リットルパックの牛乳が残ったら……

今回、教えてもらうのは、1リットルパックの牛乳が多めに余っているときにおすすめのレシピ。一気にたっぷり使い切りたいときにぴったりなのが、自家製チーズだ。実は尾身さん、中学生のときに初めてチーズづくりに挑戦したのだそう。

「自分で買ったお料理の本に、“カッテージチーズ”のレシピがのっていたんです。自分でつくれるなんて!とワクワクしてつくってみたら、出来上がったのは見たこともないチーズ!当時は、プロセスチーズくらいしかなかったので。でも、こういうチーズもあるんだって、発見でした」

好奇心旺盛な尾身さんらしい、ほほえましいエピソード!実は、今回教わるチーズも、“カッテージチーズ”とほぼ同じつくり方。イタリアでおなじみのチーズの味わいをめざした“リコッタチーズ風”である。

もともとリコッタチーズは、チーズ製造時に出てきたホエー(乳清)を加熱して、固めてつくられるもの。「リコッタ」は「二度煮る」という意味で、牛乳を余すところなく使い切る、まさに“フードロサない”チーズなのだ。

尾身さん
尾身さん

■レモンとタイムの香りをきかせて

自家製チーズと聞くと難易度が高そうだが、“リコッタチーズ風”は発酵させないので、とっても手軽。牛乳を温めてレモン汁を加えると、酸のはたらきでたんぱく質がモロモロと固まってくる。これを漉して、残った固形分がチーズになる。

「酢を加えても同じように酸のはたらきで固まりますが、レモン汁を使うとさわやかな味わいが楽しめます。また、牛乳を温めるときにタイムを加えるのもポイント。香りのいいチーズになるんですよ」

出来上がったチーズをきりっと冷やして味わってみると、ミルキーでまろやか、なめらか!このフレッシュなおいしさは、出来立てならでは。フルーツや生ハムと一緒に盛り合わせるだけで、ワインにぴったりの洒落た一皿になる。特にフルーツの種類も豊富な秋は、ぶどうやいちじくのほか、柿などもよく合うという。

ところで、漉したときに出た水分(ホエー)もロサないで食べきる方法はあるのだろうか。

「ホエーには栄養があるので、スープなどの汁ものに加えるといいですよ。ジュースやスムージーに加えるのも、手軽でおすすめです」

500mlの牛乳から出来上がるチーズは100~150gほど。たっぷり余っているときに、ぜひお試しあれ!

□“リコッタチーズ風”のつくり方

完成
完成

◇材料 (つくりやすい分量)

牛乳:500ml
タイム:2~3枝(バジルでもよい)
レモン汁:大さじ1と1/2
季節のフルーツ:適量(いちじく、ぶどうなど)
生ハム:適量
好みのパン:適量
塩:適量(好みで)


(1)牛乳を温める
鍋に牛乳、タイムを入れて弱火にかけ、ゆっくり温める。人肌程度まで温まったら(目安は60℃。お風呂よりも熱く、一瞬指を入れられるくらい)、レモン汁をまわし入れる。

牛乳を温める
牛乳を温める
牛乳を温める
牛乳を温める

(2)分離してくる
牛乳が固形分と透明な水分(ホエー)に分離したら、火を止める。

分離してくる
分離してくる

(3)水切りする
ザルに厚手のクッキングペーパー(不織布タイプ)を敷き、分離した牛乳を入れて水気を切ったらリコッタチーズ風の出来上がり。ペーパーごと保存容器に移し、冷蔵庫で冷やす。3日間保存可能だが、出来立てに近いほうがおいしい。

水切りする
水切りする
水切りする
水切りする

(4)盛り合わせる
器に季節の果物、生ハム、パン、冷やしたチーズを盛り合わせる。好みで塩を添えてもよい。

盛り合わせる
盛り合わせる

――教える人

「尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター」

料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。


文:大沼聡子 撮影:海老原俊之

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