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「きのこ」がしっとり水っぽい、黒くてニオイが気になる……廃棄した方がいい?【あやしい野菜Q&A】

  • 2024.10.26
定番「きのこ」は野菜室に常備している人も多いのでは? ところが、水っぽくなっていたり、いつもと違うニオイがしたりすることも……これはどういう状態なのでしょう? 野菜ソムリエプロの江戸野陽子さんに解決してもらうシリーズ#8です。
定番「きのこ」は野菜室に常備している人も多いのでは? ところが、水っぽくなっていたり、いつもと違うニオイがしたりすることも……これはどういう状態なのでしょう? 野菜ソムリエプロの江戸野陽子さんに解決してもらうシリーズ#8です。

おなじみの野菜や果物だけど、色や見た目がいつもと違う、ニオイや味が普段と違うなど「あやしいな、大丈夫かな?」と不安になったことはありませんか。次から次へと湧いて出る素朴すぎる疑問を、野菜ソムリエプロの江戸野陽子さんに解決してもらいます。#8はきのこ(菌類 ※総務省「家計調査」では生鮮野菜に分類)を紹介します。

#8「きのこ」がしっとりしていて水っぽいです……廃棄した方がいいですか?

秋の季語でもある「きのこ」ですが、通年販売されるしめじやえのき、しいたけは食卓の強い味方です
秋の季語でもある「きのこ」ですが、通年販売されるしめじやえのき、しいたけは食卓の強い味方です


きのこ類は年中手に入る便利な食材ですが、天然きのこの旬はやはり秋です。シャキシャキとした独特な食感と香り高さは旬のきのこならでは。うまみ成分グアニル酸のおかげで、料理の味わいもグンとよくなります。

菌床栽培される定番のきのこはストック食材として常備する人も多いですが、うっかりしていると水っぽくなっていたり、カサカサに乾いていたり、変色していたり、時には変なニオイがすることも。

傷んだ部分を取り除けば食べられるものもありますが、完全に腐ってしまったものは即廃棄! そうならないように、賢く保存しておいしいうちにいただきましょう。

Q.「きのこ」が傷みやすくなる保存法とは?

きのこが傷みやすくなる最大の原因は「水分」です。密閉袋に入れっぱなしで保存するのはやめましょう
きのこが傷みやすくなる最大の原因は「水分」です。密閉袋に入れっぱなしで保存するのはやめましょう


きのこの大敵は水分です。ところが、きのこは常に呼吸をしていて水分を蒸散させているので、密閉袋に入れたままにしていると袋の中に水滴が発生して劣化しやすくなります。

特に気を付けてほしいのは以下の2点です。

・暑い:呼吸が活発になるため水分が発生しやすくなる
・密閉状態:袋内に水分が閉じ込められる

Q.「きのこ」はどうやって保存すると長持ちする?

きのこは「なるべく早く袋から出す」、キッチンペーパーに包み直して野菜室へ
きのこは「なるべく早く袋から出す」、キッチンペーパーに包み直して野菜室へ


水分のせいで傷みが進むので、なるべく早く袋から出します。

「冷蔵保存」は野菜室で3~4日

キッチンペーパーに包んだものをポリ袋に入れて野菜室へ。3~4日は保存できます。

「冷凍保存」は1カ月程度

きのこは冷凍保存もできるので、バラバラにしたり、スライスしたものを密閉袋に入れて冷凍庫へ。1カ月ほど保存可能です。凍ったものをそのまま加熱調理します。

Q.「しいたけ」がじっとり、黒く変色してしまったら?

新鮮なしいたけ(左)と、変色したしいたけ(右)
新鮮なしいたけ(左)と、変色したしいたけ(右)


傘の裏のヒダが黒く変色し、全体がじっとりと湿っているものは廃棄してください。

しいたけは湿った状態で放置すると変色しやすいので、袋のまま野菜室に入れた時や、濡れたまま常温に置いておくと傷みやすいので注意が必要です。

Q.「えのき」がしんなりしているけれど食べられる?

新鮮なえのき(左)と、一部乾燥して変色もみられるえのき(右)
新鮮なえのき(左)と、一部乾燥して変色もみられるえのき(右)


使いかけのえのきは、数日でひょろひょろになって変色してしまいます。

傘の部分が白いままならまだ大丈夫、食べられます。黒っぽい部分が出てきたら、それはカビなので取り除けばOKです。ぬめりが出てきたら即廃棄しましょう。

Q.「しめじ」の傘の表面にある白いワタみたいなものは何?

傘の部分に白いワタのようなものが付着したしめじ(左)と、乾燥して茶色く変色しはじめたしめじ(右)
傘の部分に白いワタのようなものが付着したしめじ(左)と、乾燥して茶色く変色しはじめたしめじ(右)


きのこの表面に見られる、白いワタ状のふわふわとしたものは菌糸です。白い菌糸は、しめじに限らずどんなきのこにも発生します。湿らせたキッチンペーパーでサッと拭いてから使いましょう。

また乾燥してカサカサになって縮ませてしまった場合も大丈夫。黒く変色していなければそのまま料理に活用できます。

Q.「きのこ」は洗ってから使った方がいいですか?

洗った方がいいきのこと、そうでないきのこがあります。

洗わないきのこ

施設栽培(菌床栽培)のきのこは、洗わなくても大丈夫。衛生管理がなされた栽培施設で作られているのでそのまま料理に使えます。

洗うきのこ(ぬめりがある)

ぬめりのあるきのこ(なめこや生きくらげ)は、調理する前に水洗いしてぬめりを取り除くとよいです。

洗うきのこ(天然きのこ)

天然きのこは土や砂、虫が付着している可能性があるので、洗ってから調理しましょう。目立つごみを取り除き、2%の塩水に浸けて虫出しを行ってください。

きのこは酸っぱいニオイがしたり、ぬめりが出たりしたら腐っているので即廃棄してくださいね。

<参考>
「野菜の定義について」(農畜産業振興機構)

この記事の筆者:江戸野 陽子
東京農工大学農学部卒業。「野菜と豆腐の料理家」として料理教室を実施。また豆腐製品の普及活動に取り組む野菜ソムリエプロ、豆腐マイスター。All About「毎日の野菜・フルーツレシピ」ガイド。

文:江戸野 陽子

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