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寝る直前の行動がカギ! 夜中に目覚めてしまう「中途覚醒」を防ぐには?

  • 2024.10.25
寝る直前の行動がカギ! 夜中に目覚めてしまう「中途覚醒」を防ぐには? Amenic181 / PIXTA(ピクスタ)
寝る直前の行動がカギ! 夜中に目覚めてしまう「中途覚醒」を防ぐには? Amenic181 / PIXTA(ピクスタ)

「睡眠が大事」とはよく聞きますが、食事や運動に比べて「眠れれば何でも良い」「特に気をつかってはいない」なんて人も多いのでは? 睡眠研究の第一人者で筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長・教授の柳沢正史先生は、「睡眠が不足してしまうと心身の両方に大きな影響を及ぼし、脳のパフォーマンスまで低下します」と話します。さらに慢性的な睡眠不足が続くと、深刻な病気を招いたり、老後の健康にまで影響を及ぼしたりすることも…。

睡眠不足からくるパフォーマンス低下、歯ぎしりや夜中に目が覚めるなどの睡眠中のよくある悩みについて解説! 最新の睡眠科学をもとにした正しい情報を知り、今晩から自分の睡眠を見直してみましょう。

※本記事は柳沢正史 監修の書籍『快眠法の前に 今さら聞けない 睡眠の超基本』から一部抜粋・編集しました。

夜中に目が覚める原因は?

不快になる要素があるとその分目が覚めやすい

明るい照明や人の話し声、騒音、暑すぎる・寒すぎる室温、身体に合わない寝具など、眠りを妨げる要因となるものが多いと、目を覚ましやすくなります。睡眠直前の行動も重要で、激しい運動やサウナなどは睡眠の質を下げ中途覚醒につながることがあります。一方で、就寝1〜2時間前に軽い運動や入浴を行うと、深い眠りにつきやすくなります。

年齢とともに中途覚醒は増加傾向にあり、特に50代以降は一晩に1〜2回の中途覚醒は避けられません。むしろ健康的に加齢したのだと気楽にとらえましょう。気にするあまり睡眠不安を引き起こし、かえって不眠症につながる可能性があります。

睡眠の質が悪いと中途覚醒しやすい

睡眠の減点要因が多いと、深く眠ることができません。眠りが浅くなると中途覚醒が起こりやすくなるので、睡眠空間をいかに快適に保つかが重要になってきます。

睡眠の質が悪いと中途覚醒しやすい (C)柳沢正史/朝日新聞出版
睡眠の質が悪いと中途覚醒しやすい (C)柳沢正史/朝日新聞出版
よく眠れていない気がする人は寝室の環境に問題があるかも (C)柳沢正史/朝日新聞出版
よく眠れていない気がする人は寝室の環境に問題があるかも (C)柳沢正史/朝日新聞出版

中途覚醒とは?

よく眠ったと思うときでも、実は睡眠中に脳が一瞬目覚めることはよくあります。ほんの数秒~20秒程度なので、目覚めても覚えていない場合がほとんどです。一方、中途覚醒は、本人が自覚するくらい目覚めている状態。そのあとなかなか寝つけないこともあります。

寝る直前の行動が重要

就寝前の行動は、睡眠の質に大きな影響が。激しい運動や刺激は身体を覚醒させ、眠りにくくします。就寝1 ~ 2 時間前にはリラックスできる活動を心がけ、おだやかな状態をつくり出すことが大切です。

ストレスをため込まない

将来への不安や仕事のストレスなどがあると、身体が緊張状態になり、眠りが浅くなることも。

入浴は就寝1~2時間前

寝る直前に入浴すると交感神経が活発になり、逆に目が覚めてしまうことがあります。

カフェインは8時間前まで

カフェインは摂取してから5~8時間は身体に残ります。午前0時に寝るなら午後4時までが理想です。

寝酒をしない

入眠作用はあるものの、浅い睡眠に。利尿作用もあるため、中途覚醒しやすくなります。

寝る直前の水分補給を見直す

水分補給は大切ですが、寝る直前は多く摂る必要はありません。寝る前の水分はコップ1杯程度に。

寝室環境を見直す

温度、湿度、寝具の状態など、自分の好みに合わないものがあれば見直してみましょう。

生活リズムを整える

起きる時間はもちろん、食事の時間も一定に。生活リズムを整えれば、夜には自然と眠くなります。

あまりこだわりすぎない

「こうしないと眠れない」など、こだわりが強すぎると睡眠不安を招いてしまいます。

入眠儀式を行う

眠る前に、毎晩同じ行動を行うと入眠がスムーズになります。内容は自分に合うものなら何でもOK。入眠儀式(ベッドタイムルーティン)といって、子どもから大人まで効果のある方法です。

50代以降なら、中途覚醒はよくあること。 (C)柳沢正史/朝日新聞出版
50代以降なら、中途覚醒はよくあること。 (C)柳沢正史/朝日新聞出版
寝る前に水分を摂りすぎると夜中にトイレに行きたくなっちゃうよ (C)柳沢正史/朝日新聞出版
寝る前に水分を摂りすぎると夜中にトイレに行きたくなっちゃうよ (C)柳沢正史/朝日新聞出版

監修:柳沢正史さんプロフィール

筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS) 機構長・教授

1960 年東京生まれ。筑波大学大学院修了、医学博士。米国科学アカデミー正会員。大学院在学中であった 1988 年に血管制御因子エンドセリンを、 1998 年に睡眠・覚醒を制御するオレキシンを発見。31歳で渡米し、24年間にわたりテキサス大学とハワードヒューズ医学研究所で研究室を主宰。2012年、文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)を設立。2017年、株式会社S'UIMINを起業し、2022年より代表取締役。紫綬褒章(2016年)、朝日賞、慶應医学賞(2018年)、文化功労者(2019年)、ブレークスルー賞(2023年)、クラリベイト引用栄誉賞(2023年)など多数受賞。

監修=柳沢正史/『快眠法の前に 今さら聞けない 睡眠の超基本』

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