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北大路欣也“明智小五郎”と真野響子“千賀子”の悲恋が描かれる…江戸川乱歩の美女シリーズ「日時計館の美女」の見どころに迫る

  • 2024.10.25
「日時計館の美女」より (C)松竹
「日時計館の美女」より (C)松竹

【写真】美女役として出演、若かりし頃の真野響子“千賀子”

北大路欣也主演、真野響子共演で描かれる江戸川乱歩原作のサスペンスドラマ「日時計館の美女」が、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)にて10月27日(日)昼3時から放送。「土曜ワイド劇場」(1977年~1994年、テレビ朝日系)で放送されていた「江戸川乱歩の美女シリーズ」の第29作目となる。本記事では、見どころとともにストーリーを紹介していく。

名女優たちが“美女役”として登場する「江戸川乱歩の美女シリーズ」

主人公・明智小五郎が、抜群の推理力と華麗な変装で複雑怪奇な難事件を解決していく本シリーズ。第25作目まで明智役を演じていた天知茂さんに代わり、第26作目「妖しいメロディの美女」からは北大路欣也がそのタスキを受け継いだ。正義感の強さと誰にもこびないまっすぐな性格はそのままに、天知さんとは一味違った“スマートさ”を持つ新たな明智像を見ごとに体現している。

そんな本シリーズでは、創意工夫を凝らした奇抜なセットやド派手なカーアクション、そして毎話登場する美女たちの妖艶なシーンなども見どころ。また、由美かおる、片平なぎさ、萬田久子をはじめ名だたる女優たちが演じる“美女役”の入浴シーンや、明智を雰囲気たっぷりに誘惑するシーンなど、“大人向けの作品”として官能的な描写も注目ポイントだ。

ちなみに今回の「日時計館の美女」で美女役・郷田千賀子を演じるのは、映画やドラマ、舞台などで活躍を続ける女優・真野響子。ドラマ「出会い」でテレビ俳優デビューを飾ると、1976年にスコッチウイスキーのカレンダーに登場し注目を集めた。その後、NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」や「マルモのおきて」、「ゆとりですがなにか」などに出演している。

「日時計館の美女」より (C)松竹
「日時計館の美女」より (C)松竹

ある館を巡って殺人事件が発生…「日時計館の美女」あらすじ

物語の舞台は、鎌倉にひっそりと佇む日時計館。バードウォッチングが趣味の明智(北大路欣也)が散策中に、ある古い洋館を見つける。その洋館の窓から顔を出す女性を、何者かが後ろから突き落とそうとしたところを偶然見かけ、明智は急いでカメラに収める。

“日時計館”と呼ばれるその洋館は、先ほど突き落とされそうになっていた女主人の郷田万喜子(水野久美)とその娘・千賀子(真野響子)、息子の一郎(堀内正美)が営むペンションで、長期滞在する客が4人いた。そして明智が窓辺の出来事をカメラに収めた話を宿泊客にしたところ、明智が手洗いで席を外している間に何者かによってカメラのフィルムが抜かれてしまう。犯罪の予兆を感じ取った明智はしばらく日時計館に滞在することを決め、助手に日時計館について調べるよう依頼する。その夜、日時計館の屋根裏を徘徊し、長期滞在者と万喜子たちの部屋を覗きまわる不穏な影が…。

翌日、明智の助手の調査により、“日時計館に滞在する4人の客は万喜子に金を貸しており、館の所有権を狙っている”という事実が判明する。明智は犯罪が起こる危険性と屋根裏の覗きの件を千賀子に話し警告するも、“他の宿泊客が明智を疎ましく思っている”ということで、明智は館から追い出されてしまうのだった。

その後、万喜子が墓参り中に何者かに殺害されてしまう。現場に凶器が残っていなかったことなど不審な点も多く、万喜子の遺言状の執行人に明智が指定されていたことから、明智はこの不可解な事件の解明に協力することになる――。

「日時計館の美女」より (C)松竹
「日時計館の美女」より (C)松竹

明智とヒロインとの悲恋が一層の深みをもたらす…「日時計館の美女」見どころ

江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』が原作の本作では、明智と千賀子の悲恋が描かれる。これまでも明智とヒロインの美女とのロマンスが描かれることはあったものの、いっときの気の迷いであったり、結局は美女が明智の気持ちを弄んでいる場合がほとんどで、物語の軸になることはなかった。

一方、本作では明智と千賀子は互いに惹かれ、想い合いながらも、最後は守るべきもののため辛い選択をする…といった、紆余曲折が丁寧に描かれる。これまでとは異なり、情緒たっぷりの2人の出会いから哀愁漂う結末までが事件と並行して紡がれ、物語にいっそうの深みをもたらしている。

他にも、一癖も二癖もある個性的な宿泊客たちや、夜な夜な屋根裏を徘徊し人々の秘密を盗み見る不気味な影、万喜子を殺害した犯人の正体、そして日時計館に隠された大きな秘密など、見どころ満載。さまざまな要素が絡み合いながらもクライマックスへと収束していく展開は、見ごたえたっぷりだ。

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